35歳・英語力ゼロなのに、会社を辞めていきなり渡英した元編集者。「その英語力でよく来たね(笑)」と笑われて2年後、英語力未だ0.5であえなく帰国。だけど日本にいたって、きっともっと英語は覚えられる!下手でもいいじゃない、やろうと決めたんだもの。英語力ゼロレッスン「人のEnglishを笑うな」第122回!
英語で言える「おじゃま虫」
先週から引き続き、仕事の合間に海外の猫動画を見続けています。
たとえ英語で何を言っているかわからなくても、猫がかわいいから見続けていられるし、たまに新しい単語を発見できれば、もうけもの。そのくらいの感じで眺めています。
そんななかでも今週もおもしろい言葉をみつけました。
I’m the third wheel.
カップルのもとに住む一匹の猫。女性の方が拾ってつれてきたのですが、なぜか男性の方にだけ、なついてしまいました。猫は男性にすりよったり一緒に寝たり、女性が間に入ろうとするとすごく怒ります。
そんな時、女性がこういいました。
I’m the third wheel.
“Wheel”は車輪という意味ですから「私は三番目の車輪」ということになります。
全然意味がわかりません。
猫は、とにかく女性が近づくと怒るのに、男性にはすっかり心を許している様子がその後もずっと動画で映されます。
third wheel=おじゃま虫
ということのようでした。
ケンブリッジの辞書にはこう説明されていました。
someone who is in a situation where they are not needed or are ignored by most people
(多くの人に必要とされていない、または無視されるシュチュエーションにある人)
邪魔な人、必要とされていない人ということです。
スラングの辞典アーバンディクショナリーではより具体的に説明がありました。
A person who feels left out by a couple or a pair of besties.
(カップルや、2人組の仲良しから、省かれていると感じている人)
これで「2人の関係を邪魔する、おじゃま虫」という意味であることがはっきりとわかりました。「3つ目の車輪」とは、2つでひとつのバイクや自転車の車輪に、なぜか3つ目が入ってしまった、そんな感じでしょうか。
実は同じ意味で“fifth wheel”という言い方もあるようです。「5番目の車輪」です。車は4輪ですから、5輪になるとこれも余計な車輪なので、同じ「おじゃま虫」ということのようです。
愛人は英語では「ひよこ」!?
その動画をよくみていると女性はこうも言っていました。
I’m like a side chick in the relationship.
「私は、この関係では、サイドチックみたい!」
ということでしょうが、サイドチックとは?
“chick”は「ひよこ」のことですから「横のひよこみたい」ということ?
まったく意味がわからず、ここもスラングの辞書アーバンディクショナリーを引いてみると。
Side chick=愛人
ということでした。
この場合は、猫が男性の本命になってしまったということかもしれません。
猫が女性をにらみつけるのは、本妻が夫の愛人をにらみつけているような状態なのでしょう。
この“Side chick”は一般的にはこのように使われます。
She is his side chick.
(彼女は、彼の愛人だ)
男性には使われず、女性にのみに使う言葉だそうです。
猫動画でこんな言葉を学ぶことになるとは思ってもみませんでした。
他にも、さまざまな海外の猫動画を見ています。なかには言葉を理解しているような猫もいました。
ご飯が欲しい時は「food」と書いてあるボタンを、撫でて欲しい時は「pet」というボタンを押して意思表示する猫です。数々のボタンには、それぞれにスペルが書いてあり、ちゃんと正しいタイミングでそのボタンを押す猫を見ていたら「この猫は言葉を理解するだけでなく、スペルも読んで押しているのか?なら私より、英語力があるのでは?」という気持ちになり、猫動画でさえも見るのが少し嫌になりました。
Illustration=Norio