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2021.02.18

白血病発覚から2年を迎えた池江璃花子の現在地

約1年の延期が決まった東京五輪。本連載「コロナ禍のアスリート」では、まだまだ先行きが見えないなかでメダルを目指すアスリートの思考や、大会開催に向けての舞台裏を追う。

Licensed by Getty Images

東京五輪の派遣標準記録に0秒45に迫る好タイム!

基準は世界に置かれている。白血病からの完全復活を期す競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が2月7日に開催されたジャパン・オープン(東京アクアティクスセンター)の50メートル自由形に出場し、24秒91で2位に入った。東京五輪の派遣標準記録に0秒45に迫る好タイム。自己ベストの日本記録にも0秒70と1秒を切った。’24年パリ五輪でのメダル獲得を目標に掲げる中、TOKYOも視野に入ってきたが「今は東京五輪を目指しているとは言い切れない。世界で戦えるようになる結果が出始めたら、その時に考えるけど、今はその段階ではない」と慎重な姿勢を崩していない。

594日ぶりにレース復帰した昨年8月29日の東京都特別大会の50メートル自由形は26秒32で5位。それから5カ月余りでタイムを1秒41も上げ、復帰4戦目で初めて表彰台に上った。レース前は25秒30を目標にしていただけに「24秒台が出るとは思っていなかったので、自分の成長を感じられた。自分の中では自己ベストだと思っている」と収穫を強調。一方で写真撮影後は直ぐに銀メダルを首から外し「2番だったので、さらに上を目指したい。いつも中途半端なので、次はバシッと決めたい」と悔しさもにじませた。

昨年10月1日の日本学生選手権の50メートル自由形は25秒62で4位。その後は浮き上がるまでの最初の15メートルで出遅れる課題を克服するため、体重増に着手した。3食を完食することをノルマとし、お代わりも意識。練習の合間にパンを食べるなど摂取カロリーを増やした。’19年12月の退院直後にベストから約15キロ減だった体重は、本格練習を再開した昨年5月から約10カ月で約6キロ増加した。

復帰後初めて100メートル自由形に挑戦した1月23日の北島康介杯は55秒35で4位となり、東京五輪選考会となる4月の日本選手権の参加標準記録を突破。序盤のスピードはまだ国内トップ選手に及ばないが、池江は「飛び込んだ瞬間は体重が重い方が前に進む。体重を戻すことにフォーカスしたことで、15メートルの通過が大幅に速くなった。」と手応えを口にする。

五輪出場条件は、日本選手権で派遣標準記録突破かつ2位以内

2月8日に白血病発覚から2年を迎え、自身のSNSを更新。診断を受けた直後にベッドに横になり笑顔でピースする2年前の写真をアップし「2年前の今日。人生のどん底に突き落とされた日。あの日を一生忘れることはできません。だけど、白血病の診断を受けた後の自分は、思いっきり泣いた後、マネージャーさんに、写真を撮って! と言えるほどこんなに笑顔でした。全てのことに開放され、ホッとしていたのかな。2年前の自分に、2年後はもっと笑顔になれるよって伝えてあげたい」などと記した。

2月20、21日の東京都オープンでは復帰後初めて本命種目の100メートルバタフライに出場する予定。結果次第では50、100メートル自由形とともに東京五輪出場が視野に入ってくる。競泳の個人種目で東京五輪日本代表に入るためには、4月の日本選手権の決勝で、日本水泳連盟が定めた派遣標準記録を突破した上で、2位以内に入ることが条件。池江を指導する西崎勇コーチは「まだ日本選手権の出場種目は決めていない。東京都オープンのバタフライの結果を踏まえて、最終的には本人と話して決めたい」と説明する。

期待は膨らむが、第2の水泳人生は始まったばかり。池江は「泳ぎ始めて1年経っていない状況で、自己ベストからコンマ何秒の世界に戻ってこられたことは、すごく嬉しい。でも、そこまで東京五輪を意識しているわけではない」と心境を明かす。イメージするのは世界で勝つ自らの姿で、5カ月後に迫った東京五輪を意識しすぎることはない。世界と距離を測りつつ、しっかりと足もとを見つめている。

TEXT=木本新也

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