手打ちパッティングを撲滅する支点のイメージ【ゴルフレッスン】

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム85回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。 

手首を固めてもうまく打てないわけ

ブルックス・ケプカやジャスティン・ローズなどPGAツアーのトッププロの多くは、パッティングで振り子型のストロークを採用している。いわゆる「ショルダーストローク」といわれるこの打ち方は、手先を使わずに体を支点にしてパターを振り子のように動かすため、再現性が高く、毎回同じようにボールを打つことができる。

パッティングは動作もゆっくりで遠くに飛ばすわけではないので、比較的やさしそうにみえるのだが、実際は思った方向にボールをうまく転がせなかったり、強く打ちすぎたりして悩んでいるアマチュアは多い。こうした悩みを持つアマチュアの多くは、手先でパターを動かしてしまい、軌道やインパクトの強さが一定しない。このような「手打ちパッティング」を直そうと、手を使わないようしたり、手首を固めてストロークをしてみた経験がある人もいるだろう。しかし、手首を固めることで、必要以上に体が動いてしまったり、固めた手に力が入りすぎて距離感が合わないなど、うまくいかなかった人も多いのではないだろうか。

今まで手先に頼っていた人は、単純に手首を固めることだけを意識しても、ストロークをしづらく感じるため、無意識に腕や体で不必要な代替動作を行ってしまう。そのため、手首を固定して使わないかわりに、能動的に他の適切な動作を行う必要がある。更に言うと、手首を無理に固定しなくても、自然とアドレスの手首の形が変わらないストロークを行えばいいのだ。

背骨から生えた長尺パターを動かすイメージで

手打ちパッティングを脱却するために、振り子型ストロークをおすすめしたい。振り子型ストロークはショルダーストロークという名称でも呼ばれることがあるが、肩を動かして打つことではない。過度に肩を上下に動かしたり、左右の肩甲骨を寄せたりする人がいるが、それでは振り子のようにパターを動かすことはできないので注意してほしい。

振り子型ストロークで大事なことは、支点をイメージすることだ。支点をイメージしてストロークをすることができれば、手先は動かす必要がなくなり、パターを持っているだけでストロークすることが可能になる。

一番おすすめなのは背骨(胸椎)を支点にすることだ。肩甲骨下部から肋骨下部の間に位置する背骨(胸椎)を意識すると良いだろう。胸椎からボールに向かって長いパターが生えているようなイメージを持つことで、体を中心とした振り子型ストロークを行いやすくなる。手首やひじは無理に固める必要はなく、アドレスの形を変えないようにして、パターを持っているだけでいい。この状態で胸を左右に動かすと、それに合わせてパターが動く感覚がつかめる。アドレスの体勢から胸を右に向けるとバックスイングになり、左に向けるとダウンスイングからインパクトを経てフォローになる。これなら、いつも同じような振り子の動きを再現できるはずだ。

手首やひじは使わず、背骨から生えたパターを上半身の回転で動かす。この感覚を身に付けることができれば、パッティングの正確性が高まる。手打ちパッティングに悩んでいる人は、ぜひトライしてみてほしい。

Text=吉田洋一郎 Photograph= 松川 忍  Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ

吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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