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2018.05.22

前園真聖×ハリー杉山 サッカー放談「西野ジャパンで軸となる選手は……」

6月14日から開幕する「2018 FIFAワールドカップ ロシア大会」。新たに日本代表監督に就任した西野朗氏が目指すサッカーとは、一体どのようなものなのか? 5月16日に表参道にて行われたウブロの特別展「HUBLOT LOVES FOOTBALL Special Exhibition」でMCを務めたハリー杉山氏が、イベント終了後にこの日のゲストの前園真聖氏を直撃。西野監督の下、1996年のアトランタ五輪でキャプテンとしてチームを率い、”マイアミの奇跡”と呼ばれるブラジル戦での勝利をもたらした前園氏が語る、強豪国との戦い方とは?

“マイアミの奇跡”は偶然じゃない

ハリー:西野監督の言う、”日本らしいサッカー”ってどのようなものだとお考えですか?

前園:日本の選手は海外の選手よりフィジカル的に劣っているけれども、例えば、乾選手なんかはクイックネスとかアジリティが高いし、個の力で局面を打開できる選手。そういうところは活かしたいところですよね。守備に関しては、やっぱりひとりだけじゃ抑えきれない部分もあるから、前線の選手も含めて全員でハードワークして戦うっていうところが、ひとつの大きなテーマになってくるんじゃないかなって思います。

ハリー:僕はサッカー選手ではないので、素人レベルの知識でお伺いさせていただくんですけど、西野監督が率いていた時のガンバって非常に攻撃的なチームだったと思うんです。先日、西野監督とお話した時に、ガンバは自分がつくったというよりは、ひとりのタレントがいて、それをサポートする周りの選手たちが揃っていたから成功した、ということを仰っていました。だとしたら、今の日本代表の軸となるタレントは誰になってくるんでしょうか?

前園:おそらくもう西野監督の中ではある程度固まっていて、たぶん香川選手、乾選手、宇佐美選手、本田選手とか、そのあたりだと思います。

ハリー:ワールドカップ本番まであと一ヶ月。日本の武器のひとつは結束力だと思うんですが、一ヶ月でチームをまとめていくのは相当難しいんじゃないですか?

前園:確かに難しい。だけど逆に言えば、この状況で選手達が「じゃあ監督だけに任せるんじゃなくて俺らがやんなきゃ」って思うことができれば、チームの結束力もぐっと高まると思います。

ハリー:アトランタ五輪での日本代表の結束力っていうのは、どういうプロセスで作られていったんですか? 長い時間をかけて培ったものだったのでしょうか?

前園:アトランタの頃の代表って、今と違って一緒に過ごす時間が結構多かったんですよ。だからチームとしてのまとまりもすごくあったし、言いたいことが言える関係性ができていた。すごく風通しのいい環境で、選手が監督にも意見を言ってたし、そこで色々な議論ができたっていうのがよかったんだと思います。

ハリー:当時の映像を見直すと、トレーニングしてる時とかハーフタイムとか、めちゃくちゃ話し合っていますよね。前園さんもそうだし、中田ヒデさんや当時決勝ゴールを決めた伊東輝悦さんも含めて、みんなが話し合っていた印象があります。今の代表は見ていて、うまくコミュニケーションが取れているのだろうかって少し心配になってしまう時があります。特に、海外でプレーしている選手とJリーグの選手たちの間で。

前園:選手たちももっと危機感を持ってやんなきゃいけないと思います。だから、一度話し合いの場を持って、全員が自分の意見を言い合うような機会をつくったほうがいいような気がする。

ハリー:アトランタの時って、みんな携帯は持ってました?

前園:持ってないかな。でもメシ行ったりとか、外でみんなに出かけていったりとかしてましたね。あとはマッサージルームに集まって、対戦相手のビデオを見ながら、ああでもないこうでもないとか言い合ってた。今みたいにいろんなツールは揃ってなかったけど、だからこそ、みんなで自然と集まってコミュニケーションをとっていた気がします。

ハリー:意見がぶつかることもありました?

