スポ-ツ選手の使命が試合で勝つことなら、ビジネスパーソンのそれは、仕事で成果を上げること。そんな「ビジネスアスリート」に必要な、機敏に動ける体づくりのメソッドを、五輪メダリストから、メジャーリーガー、プレミアリーガー、名だたる経営者たちまでのトレーニングも担う吉田輝幸さんが紹介する本連載。最短で最大の効果を生む最先端トレーニングを紹介する。前回に引き続き、背骨の柔軟性を高めるエクササイズ。背骨をやわらかくすることのメリットも再確認しておこう。【吉田輝幸の目指せ!ビジネスアスリート⑤】
"背骨のしなり"がパワーを生み出す
筋肉とともに骨や関節も相互的に使いながら、体の動きをインナー主導に整えていく新・体幹トレーニング。今回も、背骨の柔軟性を高めるためのエクササイズだ。クランチなどの腹筋運動にはいきなり入らずに、背骨のためのトレーニングを複数入念に行うのは、これまで使えていなかった体のインナーを起動させるため。
脚腰、腕など、体のさまざまな動作のなかでも大きく動かす部位を機能的に使うには、もととなるパワーをインナーで生み出し、アウターに伝えて動かすという体本来のメカニズムを取り戻す必要がある。その、大元のパワーを生み出すのが背骨のしなり。柔軟にコントロールできるよう、徹底改造することが不可欠なのだ。
「今回は、床に寝た状態から下半身を持ち上げる動きです。腹部前面にある腹直筋の下部に負荷がかかり、下腹部までキレのあるシックスパックをつくるのにも有効なトレーニングですが、ここでは腹筋より背骨を意識します。腰から順に背骨をひとつずつ持ち上げるようにして背中を丸めながら、下半身を巻き込みつま先が床につくまで体幹をしっかり屈曲させます。目に見える動きとしては両足が円を描くように大きく動きますが、使っているのは体幹だけ。赤ちゃんトレーニング初回に行った呼吸も同時に取り入れて、コアのパワーだけで末端を動かす感覚をつかんでください」
▼リバース・ロールアップ&ダウン
目的:インナーのスイッチを起動、インナーを使った脊柱のコントロール
部位:脊柱、背筋、腹筋
回数の目安:5〜10回
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Teruyuki Yoshida
パフォーマンス、スペシャリスト。トレーナー歴25年で数多くのトップアスリート指導からヒントを得て最短で最大の効果を出せる「コアパフォーマンス®︎」を考案し、数多くのトップアスリートやアーティスト、ビジネスパーソンのトレーニング指導をおこなっている。