MAGAZINE &
SALON MEMBERMAGAZINE &
SALON MEMBER
仕事が楽しければ
人生も愉しい

AND MORE

2021.10.12

アプリ上で自宅をホテルに! 新しい不動産事業への挑戦【NOT A HOTEL 前編】

自宅や別荘として購入しながら、自分が不在のときはアプリ上でホテルに切り替えて稼働させる。そんなまったく新しい不動産のカタチがあることをご存知だろうか? その名も「NOT A HOTEL(ノット ア ホテル)」。第一弾プロジェクトとして、那須、宮崎の計8室が販売開始!濵渦伸次代表取締役CEOのインタビューを2回に分けてお届けする。

洋服みたいにホテルの部屋を売る

ホテル業界に一石を投じる存在としてNOT A HOTELは9月28日に満を持して始動した。事業を展開する代表の濵渦伸次氏はアパレルECサイトを創業後、スタートトゥデイ(現ZOZO)に売却。前澤友作氏の右腕として活躍し、2020年3月に退職。その直後にホテルの運営および販売をすべてデジタルで完結できるNOT A HOTELを立ち上げた。

「まず、会社をやるなら何がいいかなと考えた時に、前職のボス(前澤氏)が好きなことをやりまくっていたので、自分も好きなことやろうと思いました。僕はとにかく建築や家具、旅が好きだったので、そこにつながるようなホテルをやろうと。調べてみると、旅行業界、ホテル業界って、20年くらい前のアパレルの状況とかなり似ている部分があった。ずっと右肩上がりだったのが、コロナもあって、本気でデジタル系をやらないといけない状況です。私が身を置いていた20年前のアパレルも窮地に立たされてデジタル化をやり始めた業界だったので、ある意味そういうところは似ている。ホテルのビジネスもまったく新しくしてみたらどうなるんだろうと思って今の会社を始めました」

NOT A HOTELのアプリをのぞくと、CGで描かれた販売物件が表示される。カートから購入されると、そこで初めて建設が開始。建物が完成後はもちろん自宅や別荘として利用できるのだが、自分が使用しない日はホテルとして他人に泊まってもらうことができる。その作業は、すべてアプリ上で完結。自分が使用する日だけ設定すれば、そのほかの日は自動的にホテルとして貸し出される仕組みとなっているのだ。加えて、ハウス内のコントロールもアプリで操作可能で、家に近づくと、自分好みの温度や明るさに調整でき、部屋に入れば好きな音楽も自動で流れ出す仕組みになっている。

「これまでとの大きな違いは、僕らはホテルを建てるところから売り始めるところです。建つ前に、オーナーさんにオンラインで販売をして、売れる見込みが立ってから建築を始める。そして、建った後は、オーナーさんが使わないときに、僕らがホテルとして運用しますというサービスです。洋服みたいにホテルの部屋を売ったらどうなる? というのを実験的にやっています。アプリ上で物件を並べ、たとえば、4LDKで8億3760万円の物件に"今すぐ買う"というボタンを付けたら面白いなと思って。そして、オーナーさんは部屋のコントロールや貸し出しをオンライン上でできる。僕自身、デジタルの人間なので、小さいホテルをデジタルで管理するとによってホテル運営ができるようにしたかったのです」

NOT A HOTELのもう一つの特徴は、部屋を複数人で「シェア」できることだ。1棟(室)を丸ごと購入する「1棟買い」のほか、年30日単位で利用可能な「シェア買い」の2つの購入タイプから自由に選ぶことができる。

「1年で30日だけ住めますというのがシェア買いです。最大12人で買えるので、3億960万円の物件の場合は一人あたり2580万円弱。1棟丸々か、30日かということを選択できる。今、全国7ヵ所で開発しようとしています。まず、今回は那須の2部屋と宮崎の6部屋の計8部屋で、合計40億くらいの販売となります」

では、なぜ那須と宮崎だったのだろうか?

「実は、東京から那須というのは、東京から軽井沢と同じ距離感です。でも、土地の価格は10分の1ですし、その分、建築の方に投資することにしたのです。同じ8億でも、軽井沢だと土地だけで4億。だったら、安く土地を仕入れて、いい建築家を連れてきて、いいソフトウェアを載せて販売したかった。那須のNOT A HOTELは16万坪の土地ですからね。宮崎に関しては、僕の地元ということもあるのですが、東京から1時間半で行けるところが魅力的なんですよ。空港からは15分です。沖縄であれば2時間半かかってしまいますからね。地方創生ではないですけど、"隠れた良い場所"というのを探してホテルを作って、そこに行く人を増やすというのが、もう一つの裏テーマでもあります。多分、宮崎で10万円以上の良いホテルってなかなか無いですからね」

「NOT A HOTEL NASU」 都心から約90分、那須に広がる16万坪の牧場。20頭の馬が暮らす広大な自然を望む全2棟。建築は谷尻誠氏に依頼。


後編に続く

Shinji Hamauzu
1983年生まれ。宮崎県出身。国立都城高専電気工学科卒業。2007年アラタナを設立。2015年ZOZOに売却し、グループに参画。ZOZOテクノロジーズ取締役を兼任し、2020年3月に退任。2020年4月1日NOT A HOTELを設立。

NOT A HOTEL 公式サイト:https://notahotel.com/

TEXT=鈴木 悟(ゲーテ編集部)

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2024年5月号

身体を整えるゴッドハンド

ゲーテ5月号表紙

最新号を見る

定期購読はこちら

MAGAZINE 最新号

2024年5月号

身体を整えるゴッドハンド

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ5月号』が3月25日に発売となる。成功者たちを支える“神の一手”を総力取材。すべてのパフォーマンスを上げるために必要な究極の技がここに。ファッション特集は、“刺激のある服”にフォーカス。トレンドに左右されない、アートのようなアイテムが登場。表紙は、俳優・山下智久。

最新号を購入する

電子版も発売中!

定期購読はこちら

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる