新型コロナウイルスによる不安な空気はいまだ続いている。さまざまなニューノーマルが生まれる中、知らず知らずのうちに心身には疲労が蓄積していることも。こんな時は生きる原点に立ち返りたい。犬や猫という全力で生きるかけがえのない存在が教えてくれることは、ただただ懸命に生きるーー。そんな相棒の姿こそ、今を生きる指針となるのではないだろうか。特集「生涯、最愛の相棒」を再録。
「2匹のベスト・フレンズが"ケア"を教えてくれた」
写真家として日本、ニューヨーク、シンガポールなど世界で活躍するレスリー・キー氏。彼の長年のパートナーはアーフェンピンシャーのダニー(右)とテディー。日本ではほとんど見かけない種類の犬だ。
「ニューヨークのファッション・ピープルには大人気なんですよ。『スター・ウォーズ』のチューバッカみたいで、かわいいでしょう? ダニーは13歳、テディーは11歳。1匹じゃ寂しいだろうから、コンビにして育ててきました。お互い仲がいいんですよ」
レスリー氏が彼らと暮らしながら実感していることわざが「Dog is man’s best friend」。
「本当にそのとおり。男は外で強いイメージを保たないといけなかったりするぶん、家の中では甘えん坊になりたいところがあるでしょう? そんな時、犬は自分を全面的に受け入れて、大きな"優しさ"を与えてくれる。男には、なくてはならない存在だと思う」
取材中、ソファに粗相をしてしまったダニー。
「彼らは僕らより早く年をとる。だから一生懸命に支えてあげないといけない。でもそれは親や家族に対しても、いつかしなくてはいけないこと。人をケアする気持ちの大切さも、犬が教えてくれるんですよ」
Leslie Kee
1971年シンガポール生まれ。2016年よりNHKと2020年オリンピック・パラリンピックの応援テーマ「→2020 レスリー・キーがつなぐポートレートメッセージ」を製作。(ダニー・13歳、テディー・11歳。ともにアーフェンピンシャー・オス)
※記事は2018年2月号より再録。2017年12月22日現在のものとなります。