京都には知られざる歴史を有する寺や庭も多い。今回ゲーテでは、自らを「石おたく」と称する、庭園デザイナーの烏賀陽百合さんとともに、普段はなかなか拝観できない名庭を巡った。奥深い京都の魅力をご紹介。【特集 京都の秘められしスポット】
穏やかな自分に目覚める。静謐の時間を洛北の禅寺で
室町時代のキリシタン大名、大友宗麟(そうりん)公が菩提寺(ぼだいじ)として建立。方丈は天文4年(1535年)に建造された。
「この寺院では方丈南側の蓬萊式庭園・独坐庭、方丈北側にある閑眠庭のふたつのお庭にじっくり対峙していただければ。いずれの庭も開祖400年遠忌を記念して1961年に重森三玲が作庭したものです」(烏賀陽さん)
昭和期の名作庭家・重森三玲らしい膨大な知識と空間デザインの素晴らしさを実感できる。
「蓬萊山と荒波という大自然を表した独坐庭。禅寺で唯一十字架をモチーフにした大友公へのオマージュである閑眠庭。それぞれに違う趣を持つ枯山水のお庭を前にすると、背筋が伸びるとともに、ひと筋の光明が見えてくるように思えます」
Daitoku-ji Zuiho-in Temple
Dokuza-tei/Kanmin-tei
住所:京都府京都市北区紫野大徳寺町81
TEL:075-491-1454
拝観料:¥400