夏の日、NOT A HOTEL NASUを訪れたのはアーティストであり、経営者でもあるVERBAL氏。その滞在で感じた、新しい暮らし方とは。
【NOT A HOTEL】
名作をつくるのにふさわしい、とっておきの場所
「なんだか、スイスを思いだす場所ですね」
小高い丘の上、草原の上を浮遊しているようなその部屋。NOT A HOTEL NASUに訪れたVERBAL氏は、開け放たれた窓から入ってくる高原の空気を吸いこみながら、そう呟いた。
「スイスの山をひとつ上がって下りた先、麓のル・ブラッシュという村を訪れたことがあるんです。そこは名門時計オーデマ ピゲの本社がある場所。あたり一面草原と林の風景、その中にポツンと工房があり、職人たちはひたすらそこで、名作をつくり続けている。それを見てすごく感動したんですよ。いろいろなものから離れ、集中してものをつくる。いいものは、そういうとっておきの場所から生まれるのだと」
NOT A HOTEL NASUの窓からは、見渡す限り高原の景色が広がり、遠くに小さく厩舎が見えるだけ。まさにVERBAL氏がスイスで見た風景に近いのだろう。VERBAL氏自身も、音楽をつくる際は東京から離れた場所で集中して作業をするという。
「都会にいると、すぐ外に出てしまい、忙しないんです。けれどメンバーとどこか遠く、何もない場所へ行き、ひとつの場所で集中して音楽をつくる。それが僕らにとってとても効率的ですし、いいものができる。そういう点でも、ここはすごくクリエイションにふさわしい場所ですよね」
お気に入りは、高原を見渡す窓辺のデスク
なかでもVERBAL氏が気に入ったというのが、高原を見渡す窓辺にデスクが置かれた書斎だ。デスクと窓以外には何もないから、ただただ目の前の仕事に集中できるし、窓から見える高原の風景と優しく降り注ぐ太陽の光が、フル回転する頭をリラックスさせてくれる。
ファッションブランドAMBUSH®の経営も手がけるVERBAL氏だからこそ、たったひとりで書斎にこもって考える時間は大切だ。
「東京のオフィスでは、僕のデスクは社員の方を向いているんです。みんなが僕に声をかけやすいようにそうしているんですが、たまにはこうして、すべてに背を向けて考えに集中するのもいいなと。クリエイションと経営では使っている脳が違う感覚が僕にはあるのですが、この書斎はどちらにもいい作用を与えてくれる場所になりそうです」
ホテルでもない、別荘でもない、新しい暮らしの形
NOT A HOTELはその名のとおり、ホテルではない。だからといって別荘でもない。複数人で物件を所有するスタイルで、年間10日単位から購入が可能だ。
VERBAL氏が訪れた邸宅の場合、毎年30日間訪れることのできる権利を約6900万円で購入することができる(現在完売)。訪れた日が、年30日に満たなかった場合は、ホテルとしてその日数が自動的に売りだされ、収益を得られるという仕組みだ。
加えてNOT A HOTELはスマホひとつであらゆる手続きが簡単にできる。予約はもちろん、貸しだした際の収益の管理、物件の鍵もデジタルキーとして配布される。そしてそもそも物件の購入そのものも、WEB上で行う。今後建設される物件のリアルなパースを見て、気に入れば購入、完成の日を待つというシステムだ。
「僕が以前からNOT A HOTELに注目していたのは、その新しい仕組みそのもの。新しいテクノロジーを使って、ホテルでもない、別荘でもない、これまでなかったものをつくり上げていくという姿勢です。0から1をつくり上げることはとても難しいということを、僕自身よく知っていますから」
クリエイションの最前線に立ち続けてきた男が魅せられている、ホテルでも別荘でもない新しいライフスタイル。それがNOT A HOTELな暮らしなのだ。
栃木・那須|NOT A HOTEL NASU
Design by SUPPOSE DESIGN OFFICE
谷尻誠+吉田愛
「MASTERPIECE」「THINK」というふたつの物件が2022年に開業(写真はすべて「MASTERPIECE」)。今後3つ目となる3LDK、総面積481.76㎡の「CAVE」が完成予定。JR東京駅からJR東北新幹線・那須塩原駅まで68分。駅からクルマで22分。
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NOT A HOTEL 公式HP