全ショット成功は不可能、自分への期待値を下げろ ~世界No.1コーチ愛弟子・吉田洋一郎

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム23回目。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という吉田コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。
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アマチュアは自分に過度な期待をするな

あなたはどれくらい自分のショットに満足しているだろうか。アマチュアとラウンドをすると自身で「これはうまくいった」と納得しているショットはハーフで2、3回程度かなと思う。95%以上は、その内容に悔しがり納得がいっていないということになる。

成功イメージを持つことはとても良いことだが、それは結果に期待するという事ではない。成功イメージを持ち準備をしてショットに臨む。しかしそのあとの結果はコントロールできるものではない。

ボールを打つことを職業にしているプロでさえ、自分の納得できるショットが90%もあるなどという事はない。よくても3割、厳しいプロならラウンド中に1回あるかどうかという程度だろう。毎日ボールを打っているプロですら思い通りにいかないのに、アマチュアは自分に過度な期待をしてしまう傾向がある。過度に成功イメージにとらわれそれ通りのパフォーマンスが出ないと、残念がったりイライラしたりしてしまう。感情の起伏が激しくなると自律神経が乱されて、冷静な判断ができなかったりスイング中の力みにつながったりしてしまう。こんなスコアに悪影響だよという話でもあるし、そもそもせっかくラウンドしているのにネガティブな感情に支配されてしまってはゴルフが楽しくなくなる。

きみは練習場で出た「ベストな弾道」を思い描いていないか

まずは自分のレベル感を知るのが良い。練習場で10球,同じ番手で決めた距離を打ってみて、どの程度同じ球が打てるのかを知ろう。10球中4球、納得のいく球が打てたとしよう。コースでは傾斜や天候などの影響があるため実際にはその半分程度しか成功することはないだろう。つまり成功率は20%ほど。8割が失敗である。だが気を落とす必要はない。プロ野球では3割打てれば素晴らしい打者と評価される。もちろん野球とゴルフでは競技特性が異なるが、毎日練習していないアマチュアゴルファーが2割もナイスショットが打てれば十分ではないだろうか。

ゴルフはミスの積み重ねだ。ミスを前提としてプレーし、運よく上手くいったときには自分をほめてやってほしい。「2割しか成功しない自分が、よくやったぞ! 最高の結果が出たじゃないか」と、こんな具合だ。

たいていのアマチュアは練習場で出た「ベストな弾道」を思い描いてショットに臨む。だから期待値がとても高く、それを下回ればすべてミスショットのような気持ちになってしまうのだろう。あれは奇跡や偶然だと割り切り、とにかく結果に期待をしないことが重要なのだ。

失敗を受け入れられない時には

とはいえ大事な場面で、痛恨のミスショットが出るのは何とも悔しい。しかし、そのミスショットはもう終わったことでコントロールできることではない。いくら悔しがっても過去は変えられないのだ。変えることができるのは現在の自分、そしてこれからのラウンドだ。自分の意識を「現在」に戻すために、まずは深呼吸をして自律神経を整える。そして今自分が何を考え、何に集中すべきかを整理できたら、ミスが連続しないために次のショットの準備に取りかかるのだ。そしてそのショットの結果にも期待はしない。

準備はするが期待はしない。スタートからホールアウトまではこの繰り返しだ。こうしてたとえラウンド中に失敗が数えきれないほどあっても、それを受け入れていくことで上達の道が開けてくるのだ。

次回に続く


Text=吉田洋一郎 Photograph=小林 司 Cooperation=取手桜が丘ゴルフクラブ


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吉田洋一郎
吉田洋一郎
欧米のゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。世界4大メジャータイトル21勝に貢献した世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターを2度にわたって日本へ招聘し、世界一流のレッスンメソッドを直接学ぶ。また、欧米の一流インストラクター約80名に直接学び、世界中のスイング理論を研究。海外ティーチングの講習会、セミナーなどで得た資格は20以上にのぼる。シングルを目指すアマチュア、トップアマ、ツアープロまでアスリート志向のゴルファーを指導。2019年ゴルフダイジェスト・レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。
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