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2021.08.28

この世で最も美しい地、モロッコ・マラケシュの最高峰のホテル「ラ・マムーニア」【レストラン編】

モロッコ・マラケシュの至宝ともいうべきホテル「ラ・マムーニア」をご存知だろうか。世界中のセレブリティが訪れる、人生に一度は訪れるべきホテルと謳われ、去る2020年10月に大改装を終えたという。コロナ以前、世界中を飛び回っていたコラムニスト、中村孝則さんがアフター・コロナで真っ先に訪れたいホテルとしてこちらをピックアップ。旅人の心を鷲掴みにするそのワケを明かしてくれた。アフター・コロナで真っ先に訪れたい珠玉の海外ホテル「ラ・マムーニア」第2回【レストラン編】。第1回【客室編】はこちら

モロッコ料理のル・モロカン(Le Marocain)。ラ・マムーニアらしい、緻密なモザイクで構成されたスペーシャスな空間が素晴らしい。

大リニューアル! メニュー開発は、かのジャン-ジョルジュ

“マラケシュの貴婦人”と呼ばれるモロッコのラ・マムーニアが大リニューアルを経て蘇ったことは、前回でお伝えした通り。今回は、その核心部分である、レストラン関連のリニューアルについて取り上げたいと思う。というのも、今回のリニューアルは、ホテルの内外装といったハード面だけでなく、レストランやバーのコンセプトそのものにも、大きなテコ入れがなされているからである。

現在、ラ・マムーニアの中には、三つのメインダイニングがある。モロッコ料理のル・モロカン(Le Marocain)、イタリア料理のイタリアンbyジャン-ジョルジュ、そしてアジア料理のアジアティークbyジャン-ジョルジュである。このうち、モロカン料理のレストランに関しては、洗練されたモロッコ料理の専門店として、不動の人気を博している。

私はホテル滞在中に、この三店舗すべてを体験しているが、どれも個性が際立っていて、長期滞在のゲストが飽きないような工夫も随所に見られた。個人的なおすすめは、やはり地元ということもあり、モロッコ料理のダイニングであろうか。モロッコ料理と言われてもピンとこないかもしれないが、クスクスやタジンと呼ばれる円錐形の土鍋の煮込み料理は、日本でも知られている。そのほか、モロッコ料理の特徴を挙げれば、クミンやパプリカ、サフランなどのハーブ類、干しぶどうやデーツやオリーブをよく使うこと。あるいは、羊肉の料理も有名である。

付け合わせ的に出される14皿のモロッコ伝統料理。どれも、日本では味わうことの出来ないフレーバーや味付けで、しかも思いのほかヘルシーである。これだけで口福だ。

この店で私が感動したのは、内装のモザイクの緻密さやスケール感はもちろんだが、料理の洗練度においても高いクオリティであったことだ。たとえば、最初のアミューズで出された写真の小鉢群。おつまみ的な野菜類や煮込み料理などの郷土料理がゲストごとに10数皿も運ばれ、どれも抜群に旨いのである。

日本では味わうことの出来ない香辛料の香りや独特の味付けがあり、これだけでワインの肴として十分に楽しめる。だがこれはあくまで付け合わせ的な存在。このほか、料理はアラカルトで注文できて、そのバリエーションも豊富である。私は名物のタジンも注文したが、どれも素晴らしかった。モロッコ料理の奥深さを知る意味でも、ラ・マムーニアに来たら必ず訪れて欲しいレストランである。

さて、ほかの二店舗についても触れねばなるまい。今回のリニューアルでは、モロッコ料理店は大きな変更がなされていないが、ほかの二箇所のイタリアンとアジアンに関しては、内装だけでなく料理内容やコンセプトそのものを刷新しているからだ。

それらは名前が示すよう、料理のメニュー開発を、ジャン–ジョルジュが監修している。ジャン–ジョルジュは、ニューヨークに自身の名を冠した人気レストランを経営する世界的にも著名な料理人である。日本にも六本木に支店を持つので、ご存知の読者も多いかもしれない。

イタリア料理のイタリアンbyジャン-ジョルジュは、店ごと新たに新設された。

 

