「今日はうかがいたいことがたくさんあるんです」との作詞家の秋元 康さんの一言から始まったこの建築家安藤忠雄氏との対談。建築家、作詞家として圧倒的な作品数を誇り、また、本流を歩いてこなかったふたりだからこそ感じ合える強みとは――。
仕事には無理難題があればあるほどいい
安藤忠雄(以下・安藤) 秋元さんとは、U2のボノと3人でご飯を食べに行きましたね。
秋元康(以下・秋元) はい。ボノにスピーチの日本語訳を頼まれたんです。その打ち合わせに行ったステーキ屋さんで安藤さんともお会いして……。
安藤 秋元さん、なんかボノといろいろ話していましたね、上手な英語で。私は英語がよくわからない。でもボノは喜んでいて、あの後、秋元さんにまた会いたいと言ってました。
秋元 安藤さんとボノがすごいのは、お互いの言葉がわからなくても、楽しそうに会話をしていることです。
安藤 感覚だけでね。向こうが「食事に行こう!」って言うから、こっちも「行こう!」と。それくらいは何となくわかるからね。でも私は、それ以上の英語はわからない。ボノは日本語がわからない。だけど、何となくずっと会話している。それで、「また会おう!」って言って別れるんです。
秋元 同席していると、びっくりしますよ。すごい。ああいうのを波長と言うんでしょうね。安藤さんがビビビビ!と何かを発して、ボノもビビビビ!と返して、それがどこかで同調して、お互いが何かを伝え合っているんですね。
安藤 通じているのかなあ。でも、まあ、問題は起こりませんよ。ジョルジオ・アルマーニとも何度か食事をご一緒しましたが、彼はイタリア語だから、英語よりももっとわからない。でも、何ら不都合はありません。関係者が「通訳を同席させますか?」とか、気を遣ってくれるけれど、僕は「ええよええよ、大丈夫」と。ボノともアルマーニともお互い共感するところが多く、目指すべきものを共有しているから、言葉の理解を超えて通じ合うものがあるのです。
秋元 ボノの家は、安藤さんが設計されているんですよね。
安藤 ずいぶん時間をかけてやっています。ボノは世界的なミュージシャン。母国アイルランドでは絶大な人気と信頼があります。
秋元 はい。
安藤 彼はアイルランドに広大な土地を持っていて、そこに家を建ててほしいと言うんです。その土地はね、ボノが所有する以前から鉄道が横切っている。だから、線路をまたいで建物を作ってくれ、と言われている。
秋元 大胆なリクエストですね。
安藤 難しいとは思いますよ。でも、ボノは「問題ないよ」と。半信半疑のまま、図面を持って役所へ行くわけです。案の定、「そんなことはありえない」と突っ返される。すると、ボノは「よし、これは時間との勝負だな」と。
秋元 それで、役所は承諾したんですか?
安藤 いや、まだ揉めています。でも、ボノには、まったく諦める様子はないですね。粘り強い。芸術家の持つ闘争本能なんでしょう。
あるものを活かしてないものをつくる
秋元 今日は安藤さんには教えていただきたいことが多すぎて、何から伺おうか、と。
安藤 いや、私のほうこそ今日はいろいろ質問したい。
秋元 まず、知りたいのは“優位性”についてです。仕事を依頼された時、僕はいつも「この人はなぜ自分に頼んだのだろう?」と考えるんです。他の誰かではなく僕ができることは何だろう――と、自分に問いかける。言い換えると、「自分だけの“武器”とは何か」と。他にも多くの建築家がいる中、安藤さんに依頼する人は、何を期待していると感じていますか。
安藤 ベネッセホールディングス会長の福武總一郎さんの依頼で、瀬戸内海の直島に美術館を作ったのですが、福武さんは「建物を作っても美術品を買うお金まではない」とおっしゃる。だから、アーティストたちが「ここにオレの作品を置きたい」と感じる圧倒的な美術館にしてくれとね。それで、念頭に置いたのは「あるものを活かす」ということです。
秋元 「あるもの」とは?
