HEALTH

2022.03.29

【堀江貴文】「カラダ内部を定期的にチェックすることは、ビジネスパーソンの常識だ」──連載「金を使うならカラダに使え!」Vol.5

カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する本連載。第5回のキーワードは「健康診断」。人間ドックなどでも広く行われる血液検査。その数値に一喜一憂した後には“済んだこと”として捨て置き、忘れ去ってはいないだろうか? ならばその価値を知らなすぎる。過去の記録から現状への経過を確認し、未来のあるべき自分へつなげる重要な医療コンテンツなのだ。連載【堀江貴文の金を使うならカラダに使え!】

連載「金を使うならカラダに使え!」

多くの経営者やエグゼクティブが受けている、男性専門外来の血液検査

堀江貴文(以下堀江) メンズヘルスの専門家である順天堂大学の堀江重郎教授に「テストステロン」について取材した際(本誌1月号)、僕自身の血液検査を行ったので、その診断結果をうかがいに来ました。

堀江重郎(以下先生) 堀江さんは健康診断とか血液検査は定期的に受けていますか?

堀江 はい、受けています。血液検査はだいたい年に2~3回ですね。検査項目はオーソドックスな感じの内容で、あとはアレルギーチェックとか、興味があることを足しています。

先生 いいですね。ちゃんとご自身のチェックをしているんですね。いつ頃からですか?

堀江 20代の中盤くらいからですね。人間ドックに通いだしたのが24歳から。会社をつくって独立した時に、当時の経営のパートナーから「身体のチェックはしたほうがいい」って言われて。それからずっと、人間ドックは毎年受けています。だからその時々の検査結果が“揺るぎない判定”みたいには思ってなくて、どう変化したかを見ていますね。何かの数値がちょっと高くなってても、経年での上下の変化をふまえて見ています。

先生 いいですね。血液検査でわかるのは採血した時期の体内状況なので、継続して変化を見ていくことが重要です。自分の弱点とか改善の度合いもわかりますから。堀江さんの血液検査の結果は、非常にいいですよ。男性医療の分野を見ると、男性ホルモンの総テストステロン値はそれほど高くありませんが、フリーテストステロン値が高いので身体の加齢度が低いという、よい状況が読み取れます。

堀江 フリーテストステロンというのは?

先生 体内で実際にさまざまな作用を行える「遊離型テストステロン」とも呼ばれるものです。心身の症状との相関性も明らかになっているので、メンズヘルスではこの値が重視されます。“男性ホルモン”とは主にテストステロンを指しますが、DHEA(デヒドロエピアンドロステロン)やアンドロステンジオンなど複数の成分で構成されていて、男性医療の分野では、それぞれの作用や役割の研究も進んでいます。

堀江 なるほど。それで男性医療を行う医療機関も増えているんですね。結果の数値を見ると、僕の場合、高めになりがちな脂肪系、中性脂肪値とかなんですが、今回はそう高くなかったのでよかったです。

先生 堀江さんが日頃からアンチエイジングに気を配っていることが表れていますね。

堀江 長年、筋トレなどの運動を習慣にしていますし、食事とか、必要に応じて医師に薬やサプリメントを処方してもらったり、いろいろな方向から調整して、数値が基準値内に収まるようにしてる感じです。一般的な人間ドックの血液検査と、男性医療とかメンズヘルスで行う検査って何が違うんですか?

先生 一般の血液検査は治療が必要な数値にならないと、「要注意」や「要観察」となって生活指導くらいしかできないのですが、専門外来で行う場合は科によって検査項目が増えていたり、その科専門の医師が診断結果を解析、説明しますから視点が明確になりますね。予防としての医療を含めて専門的な提案ができるというのも特徴です。そのため費用が自費となる自由診療になることも多いです。メンズヘルスとか男性更年期の検査は泌尿器科専門医が行いますし、テストステロンや精巣への影響が大きい亜鉛の数値を重視します。ストレスや臓器の酸化度も見ますね。ベーシックな健診には入ってこない項目ですが、男性のアクティビティについては重要な項目です。

堀江 なるほど。科によって専門性が高い検査が可能なんですね。検査結果で得られる情報の量も多いですし。

先生 堀江さんはテストステロン値も問題ないし亜鉛の数値もいいし、ビタミンDの値もまあまあよいですが、サプリメントを少し足してもいいと思います。ビタミンDの数値が下がってくると、コロナが重症化しやすくなることが世界的にわかっています。北欧やイギリスでは、ワクチンを打つ前にビタミンDのサプリメントを高齢者に配布していました。

堀江 そうなんですか。日本ではあまり聞かないことですね。

先生 ビタミンDは脂溶性ビタミンですが、1日1000国際単位(以下IU)以上、アレルギーのある人は2000IU以上がお薦めです。食品で摂るなら1日鮭1切れでOK。男性機能に重要な亜鉛の補給には牡蠣などの貝類が効果的ですが、なかなか十分量を摂取できません。医師のカウンセリングでサプリの量を決めるのが理想です。

堀江 男性専門外来で血液検査を受ける人って多いんですか?

先生 責任の大きな仕事の方、例えば経営者とかエグゼクティブ、ご自身のパフォーマンスが仕事に直結する芸能、芸術関係の方などが多く利用していると感じます。特に“闘う”ために重要なテストステロンは認知度が上がってきましたから、ビジネスパーソンにとっては確認が必要な項目だと思います。テストステロン量を維持する方法もわかってきましたし。例えば、適した運動とかリラックスの方法、褒めてもらって承認欲求を満たすとか。テストステロン値がいいと細かいことが気にならなくなったり、朗らかになれたりします。

堀江 僕もテストステロン値が下がらないようにしていきます。社会生活をしていくうえでもテストステロンは重要ってことですよね?

先生 そうですね。コレステロール値などよりもはるかに重要です。海外では、エグゼクティブは自分のテストステロン値を把握していますよ!

連載【堀江貴文の金を使うならカラダに使え!】

Takafumi Horie
1972年福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジン開発や、アプリのプロデュース、会員制オンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」運営など、さまざまな分野で活動する。予防医療普及協会理事として予防医療の啓蒙も行う。

Shigeo Horie
1960年生まれ。順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科学教授、日本Menʼs Health医学会理事長。日米の医師免許を持ち、学際的なアプローチを抗加齢医学や男性の健康医学に導入。日本のメンズヘルス分野を牽引する。

COMPOSITION=海野由利子

PHOTOGRAPH=古谷利幸

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