最高峰のシャンパーニュ、ドン ペリニヨン。そのグローバルキャンペーンの写真や映像をディレクションするのは、あのレニー・クラヴィッツだ。マルチな才能を発揮するレニー・クラヴィッツにドン ぺリニヨンへの想い、自身のクリエイションについて話を聞いた。
インスパイアし合う相互関係
ロサンゼルスの街を一望する丘の中腹。日が沈みはじめ、空がグラデーションに染まりかけた頃、この高台にある一軒の瀟洒な建物に、ドレスアップした男女が集まってきた。
ここはミュージシャンのレニー・クラヴィッツ自らがデザインに携わったというヴィラだ。この日、レニー・クラヴィッツの招待を受けたのは、ハリウッド俳優のハーヴェイ・カイテルとスーザン・サランドン、トップモデルのアビー・リー、希代のダンサーで天才振付師と称されるバンジャマン・ミルピエ、人気ファッションデザイナーのアレキサンダー・ワン、レニー・クラヴィッツの娘でアーティストとして活躍するゾーイ・クラヴィッツ、そしてサッカー界のレジェンド、中田英寿だ。
人種も違えば、世代も専門とするジャンルも異なる面々は、この日レニー・クラヴィッツのヴィラで、ドン ペリニヨンを片手に大いに語り合った――。
これはドン ペリニヨンのグローバルキャンペーンで使われる写真や映像のシーン。それぞれの個性が他を刺激し、インスパイアし、インスパイアされる瞬間をレニー・クラヴィッツがファインダーに収めたのだ。
その写真が、先日、東京で開催された世界巡回の展覧会『ASSEMBLAGE : A LENNY KRAVITZ PHOTO EXHIBITION Inspired by Dom Pérignon』でお披露目。来日したレニー・クラヴィッツに話を聞いた。
「ドン ペリニヨンというものは、私にとっていろいろなことを意味しています。それはアートであり、歴史であり、時間。また祝福であり、人を集めるもの。そしてそこからコミュニケ―ションが生まれるのです。
今回のコラボレーションは、写真・音楽・デザイン・建築と様々な分野でアーティスティックな表現を楽しめた特別なものになりました。被写体の7人は初対面という人もいましたが、ハーヴェイ・カイテルの奥さんがアレキサンダー・ワンのデザインが好きだったりと、どこかでつながっていて、みんなすぐに打ち解けて盛り上がりました。なかでも中田英寿は、本当にナイスガイ。オープンでスタイリッシュで謙虚。彼とはとてもいい時間を過ごせたと思います。
私とドン ペリニヨンとの出会いは、前醸造最高責任者のリシャール・ジェフロワからの紹介によるもの。実際にメゾンや畑を訪れ、シャンパーニュづくりの手ほどきを受けました。自然や科学の話は非常に興味深く、携わっている人たちのクリエイティブな部分に触れることにより、本当に多くのインスピレーションを得られました。
クリエーションにおいて重要なのは本物であるということです。そのために人と一緒に過ごし、お互いにインスパイアし、インスパイアされることは最も大切なことだと思っています。
そして、それこそがドン ペリニヨンの世界観なのです」