安藤 瀬戸内海ですよ。あの穏やかな海を活かし、古くからの民家を活かして、世界に何かを発信できる建築にしたい。優位性とは考えたこともありませんが、もしかしたら私の優位性というのは「あるものを活かしてないものをつくる」ということかもしれません。
秋元 今ある条件で何かを生むことは、企業の会社員であってもきっと大切なことではないかと思います。どんな仕事でも、予算だとか、期限だとか、会社に決められた人事だとか、限られた中で成果を上げなくてはいけない。今は誰もが「世界のANDO」と認識していますけれど、若い頃、無名時代はもっとシバリが多かったのではないですか?
安藤 私は大学の専門教育を受けていませんから、やせ我慢の連続ですよ。もう、思いの強さだけでやってきた。
秋元 その「やせ我慢」が力になったことはありませんでしたか? 特に、若い頃は自分がやりたいことがすぐに収入に結びつかなくても頑張れます。やせ我慢というのはある種の美学で、だからこそ続けられるのでは?
安藤 男はやせ我慢をしなくちゃいけませんね。建築界というのは、東京大学とか、早稲田大学とか、誰もが名前を知っている偏差値の高い大学を出た人ばかりでね。自分は工業高校卒だから、ハンディキャップがあります。切実だったのは、建築の話相手がいないことでした。迷っても悩んでも、教えを請う師もいなければ相談する友もいない。それで、その頃は大先輩で昨年12月に亡くなられた菊竹清訓さんをはじめ、先輩たちの名作をずいぶん見に行きました。それらの作品の中にある想像力を自分の中に取り入れたいと思っていたのです。
秋元 先輩を乗り越えたいとも?
安藤 乗り越えたかったですね。でも、残念ながら、自分はきちんとした建築の教育を受けていないので、いい建築を見てもなかなか理解できない。だから、何度も見に行く。その繰り返しです。そのうちに過去の作品を単純に「乗り越える」ことなどできないことがわかりました。というのも、音楽や映画もそうかもしれませんが、建築も時代と共にあるんです。1960年代の高度経済成長期に丹下健三さんが数多く建築を手がけていた頃は、国を挙げての建築ラッシュだったわけです。特に代々木の体育館は最も好きな作品のひとつですが、今の時代にあれを超えるものをつくろうとしても、それは無理なのです。努力でなんとかなるものでもない。時代が違うと、同じ発想ではやっていけない。
秋元 安藤さんでも、先輩や、他の建築家のことは気になっていたんですね。
安藤 気になりますよ。みんな「他人のことなんか気にしないでしょ?」と言いますけれど、今も気になっています。建築雑誌だって見ます。人はどんなもの作っているんだろう、と。だけど、本心は見たくないんですよ。見ないようにしよう、と思う。でも、結局は見てしまいます。それで、秋元さんの言われる優位性と関係するかもしれませんが、しっかり勉強をしてきた建築家に、理論では勝てない。だから「自分は思いの強さで勝負しなくてはいけない」と気づくわけです。そういう、建築だけではなく、自分の生き方をしっかりと持たなくてはいけない。
海外のポップ・ロックより日本生まれのAKB48
秋元 安藤さんとはスケールは違いますが、僕も作詞について、あるいは放送作家として、きちんと勉強をしてきたわけではありません。ラジオ局に送った原稿がたまたまスタッフの目に留まって、遊びにおいでと言われたのがキャリアのスタートでした。その後は、自分が「面白い」と感じたことをやっていたら、ずっと続いているという感じです。
安藤 むしろ、それがよかったのではないですか。
秋元 そう感じることはあります。最初に技術がなくて、もっと言えば根拠がないところからスタートしているので、根拠にしがみつくことがなかった。手探りで進む中で「コレ、面白そうだな」と感じたものをやれました。いくつか新しいことができたのも、初めに技術を学んでいなかったからかもしれません。
安藤 実際、秋元さんがやられているAKB48は面白いですよ。世界へ発信し始めていますからね。
