アマンが、2025年から新たに客船事業「プロジェクト・サマ(Project Sama)」を開始することを発表した。サウジアラビアの公共投資基金が株主であるクルーズ・サウジとの合弁で開発する、世界初の贅沢なモーターヨットは、これまでにない新たな水上旅行のスタンダードを生み出す予感。
海上で味わうアマンのラグジュアリーリゾート
1988年に、プライベートなリゾート・コレクションとして創業したアマンは、これまで充実したサービスと居心地のいい空間で、数多くのゲストに至福のホテルステイを提供してきた。現在も世界20箇所に33軒のリゾートを展開しながら、さらに8軒のリゾートを建設しているアマン。2020年には新たなホテルブランド「Janu」を発表し、モンテネグロや、サウジアラビア北部のアル・ウラー、そして2023年には東京での開業を目指して、個人と社会がよりよく繋がるための「ソーシャル ウェルネス」に重きを置いたホテルを建設中だという。
そんなアマンの次なる一手となるのが、贅を極めたモーターヨット旅「プロジェクト・サマ」※だ。中東の豊かな自然や文化に触れられる極上のクルージング旅などを目指した当プロジェクトは、サウジアラビアのフルスイートクルーズに必要なインフラとサービスを開発するクルーズ・サウジとの合弁事業としてスタートした。
気になるのはその船内。海に浮かぶ全長183メートルの巨大なヨットには、プライベートバルコニー付きの広々としたラグジュアリースイート50室を完備する。他にも、終日営業のカジュアルなレストランや、日本庭園を備えたアマン・スパ、インターナショナル・ダイニング、クラブ、ラウンジ、2つのヘリポート、さらにヨットの船尾で海に直接アクセスできるビーチクラブなどを設置する予定だ。
サンスクリット語で「静寂」を意味する「SAMA」という名前が示すように、潮風を感じながら心行くまで寛ぐことができる水上リゾート。アマンが船体の建造から運営、管理までプロジェクト開発のすべてを指揮している点に期待が膨らむ。さらに、世界有数のヨット設計事務所であるSINOT Yacht Architecture & Designとパートナーシップを結び、アマンが持つ東洋の伝統とデザイン哲学が建築のビジョンと一体となった洗練された様相になっている。
アマン会長兼CEOのブラッド・ドロニンは、今までにないプロジェクトの開始に「アマンは、陸だけでなく海上でも地理的な多様化を進め、手つかずの場所にサンクチュアリを造り、ラグジュアリーホスピタリティの概念を再構築し続けてまいります。プロジェクト・サマは、アマンの定評ある環境とサービスを兼ね備えた、他のヨット体験とは一線を画す革新的な体験を提供し、最終的には、水上でのディスカバリーという全く新しいカテゴリーを創造することを目指しています」と大きなビジョンを語る。
今後、サウジアラビアのリヤドや、アルーラ、紅海などにも新たなホテルの開業が決定しているので、プロジェクト・サマのクルージングを楽しみながら、中東のエキゾチックなリゾートも満喫できるだろう。これからアマンが生み出す新たなリゾートの形に期待しつつ、今から2025年の就航が待ちきれない。
※正式名称は、今後発表予定。