HEALTH

2023.06.16

次世代のAGA治療! 自身の幹細胞を用いた毛髪再生医療とは

俄然、注目を集めている幹細胞による再生医療。育毛分野にも適用され、目覚ましい成果を上げている。【特集 男の美容最前線】

毛髪再生医療とは

毛髪の悩みに多角的にアプローチ

受精卵から作製するES細胞は倫理的な問題を孕み、京都大学の山中伸弥教授で有名な細胞を初期化してから作製するiPS細胞はコストがかかる。どちらも増殖能力が高く、分化も万能だが、癌化のリスクがあるといわれ、第一種再生医療の施設でしか受けられない。しかし、自分の皮下脂肪や骨髄から培養する間葉系幹細胞は危険性も低く、安心して受けられる。そんな夢のような再生医療を頭髪に施してくれるのがアヴェニューセルクリニックだ。

統括医師の辻晋作先生は若き頃、褥瘡(じょくそう)治療からこの道に入り、今では東京大学整形外科と共同研究し、TOPs細胞という独自の方法で培養した脂肪由来幹細胞をつくりだすにいたった。まさに日本の再生医療界を牽引する立役者のひとりといえる。

「従来のミノキシジルやフィナステリドといった外用・内服薬やレーザーによる保存的治療、また自毛植毛による手術治療、さらにサイトカインを含むタンパク質が含まれる血小板治療に加え、第4の選択肢となるのが、この幹細胞を用いた再生医療。自己の脂肪由来間葉系幹細胞なのでアレルギーや拒絶反応の心配もなく、気になる箇所に直接、集中的にできる治療です」

クリニック内には最新のCPC(細胞培養加工室)を併設する。

「患者様から採取した細胞は患者様そのもの」と、まるで入院しているかのように丁寧かつ慎重に分離・培養される。それらを針が3本ついている頭皮専用の特殊な注射針を用いて薄毛の箇所に注入する。(施術の流れは下記を参照)。薄毛は疾患ではないので完治という客観的なゴールはないが、受けた患者の大半はリピートしているとか。

「受けるタイミングは抜けてきたらでよいのですが、効果は一生続くものではありません。男性ホルモン由来で脱毛しているのならその要因を取り除く必要もあります。増毛は足し算。日々のケアや薬などと併用しながら再生医療でQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めてほしいですね」

【治療の流れ】局所注射療法

局所注射療法①問診・採血

予約してクリニックを訪れると、まずは丁寧なカウンセリングが始まる。担当の医師により、治療の特徴と期待される効果などを詳しく説明。また術前には感染症などの検査も実施する。

局所注射療法②脂肪採取・培養用採血

へその中の皮膚を5㎜ほど切開し、米粒1~2個の脂肪を採取。その傷はほとんど目立たず痛みもほとんどない。採取は短時間で終了し、抜糸等も不要。同日に培養に必要な採血も行う。

局所注射療法③培養

組織を採取したらすぐにクリニックに併設されたCPCにて細胞培養を開始。治療に必要な数に増えるまで約3~4週間の期間を要する。培養過程で異常が認められた場合は中止することも。

局所注射療法④投与

当日、場合によっては頭皮に局所注射麻酔したあと、症状に合わせて注射を行う。2回目の投与が必要な人は培養に必要な血液を再び採取し、終了。投与日は一度確定すると変更は不可。

※イラストはイメージです。

 
Q. 痛みや副作用はある?
脂肪を採取する時も0.2ccでよいので、傷跡はほとんど目立たず、また、幹細胞を注入する際は頭皮に麻酔の注射を打つので、その時にだけ少し痛みが伴うこともあるが、幹細胞の注入時は麻酔が効いているので、痛みはない。また、自家の間葉系幹細胞を用いるためアレルギーや拒絶反応もない。まれに術後に患部が腫れることがあるが、ほとんどの場合あまり大きな副作用がないのもありがたい。念のため消炎鎮痛剤を少量、処方もしてもらえるので安心だ。

Q. 頭髪以外にどこの治療ができるの?
脂肪由来幹細胞なら脳梗塞の後遺症治療や、認知症、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、難治性アトピー、ニキビ跡、動脈硬化症などのほか、加齢により心身が老い衰えた身体的フレイル、関節治療、リンパ浮腫、美容皮膚科的治療、靱帯・腱損傷などがある。その他にも歯周病など日々、臨床現場で新たな治療が実施されている。特に日本では法律できちんと守られながら、世界のなかでは再生医療の技術が短期間で承認される国なのだ。

アヴェニューセルクリニックのエントランス

厳しい審査の末、厚生労働省から「第二種再生医療等提供計画番号」を取得した再生医療特化型の総合クリニック。培養した幹細胞を用いて皮膚や関節内への注射や点滴による全身投与が可能。東京大学と連携し、日進月歩の進化を見せる臨床や研究により改良される最新技術を取り入れ、患者へのメリットを最優先に追求している。

CPCを完備したアヴェニューセルクリニック内

表参道という都会の立地のクリニックレベルでは極めてめずらしく、安全な再生医療を受けられるようにとCPCを完備。また、身体の組織と同じような構造の不織布を用いて採取した脂肪を酵素処理しないまま幹細胞を分離する「エクスプラントカルチャー」も特徴的だ。通常、培養に使用する脂肪量は50~200ccほど必要だが、同方式なら0.2ccと少なくて済み、患者の負担が少ない。そのため、他の医療機関から培養を請け負うなど信頼が厚い。

アヴェニューセルクリニックの内部

アヴェニューセルクリニック
住所:東京都港区南青山3-18-16 ル・ボワビル 3F
TEL:0120-382-300
営業時間:10:00~14:00/15:00~19:00

辻晋作先生

辻晋作
アヴェニューセルクリニック
再生医療統括医師
1974年生まれ。東京大学医学部を卒業後、形成外科を経て国の次世代成長戦略である再生医療に着手。2016年にアヴェニューセルクリニックを設立。

【特集 男の美容最前線】
 

この記事はGOETHE2023年7月号「美容特集:艶のある男」に掲載。購入はこちら▶︎▶︎

TEXT=藤村岳

PHOTOGRAPH=石井文仁 ILLUSTRATION=うえむらのぶこ

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