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2021.11.20

「中国経済の減速、その要因は?」ABCash児玉隆洋

新型コロナウイルスにより、多くの人がお金について真剣に考えたはずだ。先行きが見えないなかで、今後どうお金と付き合い、増やしていけばいいのか。この連載では、お金のトレーニングスタジオ「ABCash」を運営する児玉隆洋氏が、コロナ後のお金と資産運用についてレクチャー。お金とは何か、投資とは何かを考える。 アフターコロナのお金論36回。

money

中国経済の減速と恒大集団の経営危機

中国国家統計局が発表した2021年7~9月の国内総生産は、前年同期比4.9%プラスとなり、4~6月期の7.9%プラスを大きく下回りました。前期比の年率換算では、0.8%増程度にとどまっています。この数字からも中国経済の減速が鮮明となってきていますが、一体その要因はなんのでしょうか。その背景をいろいろな観点でみていきましょう。

まず、中国経済の減速の大きな要因としては、世界的なニュースにもなっている恒大集団が経営危機に追い込まれていることが挙げられます。このニュースは世界中の投資マーケットにも大きな影響を与えています。

それではお金のトレーニング。恒大集団は何を事業としている会社でしょうか?

答えは、中国の不動産デベロッパー会社です。近年中国で大きな成長を遂げ、中国国内の280以上の都市で1,300以上の不動産関連事業を行い、860社以上の企業と戦略的な提携もしています。

また、不動産業以外にもミネラルウォーター・食品の販売、観光、インターネットサービス、保険、ヘルスケアなど多角的に事業を展開しています。さらに近年は電気自動車事業にも乗りだしており、2025年までに100万台、2035年までに500万台の販売を目標に掲げ、世界最大の電気自動車会社を目指していました。

続いてお金のトレーニング。2021年の「FORTUNE Global 500」がランクつけする世界の売上高ランキング。日本のパナソニックは154位でしたが、恒大集団は何位だったでしょうか?

答えは122位。恒大集団がどれだけ大きな企業規模なことが想像できると思います。

引き続きお金のトレーニング。中国経済は不動産に過度に依存していると言われていますが、その割合はどのくらいでしょうか?

答えは、なんとGDPの約3割になります。その中国では、不動産投資の拡大により不動産価格が大幅に上昇し、庶民の住宅購入が難しくなったことが、経済格差を広げたとして社会問題化しています。

恒大集団は不動産バブルの勢いに乗り、マンション開発を進めることで不動産価格上昇の追い風を受けながら、収益を増大させていきました。

先行投資のために銀行や投資家から多額の資金を集めましたが、気付けばその負債総額は30兆円を超えるにまで積み上がっています。そして、経営危機に陥った恒大集団ですが、世界中から懸念されていたデフォルト(債務不履行)は回避することができました。ただ依然として資金繰りは厳しいとみられています。恒大は電気自動車事業や、香港に保有するオフィスビルなどを売却して資金を確保し、利息の支払いに充てようとしています。

もし、このまま恒大集団がデフォルトをおこした場合、世界経済への影響はどのくらいになるのでしょうか?

恒大集団のニュースにより、日本でもアメリカでも株価が大きく反応することもありましたが、現状だとリーマンショック級の金融危機になる可能性は低いという専門家の見解が多い状況です。

また、その他の中国経済の減速の背景には、コロナウィルス感染拡大の影響による個人消費の停滞があります。特にデルタ株の感染が広がった夏の観光シーズンには省を越える移動も制限され、旅行客が減ったことで観光業などが大きな打撃を受けました。

中国では感染を封じ込めるために厳しい規制が行われており、デルタ株の感染拡大にもロックダウンで対応しようとするなど、経済成長を支えてきた個人消費を急激に冷え込ませています。

さらに、世界的な脱炭素の流れを受け、政府があることを制限したことも要因として挙げられます。

ここでお金のトレーニング。政府は何を制限したでしょうか?

答えは、電力供給です。世界的な脱炭素の流れを受け、中国政府がエネルギー消費の削減目標を達成するよう地方政府に迫り、その意向に従った地方政府が一気に電力供給を絞り、工場の生産停止が相次いでいます。

深刻な電力不足が各地を襲っており、工場の稼動に深刻な影響を与えていると報道されています。このような要因による中国経済の減速から、次の成長可能性としてアフリカやインドのマーケットがより注目されており、スタートアップ企業や大手企業は、彼らのマーケットに向けたプロダクトやサービスの開発に巨額の投資を開始しています。

近年のインターネットによる情報革命により、時代の流れが人類史上最速の時代になりました。海外のニュースをインターネットでリアルタイムでキャッチできて、即時に自分の資産形成についても自分で考えて行動もできる時代になったのです。

だからこそ、いろいろなニュースをみて毎回どうしよう? となるのではなく、普段からお金のスキルを身につける努力を継続し、自分のお金に対する価値基準や判断基準も明確にしておくことが大事です。そうすれば、お金に振り回されることも少なくなります。

古代メソポタミア文明で発明された「お金」。

人類史上偉大な発明ですが、お金とはそれ自体が目的になるものではなく、人生を豊かに生き抜くための手段にすぎないのです。

Takahiro Kodama
1983年宮崎県生まれ。大学卒業後、サイバーエージェントに入社。Amebaブログ事業部長、AbemaTV広告開発局長を歴任。2018年、海外に比べて遅れている日本の金融教育の必要性を強く感じ、株式会社ABCashTechnologiesを設立。代表取締役社長に就任。2019年、すごいベンチャー100受賞、スタートアップピッチファイナル金賞。趣味はサーフィン。

ABCashについてはこちら

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