2022年12月1日、北海道・ニセコ町にラグジュアリーホテル「雪(せつ)ニセコ」が、冬のグランドオープンを迎えた。パウダースノーで人気のスキー場「グランヒラフ」へのアクセスがよく、冬のアウトドアアクティビティを楽しむのには絶好の場所。その立地のよさだけでなく、温泉やスパトリートメント、ダイニングも話題だ。今回は「2ベッドルーム・スイート」に滞在し、冬のリゾートホテルステイを存分に味わった。
ニセコの新たなラグジュアリーホテル
北海道・新千歳空港からクルマで約2時間半で到着するスキーリゾート「雪(せつ)ニセコ」。ホテルのエントランスに足を踏み入れると、大きな暖炉が配されたラウンジが迎えてくれ、窓の外には、雄大な羊蹄山。ここで一気にリゾート気分が盛り上がる。
館内の至るところに地元のアーティストを中心とする作品が配され、ロビーから客室へ、レストラン、温泉へと移動するたびにアートを楽しむことができるのも嬉しい。
家族での長期滞在もワーケーションも快適に
館内デザインを手がけたのは、世界の建築家Top100に選ばれている「W-Architects」のマネージングディレクター・モク ウェイウェイ(Mok Wei Wei)⽒。客室は優美な和の意匠と現代的なラグジュアリーを融合させた、快適な居住空間となっている。
全190室ある客室は、カジュアルなスタジオタイプから、1、2、3、4ベッドルーム・スイート、ペントハウスまでと幅広い。今回、滞在したのは「2ベッドルーム・スイート」。海外ゲストの多くが5泊以上するというから、この客室タイプが最も多い88室というのもうなづける。
広いリビングに2つのベッドルーム、バスルーム・洗面も2カ所、それぞれのベッドルーム付近にあり、プライバシーが適度に守られる。2世帯で、あるいは、親しい友人同士での利用に最適な造りだ。
和室スペースもあり、外国人はもとより、日本人ファミリーにも人気だというのにも納得。
バスアメニティは、近隣の蘭越町(らんこしちょう)のシラカバ樹液や、ニセコ町のトドマツエキスを使ったオリジナル、「SIRACA FOREST(シラカ フォレスト)」のアイテム。ユニセックスな香りが爽やかだ。
歯ブラシ、シェーバーなどのアメニティ類は客室にはなく、ホテルのフロントや大浴場の受付に用意され、自分で必要なものをピックアップする。
キッチンには大型冷蔵庫、高級家電ブランドのオーブンレンジや炊飯器、基本的な食器・カトラリーが揃うから、好みのワインや食材を持ち込み、料理の腕を振るってディナーを楽しむのもOK。
フルサービスのホテルの快適さとコンドミニアムのような気軽さを兼ね備え、ストレスのない滞在ができる。なお、「雪ニセコ」を手がけるのはシンガポールの大手ラグジュアリーデベロッパーである、SC グローバル・デベロップメント。各客室はオーナーがいて、投資・運用されているのも今どきのニセコだ。
充実のウェルネス施設で、至福のお籠り滞在もできる!
まずは思う存分スキーを楽しみ、寒さと疲れで体が凝り固まった!という時には、ウェルネスフロアへ。ワンフロア全体がウェルネスセンター(広さは750平米!)で、大浴場、4つの貸切温泉、サウナ、フィットネスセンター、ヨガスタジオ、そしてスパを備える。
温泉にゆっくりとつかって温まり、24時間利用できるジムで体をほぐす。また、朝や夕方にヨガレッスンを開催しているので、気軽に受けられる。ヨガは初心者から上級者まで、レベルに合わせたレッスンをしてくれるのがありがたい。
温泉の泉質は、ナトリウム塩化物-炭酸水素塩泉。少しとろみがあり、疲労回復にはぴったりの温泉だ。貸切温泉は4つあり、1回45分、予約制。客室のタブレットで大浴場の混雑状況がわかり、貸切温泉の予約も可能だ。
そして外国人にとって、ラグジュアリーホテルにスパは欠かせないということもあり、スパトリートメント激戦区でもあるニセコ。ウェルネスフロアにある「六花(リッカ) スパ」も、予約が取りにくい日もあるという人気ぶりだ。宿泊の予定が決まったら、同時に予約するのをお勧めしたい。
「六花 スパ」は、「ラピデム トウキョウ」が監修したスパで、東洋医学に基づく伝統療法をベースに、ニセコの自然の恵みを取り入れたプログラムが用意されている。男女を問わず人気がある「アンヌプリの大自然の儀式」は、熟練のセラピストによるハンドトリートメントとホットストーンを組み合わせたオリジナルメニューだ。
目的別(疲労回復、リラックス、自律神経を整える、免疫力アップ、デトックス・エイジングケア)に5種類用意されたブレンドオイルの中から、香りを試し、今日のトリートメントに使うものを選ぶことからスタート。疲労回復や免疫力アップといった目的で選んでもいいし、好みの香りでセレクトしても。
「アンヌプリの大自然の儀式」は、背面を米粉でスクラブしてから、オイルトリートメントへと続く。合間に、経絡のツボを刺激するのがなんとも心地いい。ホットストーンはマッサージのほか、背中や足裏に乗せ、体を芯から温めるのにも使われる。
トリートメント後は、コリがほぐれるのとともに、全身がスッキリ。活力もみなぎったように感じた。
北海道の旬の美食とワインでグルメ心を存分に満たす
充実したダイニング&バーもこのホテルの大きな魅力である。夕暮れ時のアペリティフやディナー後の語らいに利用したいのが、ラウンジバー「Park90(パークナインティ)」。ワールドワイドなワインセレクションを誇り、そのラインナップは200種類以上にもなるという。
ホテルのメインダイニングは「méli mélo -Yuki No Koe-」。北海道産の厳選された旬の食材を使ったフレンチイタリアンのコースが味わえ、選び抜かれた国内外、北海道産のワインもあり、ペアリングで楽しみたい。
内容や食材は季節や日によって変わるが、ファットリアビオ北海道のストラッチャータや、たらの白子、牡蠣といった北海道ならではの冬の味覚を盛り込んだ、ディナーコースを堪能した。
ほかにも、夏から営業している「AFURI」は、らーめんだけでなく酒の種類も豊富に揃い、バーとしても人気のスポットだ。ミクソロジストによるクラフトカクテルも味わえ、昼夜問わず外国人で賑わいを見せている。
さらに、12月からは、「蟹鮨 加藤 INORI」や天ぷら「あら木」もオープン。連泊しても飽きることなく美食が楽しめる。
朝食は「méli mélo-Yuki No Koe-」にて。カウンターには、近隣の新鮮な野菜、焼き魚や魚介など北海道の食材が日替わりで並ぶ。
コーヒーは、スペシャルティコーヒーが用意されている。カウンターでオーダーし、バリスタが1杯ずつ淹れてくれる。
スキー三昧できるだけでなく、心も満足させてくれ、さらにはグルマンな滞在も叶えてくれる、ニセコの新ラグジュアリーリゾート。滞在していると、館内で出会うゲストもスタッフも外国人が多く、異国のリゾートを訪れているような気にもなってくる。北海道の新リゾートは長期滞在して楽しみたい魅力が満載だ。
雪ニセコ
住所:北海道虻田郡俱知安町ニセコひらふ1条2-6-9
TEL:0136-55-7882