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TRAVEL

2021.07.17

この世で最も美しい地、モロッコ・マラケシュの最高峰のホテル「ラ・マムーニア」

モロッコ・マラケシュの至宝ともいうべきホテル「ラ・マムーニア」をご存知だろうか。世界中のセレブリティが訪れる、人生に一度は訪れるべきホテルと謳われ、去る2020年10月に大改装を終えたという。コロナ以前、世界中を飛び回っていたコラムニスト、中村孝則さんがアフター・コロナで真っ先に訪れたいホテルとしてこちらをピックアップ。旅人の心を鷲掴みにするそのワケを明かしてくれた。「アフター・コロナで真っ先に訪れたい珠玉のホテル 第一回」。

外観

ホテルのエントランスはマラケシュの旧市街へ続く大通りに面している。世界遺産の「ジャマ・エル・フナ市場」へは徒歩で10分ほどの好立地。

2020年10月に大改装を終えた、モロッコ マラケシュの至宝

ウイズ・コロナの時代を迎えて、旅のあり方にも新たなかたちが求めれられる時代となりつつある。しかし、人々が旅に求める愉しさや高揚感、非日常への欲求は変わらないどころか、さらに深く強く精神的な渇望として意識しているのではないだろうか。各国でワクチン接種も進むなか、世界の観光産業やホスピタリティ産業は、この秋口から本格的な再始動へと準備が進んでいる。そこで、ウイズ・コロナ、アフター・コロナの旅先として、私が個人的に強く推薦するホテルを数回にわたりご紹介したいと思うーー。

プール

客室は広大な庭園に面している。遠くアトラス山脈まで臨める日中の景観も素晴らしいが、ライトアップされた夜景もロマンティックな雰囲気だ。

旅の記憶は、その土地の香りのイメージに彩られている。

それは私に限ったことではなく、旅人の多くが実感していることではないかと思う。そして、私にとってモロッコのマラケシュにある、ラ・マムーニアの香りは、オレンジの花の匂いであった……。

空港からの送迎車から、最初に降り立ったホテルのエントランスで、微かに柑橘の香りを感じたのだが、それはエントランスのテラコッタの色合いのイメージに引きずられたものだと思っていたが、後にこのホテルの中庭に植えられた、700本のオレンジの木から漂ってることを知った。

ラ・マムーニアの別名は“マラケシュの貴婦人”という。モロッコの世界遺産の街、マラケシュの象徴ともいうべきこのホテルは、1923年のオープン以来98年にわたり、世界中の王侯貴族や政治家、ハリウッドスターや旅慣れたセレブリティたちを虜にしてきた。多くの旅雑誌やホテルに関するアンケートの類では、常にトップクラスに君臨し続けている。そして、このホテルは2020年の末に約6ヶ月に及ぶ大改装を敢行。私はそのタイミングで初訪問をしたのであった。

オレンジ畑

植物園顔負けの広大な庭園。中央にはピエール・エルメが監修するティーハウスも配している。

私がウイズ・コロナの時代に、このホテルを強く推薦する魅力は、芳しいオレンジの匂いもさることながら、圧倒的なスペーシャス感にある。冒頭に触れたように、このホテルは広大な中庭を配して、700本のオレンジの樹木のほか、200本のオリーブの木、500本の薔薇、21種のサボテン類、6種の椰子の木が植えられている。それらが整然と美しく配され、70人の庭師たちによって美しく管理され、さながら植物園のようである。

ホテルの本館には135の客室に71のスイート、庭には3軒のリヤドと呼ばれる邸宅がある。ほどんどの客室はその庭園に面していて、その庭の彼方には4000メートル級のアトラス山脈の雄大な景色が広がっている。その抜けの開放感には誰もが陶然となることだろう。このホテルの総支配人のピエール・ジョエム氏にその感想を述べると、まさにそれがこのホテルが誇る最大の価値の一つであり「ラグジュアリーの本質とは、スペーシャスであること」だと付け加えるのであった。

コロナ禍において、多くの人が外出もままならないなか、スペーシャス感こそ、いま旅に求められる最大のモチベーションではないかと、改めて彼に同意するのであった。

ラマムーニア部屋

客室内部も、細部までモザイクの意匠などが施されている。天井も高く、庭園側に配されたテラスも含めて開放的な空間を演出する。

そして、私がこのホテルに強く魅了されたのは、空間の広さだけでなく、その意匠の素晴らしさである。床であれ壁であれ、どこもかしこも美しく精緻なモザイクのタイルで埋め尽くされているのである。これは、モロッコを象徴する、ゼリージュと呼ばれる幾何学模様の意匠のことで、そのバリエーションは数百に及ぶという。目が慣れないうちは、目移りして圧倒されていたが、しばらくモザイクの空間にいると次第に慣れていき、むしろ五感が心地よく安定してくるのである。この感覚は、実際に過ごしてみなければわからないと思うが、広い空間と精緻なモザイクの細工の対比は、このホテルでなければ味わえない快感。それらは100年近い歴史を経ている重みも加わって、独自の雰囲気を醸し出している。建築や庭園に興味のある人は、館内や庭を巡るだけで数日は楽しめるだろう。

ラマムーニア意匠

修復を重ねて100年の歴史を積み重ねた館内は、博物館のようでもある。昨年10ヶ月に及ぶ大リューアルを終えたばかり。

そして、さらに加えるとしたら、ライティングの巧さである。夕暮れ時のホテルの窓から眺める街の光そのものも、柔らかい光のトーンで包まれ、それに連動するように、館内のライティングも淡く優しく演出するのである。ネオンのコントラストの強い、都市生活者であれば、それはある種の癒しになるに違いない。

今回のリニューアルでは、文化財ともいえる建築や意匠は残しつつ、フランスで活躍する建築デザインのチームによって、新たなレストランや一部改装を行なっている。次回は、レストラン食事もふくめ、そのあたりを具体的にご紹介したいと思う。

中村孝則氏

到着は、モロッコ伝統装束を引き写した赤いマントのドアマンが出迎える。ホテルのスタッフたち総じて折り目正しく、とても親切である。

Takanori Nakamura
コラムニスト・美食評論家。1964年神奈川県葉山町生まれ。ファッションからカルチャー、旅とホテル、ガストロノミー、ワインやシガーまで、ラグジュアリー・ライフをテーマに、企画、執筆、講演活動などを行う。2007年にフランス、シャンパーニュ騎士団のシュバリエの称号を、’10年にはスペイン、カヴァ騎士の称号を受勲。プライベートでは、「渋谷金王道場」に所属する剣士でもあり、剣道教士七段の腕前。「大日本茶道学会」茶道教授でもある。

ラ・マムーニアについては詳しくはこちら

TEXT=Takanori Nakamura (中村孝則)

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