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2022.08.22

顔を褒められたんじゃなかったの!? イケメンに言われて浮かれた「good look」の意味って?

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者のお話、第158回。連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……

「good look」と「good-looking」の違いって。

「good look」と「good-looking」の違いって知ってた?

This shirt looks good on you.

「そのシャツお似合いですね」

イギリスの語学学校に通っていたある日、教室に真っ赤な花柄のシャツを着た男性がいたので、そう声をかけてみました。そんなド派手なシャツのわりにすごくその人にしっくりと来ていて、本当に似合っていました。

持ち物を褒められて怒る人はあまりいないので、“looks good on you(あなたに似合う)”は、会話のきっかけにもなりとても便利なフレーズです。案の定彼も「ありがとう、これロンドンに来て買ったんだ」とかなんとかで、思ったとおり会話が弾みました。そして最後に彼はこう言いました。

You have a good look.

「君はグッドルックを持っている」

いったいどういう意味でしょうか。

確か、イケメンのことを「グッドルッキングガイ」とい言いますが、あれみたいなことでしょうか。ということは、もしかして見た目、顔を褒められた?

考えてみれば赤い花柄のシャツが似合う男性というのはなかなかおらず、よく見たら彼はかなりイケメンでした。その彼に“good look”と言われた!? もしかしてかわいいって言われた!? と舞い上がって、そこからは声をかけておきながら恥ずかしくなり、以降、会話もないまま1日が終わりました。

しかし後日、それが勘違いであったことがわかりました。

YouTubeで、コメディーを見ていたところ、奇しくも同じような赤いシャツを着た中肉中世の男性がこう言っていたのです。

One time my agent told me that I had a good look
and I’m like thanks dude I appreciate that.
(あるとき、エージェントが「あなた、グッドルックね」と僕に言ったんで「そりゃどうもありがとう」って感じで)

“You have a good look.”
私がイケメンに言われた言葉と全く同じです。
コメディアンは続けます。

But then it looks me years to realize that having a good look is totally different than being good-looking.
(でも、数年経って気がついたんだけど、“having a good look”と“being good-looking”って全然違うもんだったんだよ)

観客は大笑いしていました。

は? “having a good look”と“being good-looking”って意味違うの?

私は観客の爆笑の意味がわからず、英語もわからず、混乱してやっと教師に聞くことを決心しました。

having a good look=雰囲気がいい、おしゃれだ
being good-looking=顔がいい

ということでした。

“good-looking” は形容詞で、見た目がいい、顔がいい、という意味になり、“He is good-looking.”といえば「彼はハンサムだ」になります。これが私が勘違いした「グッドルッキングガイ」のグッドルッキングです。

一方で“You have a good look.” となると、「服装や雰囲気とか、物腰とか、そういうことを含めてなんとなくいいねって時に使う」と教師は言っていました。つまり別に顔は褒めてないんです。

「雰囲気がいい」。どうしても人を褒めないといけないのに、何も褒めるところが見当たらなかった時に出てくる言葉、日本語でもぶっちぎり1位でしょう。

もちろん“You have a good look.”自体には、ネガティブな意味はありません。
「いい感じの人だね」「君はほんとおしゃれだね」という感じでとてもポジティブに使われます。

しかし、このコメディアンのネタも、私も「顔がいいですね」と言われたと勘違いしていたため、いくら「雰囲気がいい、おしゃれだ」と言われても、もう心に響きません。多分、赤いシャツのイケメンは「褒められたから褒め返さないと」と思って“You have a good look.”と言ってくれたのでしょう。気を使わせて申し訳ない限りです。

Illustration=Norio

過去連載記事

連載【英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」】とは……
35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者による英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

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連載
英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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