AND MORE

2020.12.14

横浜美術大学学長・森美術館理事、宮津大輔『新型コロナはアートをどう変えるか』

『新型コロナはアートをどう変えるか』

どんな状況にも適応するアートの力強さ!

今なお世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス。果たして人類は、このパンデミックにいつまで翻弄され続けるのだろう……。

先行き不安な未来を案じてちょっぴり暗い気持ちでいたところ、帯の「アートは死なず」という言葉が目に留まり、思わず手に取りました。

著者は国内でも有数の現代アート・コレクターで、森美術館の理事なども務める宮津大輔さん。

本書では、ウィズ・コロナおよびコロナ後の世界におけるアート市場の動向について、詳細なデータをもとに分析しています。

14世紀のペスト流行期に、死生観がテーマの作品の需要が高まったように、現コロナ禍でも芸術様式の変容が起こっているといいます。

バーチャルミュージアムの試みや「脱・所有」へのシフトなどは、その一例。

そうした取り組み、潮流は新たな市場を生みだし、よりアートの世界を活性化させていくという宮津さんの主張はとても力強くて、読んでいて何だか励まされました。

それと同時に感じたのは、アートの世界に限らず、変化を許容できないものは淘汰(とうた)されていくということ。

私自身も、社会の変化に素早く対応できる経営者でありたいと、ビジネス面でも教訓となる本でした。

 

『新型コロナはアートをどう変えるか』
宮津大輔 著
光文社新書 ¥1,000

TEXT=佐伯真唯子

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2024年12月号

昂る、ソウル

東方神起

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2024年12月号

昂る、ソウル

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ12月号』が2024年10月24日に発売となる。今回の特集は“昂る、ソウル”。最高にエンタテインメント性に富んだ国、韓国をさまざまな方向から紹介。表紙は東方神起が登場。日本デビュー20周年を目前に控えた今の心境を教えてくれた。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

SALON MEMBER ゲーテサロン

会員登録をすると、エクスクルーシブなイベントの数々や、スペシャルなプレゼント情報へアクセスが可能に。会員の皆様に、非日常な体験ができる機会をご提供します。

SALON MEMBERになる