前園:めちゃくちゃありましたね。僕ら前線の選手はガンガン攻撃したいって言うけれども、ディフェンダーの選手は、ブラジル、ナイジェリア相手にそんな攻撃できるわけないでしょって。選手間でぶつかることもあったし、そこに西野監督が入ってきて説得されたりとか。でも、それはただワガママをぶつけてるんじゃなくて、試合に勝ちたい、このチームで決勝トーナメントに行きたいっていう思いをみんなで共有していたからこそ、お互いに言いたいことを言い合えたんです。

ハリー:アトランタ五輪のブラジル代表って、確かロベルト・カルロスもいましたよね?

前園:あとはロナウドやリバウド。

ハリー:全盛期バリバリのジュニーニョも。恐ろしいメンツ……。ただ、弱点がひとつだけあるとしたら、センターバックの裏だった。

前園:そうそう、もはやそこしかなかった。分析するためにブラジル代表の映像を見ても、すごすぎて、スキがない。しかも試合のちょうど一週間前にそのブラジル代表が世界選抜チームに勝っちゃって。その映像も見たけど、こんなのとやるのかって思いました。でも、守備で耐えて耐えて、ディフェンスが上がってきたその裏のスペースが唯一ウィークポイントだから、タイミングいい形で入ればチャンスがあるんじゃないかっていうのは、みんなで意思統一できていました。

ハリー:キーパーとセンターバックが交錯して、そこに伊東さんが詰めた。

前園:もし前半の早い時間に点を取られてたりしたら、たぶん3-0、4-0になってた試合だと思う。なんとか0―0で後半に入れたから、向こうは焦りが出てきたっていうのかな。

ハリー:その時から約20年が経って、日本と世界との差って縮まっていると思いますか?

前園:もちろん日本のレベルは上がってきてるけれども、それ以上に世界のレベルも上がっていて、実は差はあまり縮まってないのかなって思っています。そりゃ昔に比べると、日本の選手たちは海外のビッククラブで活躍していますけど、日本代表での経験値っていうのは、あまり蓄積されていないんじゃないかなって。

ハリー:なにが日本代表に一番必要なことは何だと思いますか?

前園:もっと海外の強いチームと日本代表が戦うこと。その経験を積まなきゃいけない。個じゃなくて、代表として。

ハリー:2019年、日本代表がコパ・アメリカに出場しますね。

前園:そういうのをもっともっとやっていかないと。チームとして経験値が足りないから。この前のブラジルとかベルギーと戦った、ああいう試合をもっと増やしていく。正直言って、勝つ必要はないんですよ、別に。だって一年間を通して代表で集まるのって何十日しかないから、そこでの経験値ってちょっとしかない。みんなベースはクラブチームだから、強豪国と試合して日本代表での経験値をもっと上げていかないといけない。コパなんか最高の機会だと思います。

ハリー:実は僕も、ボコボコに負けることも必要なんじゃないかと思ってて。確か2001年の対フランス戦、5-0で負けましたよね。

前園:そうそう。ああいうのが大事。

ハリー:負けて得るものもたくさんあるし、そういった経験を積み重ねて日本代表が強くなっていくんですよね。

Masakiyo Maezono
1973年鹿児島県生まれ。元サッカー日本代表。1992年鹿児島実業高校からJリーグ・横浜フリューゲルスに入団。96年、アトランタオリンピックでは、ブラジルを破る「マイアミの奇跡」をチームのキャプテンとして演出する。その後、ブラジルや韓国などでプレーし、2005年5月19日に現役引退を表明。その後は解説者としてメディア等で活動しながら、ZONOサッカースクールを主催し、普及活動を行っている。
Harry Sugiyama
1985年東京都生まれ。11歳で渡英後ウィンチェスターカレッジに進学、ロンドン大学に進む。英語、日本語、中国語、フランス語の4ヵ国語を話し、現在はタレント・MCなど、多岐に渡って活躍。スポーツにも造詣が深く、常日頃からトレーニングは欠かさない。今年は東京マラソンにも出場し、3時間40分06秒を記録。また、プレミアリーグ・アーセナルの熱烈なサポーターであり、昨年、アーセナルサッカースクール東京初代アンバサダーに就任した。本WEBで「Manners Makyth Man ハリー杉山の紳士たれ」を連載中。

TEXT=宮寺拓馬(ゲーテWEB編集部)

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