35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第197回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
初対面で聞かれたシンプル英文に戸惑う
言語の練習をするため、「ランゲージエクスチェンジ(言語交換)」のパートナーを募集するサイトに登録していたことがあります。私は日本語を、相手は英語を教え合って言語を学ぶことが目的です。
マッチングアプリと同様に、気になる人がいたらメッセージを送り、気が合いそうなら、オンラインで話して言語交換をする、という流れが通常です。
マッチング前に、イギリス人の女性と何度かメッセージをしていた際に、趣味の話になりました。趣味が合わないと話していても盛り上がらないので、大事なところです。
「Netflixでホラー映画を見るのが好き」とその方は言うのですが、私はホラーが大の苦手。それを伝えると、こう聞かれました。
What are you into, then?
直訳すると「じゃあ、何に入っているの?」となります。「入っている」とは何事でしょうか。クラブ活動とかサークル活動のことでしょうか?
だったら学生時代、音楽サークルに入っていたので……I was into music.でいいでしょうか? とりあえずそう答えたら、なんとなく向こうも納得したようなしていないような雰囲気になりました。
Into=ハマっているもの、らしい
What are you into?=趣味はなに?
という意味だそうです。「ホラー映画を見るのが趣味」という人に対して「え〜、私ホラー嫌い」と言ってしまったので、相手は「じゃあ、あんたは何が好きなのよ?」と聞いた流れでしょうか。
Intoなので、自分がそのなかに入り込んでしまっている、つまり「今、ハマっているもの」を表す意味合いだそうです。
What are you into?と聞かれ、回答としてI was into music.という私の答えは「音楽にハマっていた」ということになり、一応意味をなす答えにはなっています。
ただ「音楽にハマっていた」といわれても、演奏する方なのか、聞く方なのか、どういうジャンルなのかによって話の方向性は全然違いますから、I was into musicの後にいろいろ話が続かないとならないはずです。
けれど私は意味がよくわかっておらず、そこで話が終わっていたので、向こうも納得したようなしていないような雰囲気になったようです。というか、ハマっていることを聞いているのに、なぜ過去形なのか、それも相手にとっては謎だったでしょう。
結構使える、Intoの活用法と注意点
正しい使い方としてはこうなります。
I am really into folk music. (フォークミュージックにすごくハマっているんだ)
I am into playing the piano.(ピアノを弾くのが趣味なんだ)
ハマっているドラマや映画、バンドの話をする時なんかにも使いやすそうなフレーズです。またinto の後に人をつけると「その人に夢中」ということになるので、ハマっているアイドルの話から、恋の話まで、幅広く使えそうです。その場合はこんなふうに使うみたいです。
He must be into you.
(彼、絶対あんたのこと好きだって)
ただし、気をつけなくてはいけないのはWhat are you into?で、性的嗜好を尋ねる隠語になってしまう場合もあるということ。アプリなどで相手の趣味を知りたいからといって、突然知らない人にこのメッセージをなんの脈略もなく送りつけてしまうと、変態扱いされるでしょうから、注意が必要です。
とはいえ、その後も口語では、趣味を表す表現でかなりI am into~は聞きました。
I am into K-pop.(K-pop好きなんだよね)
Me as well! I’m really into BTS!(私も! BTSにハマっているの)
というように、相手が言うintoに重ねて言えば、変な意味にならないので、一度覚えてからは、実は結構使っていました。
ちなみにそのホラー好きの方とは、私の英語の勘違いもあってか、マッチングはしませんでした。よくよくいろんな人のプロフィールを読むとI am into ghibli anime.(ジブリアニメが好きです)とかI am into Japanese drama.(日本のドラマが好きです)とか書いている人も結構いたので、そういうところをよく読んで声をかけることが大事だなと思いました。
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。