秋元 海外進出はインターネットの時代だから可能性を見い出せました。AKB48の成り立ちや活動を海外の人がリアルタイムで知ってくれたことは大きかった。
安藤 日本は文化的鎖国に近い状況が続いていましたからね。
秋元 僕たちの世代は欧米への憧れがあって、今までは“欧米みたいなもの”を作りがちでした。ですから、なかなか成果は上がりません。その一方で、畳や障子の技術が評価されたり、日本アニメが評価されたりしています。
安藤 海外で仕事をしていて感じますが、中国へ行っても、韓国へ行っても、AKB48の人気は大変なものですよ。かつてのソニーやトヨタがそうであったように、日本の存在感のひとつになっていると思います。間違いなく、AKB48は日本を元気にしています。政府はこういう文化をサポートしなくちゃいけない。
秋元 ちょうど今、経産省とクールジャパンとして、いろいろ海外に向かおうとしているところです。日本のコンテンツ力を見せつけたいですね。
多作だからこそその時の思いが伝わる
安藤 秋元さんは、今、同時にいくつくらいの仕事をやられていますか?
秋元 細かいものを加えると、100くらいだと思います。
安藤 それは多い!
秋元 安藤さんも同時にかなりの建築を手がけていますよね。
安藤 50くらいかな。秋元さんは、AKB48やテレビ番組のほかにもいろいろな分野で活躍されていますね。
秋元 今は映画やミュージカルなど、3年くらい先のものまであります。
安藤 仕事は多いほうがいい。
秋元 僕もそう思います。
安藤 建築の世界には、ひとつの仕事を引き受けたら他は断って一本勝負をする名人タイプもいます。でも、私に関していえば、仕事はたくさんあったほうがいい。多作のなかにこそ、新しい発見があると思う。
秋元 たくさんの仕事をしているからこそ、そこに自分の潮流のようなものができます。1年に1作、というやり方もあるとは思いますが、安藤さんも僕も、思いが多すぎるから、年間ひとつではそこにすべてを注ぎこめないのではないでしょうか。1年に20作あって、振り返って全部を眺めると、その時に考えていた何かが見えてくる。
安藤 よく質問されますよ。「そんなにたくさんの仕事をして、全部憶えていますか?」「そんなにたくさんやって、疲れませんか?」とね。でも、自分の仕事はすべて憶えています。それに、面白いこと、楽しいことをやっているのだから、疲れません。体力、精神力、好奇心で、青春をかけて面白い仕事をやるわけです。青春は若い人だけのものではありません。青春とは気持ちのあり方だから、40代も、50代も、60代も青春を生きることができる。
秋元 僕はこれをすごく伺いたかったんですけれど、建築は絶対にひとりではできませんよね。同時に50もやっていたら、誰かに任せなくてはいけないことは当然あると思います。すると、直接担当しているスタッフの方と安藤さん、もしくは現場の職人の方々と安藤さんの間には、誤差が生じますよね。
安藤 私の思いと彼らの仕事は当然ずれますよ。うちの事務所にはスタッフが30人いて、それぞれの建築に担当がいます。30人全員感性が違うし、30人全員と朝から晩まで打ち合わせをするわけにもいきませんから。
秋元 僕は映画の仕事もやっていますが、映画製作はまさしくチームで行う世界で、自分ひとりでは絶対にできません。例えばセットの中に赤い椅子を置こうとして、でも、僕が頭の中でイメージしている赤と、美術スタッフが用意する椅子の赤は違う。そういう誤差が積み重なると、どうしても作品のフォーカスが甘くなってしまいます。安藤さんは海外の仕事も多いから、外国人との作業も多いはず。誤差が生じて腹は立ちませんか?
安藤 若い頃はしょっちゅう怒っていました。私はコンピュータではなく、手で線を引いて設計しているから、思いどおりにいかないと自分の身体を傷つけられたように感じて、ものすごく辛いんです。
秋元 どうやって気持ちと折り合いをつけるんですか?