地中海の新鮮な魚を使ったカルパッチョ。味付けもシンプルで申し分ない。

今回のリニューアルに際し、メインダイニングのイタリアンとアジアンは、彼がメニュー開発から監修している。まず、イタリアンに関しては、モロッコという国は地中海や大西洋に面していることもあり、新鮮な魚介類や上質なオリーブが育つことから、もともとイタリア料理を作るに適した環境である。それを、ニューヨークで名声を博したジャン–ジョルジュらしく、インターナショナルなイタリア料理に仕上げていた。タコや鮮魚はもちろんだが、私が驚いたのは、野菜類の鮮度とその美味しさだった。それらをシンプルに飽きのこない味付けにしているのが特徴であった。

アジア料理に関しては、中華風あり日本風ありタイ風ありベトナム風ありと、アジア全域の料理からヒントをえて、都会的なアレンジメントがなされていた。日本人にとっては、驚くような内容ではないかもしれないが、マラケシュにはアジア料理専門店がほぼ皆無ということを考えると、長期滞在で地元料理に飽きたときなどは貴重な存在となるに違いない。

アジアティークbyジャン-ジョルジュは、ステンドグラスを多用して、モダンな内装に仕上げている。

中華料理風の味付けがされた肉料理(手前)や、タイ風のスパイスの効いた皿など、アジア中の料理を本歌にした料理の数々が楽しめる。

ホテル内のスイーツはピエール・エルメが監修

その他に飲食のトピックでいえば、ホテル内のスイーツを、ピエール・エルメが監修していることである。館内には、ピエール・エルメのブティックが配され、サロン・ド・テ・バイ・ピエール・エルメでは、朝食のほかアフタヌーンティーも楽しめる。ゲストルームのウエルカムのお菓子が、ピエール・エルメのマカロンだったことも嬉しいサプライズであった。

こうしたリニューアルの指揮は、ラ・マムーニアの現総支配人のピエール・ジョエムが中心に行ったものであるが、彼はホテル専門ウエブマガジン「HOTELS」が投票で選ぶ、ホテリエ・オブ・ザ・ワールドの2021年度の発表で、世界の独立系ホテルの「ベストジェネラルマネージャー」に選出されている。

投票ということでいえば、もう一つ期待すべきアワードが来年発表されることになった。私が日本評議委員長を担当している「世界のベストレストラン50」の、新しいカテゴリーとして、「中東・北アフリカのベストレストラン50」(Middle East & North Africa’s 50 Best Restaurants)が新設されたのである。

サロン・ド・テ・バイ・ピエール・エルメでは、朝食のほか、ティーサロンとしても使える。

館内のデザートは、ピエール・エルメが監修。もちろん、定番のマカロンは種類も豊富だ。

このカテゴリーにはもちろん、モロッコも含まれれる。私は、このランキングでラ・マムーニアの中のレストランが選ばれる可能性もあるのではないかと多いに期待するのである。記念すべき第1回目のランキングは、2022年の2月7日にアブダビで発表される予定だ。私も現地に訪れる予定であるが、その模様もまた機会あればレポートしたいと願っている。

さて、次回はラ・マミューニアのすぐ隣にある世界遺産のフナ広場などマラケシュの街の様子などレポートしたいと思う。

リニューアルの記者会見には、ピエール・エルメご本人も登場。リニューアルに大いに満足している様子。

第一回目はこちら

ラ・マムーニアについては詳しくはこちら

Takanori Nakamura
コラムニスト・美食評論家。1964年神奈川県葉山町生まれ。ファッションからカルチャー、旅とホテル、ガストロノミー、ワインやシガーまで、ラグジュアリー・ライフをテーマに、企画、執筆、講演活動などを行う。2007年にフランス、シャンパーニュ騎士団のシュバリエの称号を、’10年にはスペイン、カヴァ騎士の称号を受勲。プライベートでは、「渋谷金王道場」に所属する剣士でもあり、剣道教士七段の腕前。「大日本茶道学会」茶道教授でもある。

TEXT=Takanori Nakamura (中村孝則)

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