大人になってからゴルフを始めた人が身につけたい感覚とは? ~世界No.1コーチ愛弟子・吉田洋一郎

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム78回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

上手い人の感覚や意識は取り入れるべきか

ゴルファーには自分が目標としたり、憧れの対象となるプレーヤーがいるものだ。人によって、テレビで見るツアープロだったり、同じクラブのシングルハンディプレーヤーという場合もあるだろう。

憧れのプレーヤーのレベルに少しでも近づくために、スイングを真似してみたり、アドバイスを参考にした経験があると思う。その際、憧れのゴルファーの言動を無条件に素晴らしいと思いがちだが、自分自身に取り入れる際に気をつけなければいけないことがある。それはスイング中の「感覚」や「意識」など、そのプレーヤーの持っているフィーリングについてだ。例えば「スイング中は手の動きだけ意識している」という話を聞いたとする。その金言を鵜呑みにして、手に意識を向けてスイングしても上手くいくことは少ないだろう。そのプレーヤーは既に今までの練習で培ってきた運動回路が体にインプットされているため、手だけを意識してスイングしても上手くいっている可能性がある。また、体に動きを覚えこませてきた段階を経て、最終的に手の意識を持つようになった可能性もある。そのプレーヤーが今まで経てきた過程を考えずに、自分も手だけを意識すれば上手くなると考えた結果、手打ちが助長されてスライスがひどくなるかもしれない。人の感覚や意識は個人差が大きいため、取り入れるかどうかは細心の注意を払う必要がある。

大人のスイング改善は体に意識を向けることから

多くのアマチュアの場合、ゴルフを始めたのは社会人になってからだと思う。私もゴルフを本格的に始めたのは18歳からなので、子供のように何も考えずにボールを打つということは難しかったし、球数を打っても自然と良いスイングが身につくことはなかった。今でこそ人前で模範的なスイングを披露することができるが、かつてはとてもお世辞にも美しいとは言えない腕力に頼ったオーバースイングだった。大人になってからゴルフを始めた人がスイングを改善するためには、やみくもに練習するのではなく、意図的に自分の動きを教育していくことが必要だ。

意図的に自分のスイングを改善するために、自分自身の動作に意識を向け、感覚を作っていくことが大事になる。いくらスイングに関する知識があっても、自分の体を思い通りに動かすための意識や感覚がなければスイングを変えることは難しい。

今まで自分の体や動作に関して注意を払ってきていない人は、体に意識を向けてみることから始めるといいだろう。特に下半身や体幹などに意識を向けてみてほしい。普段の生活では手先や足先など末端を意識して生活することが多いため、体の中心部分の意識が薄れている。特に背中や臀部、ハムストリングスなど、裏側を意識することでアドレスの姿勢が改善されたり、体の回転がスムーズになる。まずは日常動作の歩行などで体を意識することからはじめ、シャドースイングなどでスイング中の感覚や意識を高めてみるといいだろう。体のコアの部分が動き出すことで、末端部分の手や腕を使わなくてもスイングする感覚がつかめてくるはずだ。他人の感覚や意識を参考にするのではなく、スイング中の体の意識を高めて自分自身に合ったフィーリングをつかんでほしい。

Text=吉田洋一郎 Photograph= 松川 忍  Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ 

吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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