安藤 どの建築でも、勝負するところを考えています。どこで勝負に出るか。
秋元 「ここだけは譲れない」というところですね。
安藤 ええ。そこにフォーカスして仕事をします。
秋元 それは?
安藤 建築で大切なのはね、光だと思っています。建築における感動は光しかない、と信じている。建物の中に、思わずすくい取りたくなるほどの一筋の光が入る。それが感動なんです。そういう建築を常に意識するんですよ。
全力投球した20代と勝負どころを心得た今
秋元 「どこで勝負をかけるか」というお話は、元プロボクサーの安藤さんらしい発想だと感じました。ボクシングでいえば、ただむやみにパンチを出し続けているのではなく、常に勝負するところをイメージしてパンチを打つわけですよね。
安藤 作詞だって、あるでしょう? 勝負どころが。なにしろ秋元さんは、あの美空ひばりの「川の流れのように」を作られています。ひばりさんといえば、私たちの世代ですら歴史上の人物に思えるほどの大物です。歌詞を書かれた時は、秋元さんにとっては、やっぱり勝負どころだったんじゃないですか?
秋元 あの時、僕は初めて作詞家としての自覚を持ち、真っ向勝負だと思い歌詞を書きました。
安藤 それは、ものすごい緊張感でしょう。
秋元 「川の流れのように」は、おそらく、皆さん、サビしか憶えていないと思うんですよ。
安藤 この曲名を歌いあげるところですね。あそこは盛り上がりますね。
秋元 ありがとうございます。でも、他はそれほど目立つ歌詞になっていないんですよ。僕のイメージではじっと我慢して、待って、待って、サビで一気に勝負に出たんです。
安藤 あそこのサビはすごく印象が強いから、私のように音楽に疎い人間ですら、今ここで歌えますよ。日本人は誰もが歌えるんじゃないでしょうか。
秋元 ヒットする曲には、歌詞のすべてに力が入っていない場合が多いんです。一行目から全力だと、勝負どころが浮きあがってこないから。そして、肝になるところは、どんなにコストや時間が限られていても、とことんやるべきだと思います。僕は今でも、大切なところはイメージどおりになるまで何度もリテイクします。
安藤 でも秋元さんね、20代、30代の頃は、すべてに全力投球してたでしょ?
秋元 確かに全部頑張っていましたね。
安藤 これまでの話と矛盾することを言ってしまいますが、若い頃の全力投球は、あれはあれでよかったでしょ?
秋元 よかったですね。
安藤 頑張り過ぎている自分を思い出すと、ちょっと気持ち悪いですけれどね。それでも「ぎくしゃくしてはいるけれど、気合は入ってたなあ」とは感じます。残念ながら、あの気合は、もう取り戻せませんね。
秋元 安藤さんは、時間とかコストとか地形とかの条件が厳しい仕事と、「安藤先生にすべてお任せします!」という仕事は、どちらがやりやすいですか?
安藤 そりゃあ、無理難題はいっぱいあったほうがいい。問題点が多いことは、まったく苦になりませんね。経験から言わせてもらうとね、概して、予算が少ない人のほうが思いは強いもので、3000万円の予算で1億円かかるようなリクエストをしてきます。すると、3000万円でどうやって1億円の表現をするかを考えるわけです。その結果、その建築の中のどこで勝負するかが見えてくるんです。振り返ると、若い頃からずっとこの“ゲーム”と向き合ってきました。緊張感を持ってね。その積み重ねで一歩ずつ前へ進めた。
秋元 おっしゃること、よくわかります。音楽でもテレビ番組でも、好きにやってください、と言われた時が一番困ります。秋葉原のAKB48劇場には、客席内前方の左右に2本の太い柱があるんですよ。そのせいで、客席のどの位置にいてもステージ全体を見ることができません。でも最初に下見をした時に、柱があるからこそ面白いと感じました。知恵が生まれる、と。ファンの人たちは、目当てのコを見るためには、どこだったら柱に邪魔されないか、情報交換をして盛り上がっています。
安藤 社会が整備されすぎて、問題を持たない人が、問題のないプログラムを、問題のない環境でつくると、つまらないものばかりが生まれてしまいます。
秋元 まさにおっしゃるとおりですね。安藤さんは、今までに挫折とか行き詰まりを感じたことはありますか?
