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2022.05.02

この英語わかる? Colorful language=カラフルな言葉!? ──連載「人のEnglishを笑うな」Vol.142

35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる! 下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」第142回!

Colorful languageって、いい意味?悪い意味?

世界情勢について、日本のメディア以外でもニュースを見ておきたいなと、わからないなりにも世界のニュース番組をオンラインで盗み見たりしています。
英語字幕を出せば、聞き取れなくても、どういう意見を言っているのか、時間をかけさえすればなんとなくわかってきます(いちいち動画をストップするので、めちゃくちゃに時間がかかりますが)。

先日、そんなふうにニュースを見ていたところ、何も効果的な対策を打たない、ある政治家について議論している番組を見かけました。
「あの人なにもしてないけど、どう思いますか」と、キャスターが専門家に尋ねると、専門家は、少し困った顔でこう言いました。

Quite a few people are in colorful language.

直訳すると「たくさん人たちが、カラフルな言語の中にいる」という意味になってしまい、なんだか意味がわかりません。専門家は、その政治家についてあまり意見を言いたくないようで、すぐ話題をかえてしまいました。

Colorful language=悪い言葉

というような意味だそうです(ちなみに「カラー」はイギリス英語とアメリカ英語で、スペルが違います)。
ブリタニカ辞書によると、こう説明されていました。

If you use colorful language you use words that are usually considered rude or offensive.

「無礼または、攻撃的な言葉を使うこと」ということです。
こういう例文もありました。
He's been known to use some colorful language when he starts talking about politics.
「彼は、政治の話になると、言葉使いが悪くなることで知られている」

といった意味でしょうか。
ということは、専門家が“Quite a few people are in colorful language.”
と言ったのは、「みんな悪く言ってるね」というようなニュアンスでしょうか。

「悪い言葉」を「カラフルな言葉」と濁す言い方が、なんだかおしゃれだなぁと思いました。そういえば、会社員時代に、イライラしてデスクで毒づいていたら、先輩に「あらあらずいぶんお上品な言葉遣いだこと」とたしなめられたことがあります。
悪い言葉を使っているのに、「お上品」とあえて言うところに、皮肉がこめられているのですが、もしかしたら“colorful language”はそれに近いのかもしれません。

ちなみに、同じようにcolorful past/ colorful careerという言葉もあります。
これは、文字通り、「カラフルな過去」「カラフルなキャリア」という意味で、使い方にもよるのですが、以下のように皮肉に使われることもあるようです。

How does your husband feel about your colorful past?

「あなたの旦那さんは、あなたの『カラフルな過去』についてどう感じているわけ?」
なんとも意味深です。文脈によっては「あなたの、やんちゃしていた過去について、旦那さんどう思ってるの?」ということになるでしょう。

イギリスのゴシップ紙「THE SUN」では過去にこんなふうにこのフレーズが使われていました。

Her boyfriend's colourful past has also set tongues wagging in recent weeks.

「彼女のボーイフレンドのカラフルな過去が、ここ数週間噂になっている」

これも「やんちゃしていた」ということになるでしょう。これだけでは異性関係か、それ以外かわかりませんが、「噂になる」くらいの過去なので、なにかしらしでかしていたのでしょう。

「いろいろ、あったからさ…」
と言われると、なにがあったのかはわかりませんが、一悶着あったことは予想がつきます。「いろいろ」の「いろ」もそういえば「カラー」。英語も日本語も「色」は、ちょっとした含みのある言葉なんだと、覚えておこうと思いました。

Illustration=Norio

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連載
英語力0.5レッスン「人のEnglishを笑うな」

英語力ゼロのまま渡英、行けばなんとかなると思いつつなんともならなかった2年間のイギリス生活。帰国後はせっかく覚えたいくつかの英単語も忘れ去り、それでも時々は英語と格闘してみる現在、40歳。いつかはうまくなりたいから、恥を忍んで今日もブロークンイングリッシュ。下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。

TEXT=MOMOKO YASUI

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