コロナ禍でもハワイの不動産業界は活況だった。不動産系YouTubeで人気を博す仕事人にその理由を聞いた。【特集 涙するハワイ】
不動産価格は現在急上昇中!!
ワイキキで不動産を売りまくっている日本人がいる。その名はアリー・オカノさん。2013年からハワイで不動産売買を始め、そのキャリアはまだ10年に満たないという。
M&Aで不動産会社を引き継ぎ、仕事を始めたが、最初の3、4年は鳴かず飛ばず。そこで日本での経験を活かした不動産管理、そして得意のSNSを駆使したマーケティング戦略に打ってでた。ブログ、ホームページを作成して顧客を集め、コロナ禍において始めたYouTubeが大好評に。これをきっかけに20億円以上の売り上げを叩きだした。
「『YouTubeを見たんですけど、コンドミニアムや別荘が欲しいんです』と連絡が来るように。僕は基本的にバケーションレンタルなどで収益を出せる物件はもちろんのこと、ハワイならではのライフスタイルまで提案をしています。顧客も損をせず、ご自身もハワイで購入した物件を楽しみ、結果資産価値を高めるんです」
コロナを境にハワイの不動産価格は急上昇。全世界的にリモートワークが主流になったことで、ハワイ移住を決める人が増加しているのも一因だ。世界の不動産のなかでもその高騰ぶりは目を見張るものがある。
「ハワイ、特にワイキキ周辺は土地が限られていて、常に需要があって供給が足りない状態。2021年の4月と比べ、コンドミニアムの売り上げは2倍になっているという不動産業者も。過去を振り返っても、あの時買っておけばよかったという事例の繰り返しが何年も続いています」
例えば写真のコロニーサーフワイキキの東側、カイマナビーチに近く、1階には大人気レストラン「ミッシェルズ」が入っている。その1室を6年前に1億5000万円で購入し、2000万円かけて改装した部屋が、今や3億円の価値だとか。貴重なオーシャンフロントではあるものの、築60年以上の物件が、2000万円程度の改装だけで約2倍になるとは!
実際、最近販売する物件の価格帯はどのぐらいなのだろう。
「うちで購入した半数以上の方は6600万円以上の物件を取得しています。これは平均ではなく、10ヵ月間に売れた物件の真ん中に来る、中央価格帯です」
下の販売価格の変化の図を見てほしい。1年で約4000万円以下の物件は7%減、約1億から2億円の物件は8%増。価格に比例するかのように、買い手の数も増加。ハワイの不動産業が好景気という証拠だ。
「購入する方はアメリカ人が圧倒的に多い。次いで約2割は日本人です。あとはカナダ、オーストラリア、中国。パンデミックの間も売れゆきが落ちることはありませんでした」
投資目的で購入する場合も、アリーさんの会社では購入したコンドミニアムをSEO対策はもちろん、自社のサイトや多様な媒体で広告し、バケーションレンタル物件として手厚く運用してくれる。
「ファーストコンタクトから早くて1週間以内に契約する人もいます。世界中がハワイのリゾートに注目している状態で、価格が下がることを心配せず、ご自身がハワイ滞在を楽しみながら物件を売買されるケースがほとんどです」
実はアリーさん自身も、2023年に完成するホテルレジデンスの1室を購入したという。
「社員が楽しめるよう購入しました。ホテルレジデンスなので、たまにリラックスできるのがいいんじゃないかなと思って」
アリーさんいわく、ワイキキの物件は価格が高騰しているのでお買い得とは言えないが、新しい物件が出ると、即売れるそう。日本では不景気な話ばかりを耳にするが、ハワイの不動産は今絶好調のようだ。
COORDINATE=Mike Kelly