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2022.05.24

【堀江貴文】「感覚器の高いレベルを保つことが認知機能低下を防ぐ」──連載「金を使うならカラダに使え!」Vol.7

カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する本連載。第7回のキーワードは「予防医療」。特に、認知症など脳機能の低下は、がんなどの大病を克服した後にも現れる“最後の病”ともいわれるが、発症の原因や治療法はいまだ研究の途上。だからこそ、脳機能の専門医のもとで予防医療を受ける意味は大きい。脳神経疾患、生活習慣病などの治療、予防を行う東京予防クリニックの村上友太院長と堀江氏が語り合った。【連載 堀江貴文の金を使うならカラダに使え!】

連載「金を使うならカラダに使え!」

「年だから仕方ない」と放置しないで

堀江貴文(以下堀江) 今回は、2022年3月に開院したばかりの、予防医療を重視したクリニックに来ました。力を入れている分野は何ですか。

村上友太(以下村上) 脳から全身の健康までをサポートしたいと考えています。疾患治療では保険も取り扱いますが、予防は自費診療でさまざまな検査、分析を行えます。私は脳神経外科専門医ということもあり、今まで認知症について研究してきましたが、根本的な原因が解明されていないために治療法が確立されてなく、いい薬もまだできていません。研究も続けていますが、現状は発症を防ぐことを重視しています。

堀江 認知症は脳内のアミロイドベータの増加が原因という「アミロイドベータ仮説」がありますね。脳細胞内で、不要になったタンパク質は分解されてペプチドとなり、リンパ管経由などで排泄される仕組みがあって、“タンパク質カッター”みたいな酵素がタンパク質を小さく切断するんですが、何らかの原因でカットが異常になり、構造がおかしくなったのがアミロイドベータ。これが排泄されずに溜まってしまう。つまりゴミが細胞内に溜まるために脳細胞が死滅していく、という仮説ですね。

村上 そのとおりで、医学会で主流の仮説です。プロセスの一部を阻害する薬や、臨床試験中の薬もありますが、まだ治療として確立されてはいません。

堀江 アミロイドベータができる原因がよくわかってないし、認知症は何年もかけて進行する病気なので、5年10年と継続して診ていくことが必要ですよね。日本とアメリカの製薬会社が共同開発した新薬はアメリカでは経過観察というか、2年後に結果を見てから正式承認するかどうか決めましょう、という状況だそうですね。

村上 よくご存知ですね。脳機能低下の原因解明や治療法の研究は近年活発になって、私は脳脊髄液も研究しています。脳の周りにある液体で、脳脊髄液に関する研究はこの15〜20年くらいで盛んになっている印象ですが、大学で研究していたのは髄液のタンパク質の解析です。脳の老廃物の排泄機構がよくないと脳の老化や機能低下を引き起こすという説もあります。

堀江 関連性ありそうですね。

村上 はい。脳の解剖の知見が進めば、治療のアプローチも増えると思うんです。今は飲み薬だけですが、髄液を利用する方法が出てくるかもしれません。

堀江 脳髄液を調べる時はどこから?

村上 血管から採血するのとは違って、腰の背骨の間に太い針を刺して採取します。

堀江 あぁ、痛いやつですね。できればやりたくないやつ。

村上 アルツハイマー型認知症の診断でも、脳髄液中のタウタンパクの濃度測定が必要なので、背骨から採取していました。でも血中にも微量ながら脳髄液が入っていることがわかり、数年前から血液検査で診断できる検査技術が確立されつつあります。

堀江 血液検査でタウタンパクの量がわかるのはいいですね。

村上 はい。患者さんの負担も減ります。

堀江 老人性の認知症は、アクティブな人はなりにくいといわれてますね。

村上 運動習慣があるとか、ハマっていることがあるとか、知的好奇心が強い人は発症しにくいとされています。具体的には頭頂側頭葉の萎縮が抑制されるからです。僕は将棋が長年の趣味なんですが、将棋で盤面を瞬時に把握する時に使う場所でもあるんです。何かを集中して行うことが脳へのよい刺激になると考えられています。

堀江 認知症の予防は現状、何がよいとされているんですか。

村上 皆さんが日常に取り入れるなら運動です。脳の萎縮や神経細胞の死滅には脳血流の減少が大きく関わるので、運動によって血行促進することで認知症の発症リスクはかなり下がりますし、動脈硬化も防げます。

堀江 情報のインプット、アウトプットも脳にかなり影響しませんか? 加齢で情報を取りこむ機能、例えば目のセンサーも低下しますし、65歳以上の半数は白内障というデータがあります。白内障だと曇りガラス越しに物を見ている状態だといわれてますよね。

村上 確かに視覚や嗅覚、聴覚などの感覚器の機能低下で認知機能や脳機能は落ちていきます。

堀江 「年だから仕方ない」って放置しないで、感覚器の高いレベルを保つことができれば脳神経を活性化させられる、という当たり前の話だけど、それが認知機能低下の予防につながりますよね。

村上 そうですね。脳はどの部分から機能低下するかとかが、解明されていないことが多いので、日々意識を高く持ち、メンテナンスすることが大切だと思います。自身の現状を知ってもらうために、ぜひ脳ドックは受けていただきたい。検査を定期的に行って画像の経時的変化を診ることはとても大切です。

堀江 血管は川の流れと同じく、淀んでいるところが弱点になるし、切れたり詰まったりすると命にも関わるから、経過観察はすべきですね。僕は毎年、検査しています。

村上 検査で早く見つけて早く治療することが大ごとになるのを防ぎます。責任のあるビジネスパーソンは特にそれが必要ですから、病気予防のための検査と治療は取り入れていただきたいですね。

【連載 堀江貴文の金を使うならカラダに使え!はこちら】

Yuta Murakami
1984年青森県生まれ。東京予防クリニック院長。福島県立医科大学大学院博士課程修了、医学博士、日本脳神経外科学会専門医。福島県立医科大学医学部脳神経外科学講座助教、青森新都市病院脳神経外科医長などを経て2022年2月より現職。

Takafumi Horie
1972年福岡県生まれ。実業家。 ロケットエンジン開発や、アプ リのプロデュース、会員制オン ラインサロン「堀江貴文イノベ ーション大学校(HIU)」運営な ど、さまざまな分野で活動する。予防医療普及協会理事として予防医療の啓蒙も行う。

TEXT=海野由利子

PHOTOGRAPH=古谷利幸

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