ドジャースとkanzai、大正製薬とプロゴルファー、MLBとセブン-イレブン――。数々の大型スポンサー契約を単独で実現してきたスポーツエージェント・金子真育。難題大型契約をたった一人で締結してきた、その信頼はいかに築かれたのか。著書『GRIP MLBやドジャースから全幅の信頼を得た「ザ・エージェント」』から一部抜粋して紹介する。今回は、日本管材センターとドジャースのパートナーシップ契約の舞台裏③。【その他の記事はこちら】

野球に精通するエージェントとタッグを組む
――金子 「大谷選手はワールドシリーズで優勝したいと思っているので、移籍先はドジャースだろうと予想していました。そして、もしドジャースとパートナーシップ契約を結ぶなら、大谷選手が移籍するこのタイミングしかないと思いました。関根社長には、移籍が決まった場合、そこで契約しないと今後、スポンサー料がどんどん上がってしまいます、大スターの加入でチームの価値がさらに上がりますから、と伝えました。そのうえで金額のリサーチに入りました」
――編集部 「どうやって? 急を要する仕事ですよね」
――金子 「ちょうどこの頃、アメリカの野球界で仕事をしているエージェントとの縁ができました。高校・大学時代の友人の兄で、ドジャースとのネットワークもありました。そこで、このエージェントと提携関係を結んで日米の国境を跨またいでのビジネスを始めることにしました」
「アメリカではAll-Grip のような小さなエージェンシー同士が組んでビジネスをするケースが増えています。たとえば、ゴルフに強いエージェントと野球に強いエージェントが組めば、自社にない領域でのビジネスが広がります。我々の場合は私が日本の企業と交渉し、提携するエージェントがアメリカのチームと交渉すればビジネスがスムーズに進みます。強みを出し合って仕事をするわけです」
ドジャースのスポンサー料は?
――金子 「この提携関係を生かして、ドジャースのセールスシートを手に入れました。パートナーシップ契約の内容と金額が判明したわけです。大谷選手の移籍が決まる前です」
――編集部 「その額は?」
――金子 「公にはできませんが、やはり、かなりの金額でした。これだけは言えます。まさにビッグプロジェクトになりました」
――編集部 「読者の皆さんには、想像しながら下記を読んでいただくしかないということですね」
球団によってスポンサー料に隔たりがある理由は? 金子は説明する。「たとえば、エンゼルスとドジャースのどちらと契約しても、企業が獲得する基本的な権利・特典・ホスピタリティは同じです。それでもドジャースの金額はエンゼルスの何倍にもなります。観客が集まり、注目が集まり、メディア露出が大きくなれば、チームの価値が高まります。スポンサー料がアップするのは当然です」
――編集部 「ドジャースの金額は妥当なものなのでしょうか」
――金子 「妥当かどうかを確認するため、同じくアメリカを代表する人気球団であるニューヨーク・ヤンキースのセールスシートも手に入れました。スポンサー料はドジャースと同じレベルでした」
――関根 「私の頭には埼玉西武ライオンズのスポンサー料という評価軸があるので、それを元に考えるとドジャースの金額は納得できるものでした。逆にエンゼルスは安すぎると思いましたよ」
――金子 「これでドジャースと契約する場合の予算感と内容が掴めました」
ドジャースのSNS(インスタグラム)のフォロワーは2026年3月現在で591万人。ヤンキースは419万人。東西の看板団の人気のほどがわかる。大谷選手のインスタグラムのフォロワーは1066万人、所属チームを上回っている。