安藤 そりゃあ、ずーっと挫折ですよ。まず大きなところで言えば、大学を出ていないので、評価されていません。先ほども言ったように、建築界は東大、京大、早稲田など高学歴の人々ばかりですから。まあ、それはしかたがないとは思ってやってきましたけれどね。
秋元 そうでしたか。
安藤 建築界以外の人は褒めてくれるんですよ。「面白い建物だ」と。「安藤さん、ずっといい目ばかり見てるでしょう」とも言われる。でも、そんなことはないですよ。建築の世界の人たちは、面白いだけでは評価してくれない。
秋元 逆に有利に働くケースもありますか?
安藤 なんでしょうねえ……。「しまった!」と思えることじゃないですか。偏差値の高い学校を出ると、何かトラブルが生じた時に、相手のほうがおかしい、と考えがちです。私の場合、自分が「しまった!」と思う。これは気づきです。自分を顧みるチャンスですよ。こういう気持ちがあるからこそ、闘ってこられたのだとは思います。
秋元 僕も同業者には評価されませんね。
安藤 それこそ嫉妬されているんでしょう。
秋元 先ほど緊張感ということをおっしゃいましたが、僕にとっての緊張感というのは、孤独との闘いだった気がしますね。評価されなくても、ひとりでも続けるという。もちろん、スタッフや仲間はいますが、自分の仕事の局面でジャッジするのは自分ひとりの意思ですから。
安藤 私も、いいアイデアが浮かばずに行き詰まって、ひとりで悩むことはあります。そういう時は、好きな昔の名建築の図面をトレースします。すると、考え方というかエッセンスがわかってくる。そのエッセンスを自分の中に取り込もうとします。それとね、事務所には世界的に評価されている各国の美術館の模型があって、それを眺めます。やっぱりエッセンスを取り込むためにね。すると、行き詰まりを飛び越えることもあります。
秋元 自分のエッセンスを真似されることはどう感じますか? 街では安藤さんの建築に似ている建物をよく見かけますが。
安藤 ほとんど気になりませんね。「うまくできてるなあ」と思うことが多いです。真似したもののほうが上手にいくんですよ。真似した人には妙なこだわりがなくて、洗練されますからね。
建築物は朽ちていく“様”にも魅力がある
秋元 安藤さんは、建築のことを考えていない時間は何をされているんですか?
安藤 建築のほかには何にもないですね。だいたい建築のこと、考えています。
秋元 ゴルフとかは?
安藤 しません。お酒もカラオケもしません。食事にもこだわりはないです。秋元さんのようにヒットチャートを気にすることもないので、楽しく仕事させてもらっています。
秋元 僕の場合は、数字のプレッシャーは嫌ではないんです。実は僕は、ご本人が目の前にいるから言うわけではないんですけれど、生まれ変わったら建築家になってみたいと思うんです。というのも、音は消えていくものだけど、建築は自分がこの世を去って100年経っても残っているかもしれない。
安藤 建築も生き物ですから、100年経てば汚れていきますけれどね。
秋元 確かに汚れ、朽ちるかもしれません。でも、朽ちていく“様”にも魅力を感じます。
安藤 朽ちていく過程にも建築家の考え方や哲学は読み取れます。そこは面白いかもしれません。汚れて朽ちて消えていくのは、命があるからなんですよ。建築も生物です。確かに、そこが面白くてこの仕事をしている人は多いですね。私もそのひとりです。
Text=神舘和典 Photograph=筒井義明
*本記事の内容は12年3月1日取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい