GOLF

2023.10.14

インサイドアウト軌道にするだけではスライスは直らない

今回は根強いスライスの改善について。連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】

カットスライスを直すための右腕の使い方

ボールが左に飛び出し、右に大きく曲がるスライスに悩むアマチュアゴルファーは多い。

そのような球を打っている人は、ボールを強く打とうとして上からクラブをたたきつける傾向があり、アウトサイドインのスイング軌道になりやすい。このダウンスイングで上半身が先行するクセは直りづらく、一生懸命に練習をしてもなかなか改善しない。

アウトサイドイン軌道が体に染み込んでいる人は、インパクトからフォロースルーでクラブをリリースせずにフェースを開いたままスイングする傾向がある。

このようなクラブの使い方になる理由は、アウトサイドイン軌道でヘッドが走ってしまうと、フェースが閉じてボールが左に曲がってしまうためだ。そのような左へのミスを防ぐために、いつのまにかクラブをリリースしない打ち方になってしまうのだ。

このようなクセが身に付いてしまうと、アウトサイドインのスイング軌道をインサイドアウトに直しても、ボールを真っすぐ飛ばすことが難しくなる。

今までのクセのままフェースが開いた状態でインサイドアウト軌道のスイングをすると、ボールは右に飛びだし、さらに右に曲がるプッシュスライスになってしまう。

さらにプッシュスライスよりもひどいシャンクになることもあるだろう。せっかくスイング軌道を直してもボールがまっすぐ飛ばず、今までよりもひどい状態になりかねない。

そのような状況になると、結局元のアウトサイドイン軌道に戻してしまうことになり、いつまでたってもスライスが改善しないという悪循環に陥る。

ダウンスイングで右ひじを伸ばしていく

アウトサイドインのスイング軌道を直す場合、クラブのリリース動作をセットで行う必要がある。

カットスライサーはクラブをリリースできないため、ダウンスイングで右ひじが曲がった状態でクラブを下ろす傾向がある。

右ひじが曲がったままインサイドからクラブを下ろすとクラブが振り遅れてフェースが開いてしまうので、スイング軌道をインサイドから下ろす場合はこの点に注意が必要だ。

インパクトで右ひじが真っすぐ伸びるように徐々に右ひじを伸ばしてダウンスイングを行うことでクラブがリリースされ、振り遅れやフェースの開きを解消することができる。

カットスライスを直すために、右ひじの使い方を身に付けるドリルを紹介しよう。

ダウンスイングで右ひじを伸ばしていく感覚を身に付けるために、右手1本の素振りをしてみてほしい。このとき、左手を右ひじの内側に添えて、切り返しからダウンスイング後半まで右ひじが伸びるように左手で軽く押してアシストをしてみよう。

ダウンスイングで徐々に右ひじが伸びることで連動して右手首が解放され、クラブヘッドがリリースされる。インパクトの瞬間に右ひじが真っすぐになるように意識をして、クラブヘッドが走ってフェースがスクエアに戻る感覚を覚えてほしい。

最初は素振りから始めて、慣れてきたらボールを打ってみるといいだろう。

カットスライスのクセが身に付いてしまっている人は、単純にスイング軌道を直しただけではスライスを直すことはできない。右ひじを伸ばしてクラブをリリースする感覚を身に付けてカットスライスから脱却しよう。

動画解説はコチラ

■連載【吉田洋一郎の最新ゴルフレッスン】とは
世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子によるゴルフレッスン。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

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TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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