35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第196回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
今、あえて覚えたい。Fall victim to〜とは!?
コロナが5類に移行しようというタイミングで、ギリギリというか滑り込みというか、なんというか、感染してしまいました。
喉がやられて声が全然出ないので、外国人の方たちと日常的にしているSkypeでの会話は治るまでキャンセルさせてもらうことにしました。
I have been infected with COVID-19.
(コロナに感染してるんだ)
というメッセージ送ったら、こんな返事がきました。
Finally, you fell victim to a virus.
Victimとは犠牲者とか被害者という意味ですので、なんだか大げさな表現だなと思いましたが、こういうことでした
Fall victim to〜=〜に感染する
本来は、「〜の犠牲になる」とか「〜の被害に遭う」という意味のフレーズだそうですが、〜を病名にすると、「感染する」とか「病魔におかされる」ということになり、このメッセージをくれた方は「君もついに感染したのか」と言いたかったのでしょう。
Fallは「落ちる」という意味の動詞ですから、直訳すれば「犠牲に落ちる」ということで、やっぱりどうも大げさです。事実「毒牙にかかる」と翻訳されることもあるようで、表現としてはかなり硬いものだと思います。その彼はあえて「ついにコロナの毒牙にかかったか」という、シリアスな表現をしたのかもしれません。
脚を折れ!? Break a leg! がなぜ応援メッセージに!?
他にも「感染する」を表現するフレーズを、ついでに聞いてみました。
Become infected with〜
Get infected with~
Catch~
なんかが一般的だそうです。
というかFall victim toだと、「病魔におかされる」「病気の犠牲になる」という意味合いが強いので、「感染する」という意味ではあるものの、感染して死にかけている印象にもなります。
「確かに辛いけど、大丈夫。熱はあるけど、大きなプロジェクトもあって、在宅で仕事はできているから」と日本語で返したところ、こう返信がきました。
Break a leg!
直訳すると「脚を壊せ!」とか「脚を折れ」です。コロナに感染したあげく、「脚を折れ」とは何事でしょうか。
Break a leg! = Good luck
ということでした。これは主に、これから舞台に上がる人に対して「頑張ってね」と励ます時に言う言葉です。大きな仕事があると言ったので、それを舞台とかけて言ってくれたのかもしれません。
プレゼン当日、緊張している同僚にBreak a leg! なんて言えたらちょっとカッコいいなと思いました。
最終的にその方は「とにもかくにも、お体をお大事にしてください」と丁寧な日本語でメッセージをくれたので、数回のメッセージの中に、体にまつわる英語のフレーズをあえていくつか入れてくれていたのだなとわかりました。
「感染する」というフレーズ、あまり使いたくはないですが、まだまだこんな世の中なのでバリエーションをもって覚えておいて、損はなさそうです。
連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。