市内から北へ、思いもかけない自然溢れる景色に出合える。今回紹介するのは、京都・洛北の地のリゾートホテル「アマン京都」。他では味わうことができない特別な体験が待っている──。【特集 京都の秘められしスポット】
秋の森で過ごす贅沢なひと時が堪能できるホテルリゾート
2019年、京都の北西・鷹峯(たかがみね)三山の麓(ふもと)に誕生したアマン京都。客室やダイニング、スパなどの施設が点在する壮大な敷地。苔むした大小の石が敷き詰められた道をたどると、椿や山紅葉といった樹々に囲まれ、自然の森に迷いこんだ心持ちになる。そして開業以来、ホテルが世界中のアマンラバーをもてなすために心を砕いてきたのが、居るだけで京都を感じられる数々の趣向だろう。開業3周年を迎える今年、宿泊するゲストを迎えるためにアレンジしたのが、国内外で活躍する伝統的な篠笛の奏者・佐藤和哉さんによる演奏だ。
アマン京都の敷地に足を踏み入れると、どこからともなく美しい篠笛の音色が聞こえてくる。赤や黄色に色づいた樹々が広がる自然の森をぬって届くその調べに、いつしか心がすっと調(ととの)っていく。チェックインの時間に合わせ、テラスでも演奏会が催され、じっくりと聴き入ることもできるという。
3周年を記念した、もうひとつの趣向が、プレミアムな茶箱の販売だ。アマン京都で採取した土を使用し、 人間国宝・清水卯一を祖父に持つ清水志郎さんが茶碗を制作。
茶碗を包む仕覆は、敷地内に流れる水と青もみじを合わせ染めた。監修者の茶人・天江大陸さんは、「茶の作法に意識を向け、五感を研ぎ澄まして茶を点てることは第六感が目覚めるような、まさに瞑想そのもの。マインドフルネスな時を過ごせます」という。
緑の森で自らお茶を点てる時間は、さらなる至福をもたらしてくれるに違いない。自分だけの茶箱を持つという贅沢を、この機に実現してみてはいかがだろうか。
滞在中は森の庭を眺めながらイノベーティブな料理やアフタヌーンティーを楽しめるほか、日本料理「鷹庵」でも秋の食材をふんだんに使った料理を味わえる。森への小径を散策し、露天温泉もあるスパで身体を休める。静かで心落ち着く時間を満喫できるのは、すべてに行き届いたアマン京都ならではの心遣いがあるからだ。
アマン京都(Aman Kyoto)
住所:京都府京都市北区大北山鷲峯町1
TEL:075-496-1333
客室数:26室
料金:¥129,000~(1室あたり、朝食付き2名、諸税・サ別)