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GOLF

2019.09.13

ゴルフスコア"100切り"のための5つの条件と、"90切り"のためのKPI設計

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム61回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

吉田洋一郎

90を切るのは100を切るよりも簡単な理由

多くの人がゴルフを始めてから最初の目標にするのが、1ラウンドで100を切ることだ。しかし実際にはゴルファーの中で、100を切れる人より切れない人のほうが多いと言われている。

コーチ目線でも、ゴルフ入門者が100を切るのは大きな壁があると思う。立ちはだかる、条件を挙げてみた。

①ラウンドに慣れる。
②OBを4つ以内に抑える。
③左右の曲がりを抑える
④パッティングは3パット以内に収める。
⑤連続したミスは2回までに抑える。

この5つができていれば100は切れる。もしこの条件を満たしていながらも100が切れない人がいるとすれば、技術的な部分やコース戦略に致命的か欠陥(圧倒的な飛距離不足、一切のコースマネジメントの欠落等)があるかもしれない。

さて、話を戻し、順を追って見ていくことにしよう。

まず①のラウンド慣れ。これは毎回、自分のペースで打てるということだ。クラブを3、4本持ちながらコースを走り回るようなラウンドでは、毎回狙いを定めて自分のペースで打つことができない。コースでは考えるべきことが非常にたくさんあるため、心身ともに落ち着いた状態になる必要がある。まずはバタバタしないで回れる、慣れの感覚を養うことが非常に重要だ。コースでボールを打つことに慣れてくればナイスショットの確率も高まることだろう。

②~④はテクニカルな話。距離が出る人でもOBを頻出させてはそれだけで打数が加算されてしまう。3パットも同様だ。「曲がるけどコースの幅の中にはとどまる」「パットの距離感が悪いが2回でカップの近くまでたどり着ける」ということができるようになるまで、重点的に練習をしてほしい。

ラウンドに慣れてくれば⑤の課題の克服方法は必然的にわかってくる。自分のミスの傾向がわかってくればそのミスを徹底的に避けるか、重点的に練習すればよい。バンカーで毎回3打以上を費やしてしまう傾向があれば、徹底的にコースマネジメントでバンカーを避けるか、バンカーから出せるように練習をするといいだろう。

これらを身につけるには特殊な練習は必要ないが、ある程度の時間がかかる。その時間こそが100に立ちはだかる壁の正体なのだ。

技術的には90の壁は存在しない

技術的に100を切るゴルフができていれば、90の壁を破る、すなわち80台を出すことは難しくない。70台を出す、シングルプレーヤーになるためには技術的な壁が存在するが、90を切るためには100を切った方法を継続すればよい。

90の壁を破る「89」のスコアを因数分解してみよう。18ホールがすべてボギーなら90だ。そこにパーが1つ加わればいい。

つまり基本はボギー、たまにラッキーが起こってハーフで2つ程度パーを拾う。ダブルボギーになるホールがハーフで2つ程度あってもいい。でも連続したミスでの大叩きはNG。

これが90の壁を破るスコアイメージだ。運が良ければパーが増えて(もしかしたら1つくらいバーディーも!)、87くらいのスコアが出るかもしれないし、逆に運悪く3パットや連続しないまでもミスが多く出て、ダブルボギーが増えるかもしれない。それでも90台前半には収まる。

これらは100を切るのと同じ程度のショットの精度で実現可能なのだ。

なぜ90の壁を感じるか

技術的には90を切れるのに、それが叶わない人は先述のような細分化されたスコアイメージをつかめていないことが多い。「90を切りたい」という具体的な目標はあるが、そのための行動イメージがないのだ。

毎回がむしゃらに90切りを追い求めてラウンドし、結果、それがかなわない体験を重ねて自ら「壁」を作り出してしまっている。スコアイメージが作れていれば「無理をしないマネジメント」もできるし、そのために必要な練習もできる。ぜひゴルフも大きなビジョンだけではなく、その前段階のKPIの設計を重視してほしい。

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吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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