常にスコア100をオーバーしないように! ツアー通算12勝を誇り、2008年賞金女王に輝いた、 あの古閑美保プロに聞いてきた。ツアープロとしての豊富な経験に加えて、 引退したからこそ見えてきたアマチュアが上達しない原因を、 シチュエーション別に披露。 "コガミホ流"を会得し、常に100は叩かないようにしたい。アイアン編スタート!
同じミスでもダフリより、トップのほうが100倍マシ!
古閑美保先生はミスをするならダフリよりトップのほうがいいと言う。理由はボールが前に行くからとのことだがその真意をさらに聞いてみた。
古閑 私は坂田塾(坂田信弘主宰のゴルフ塾)出身だったので、スイングの基本的な考え方は打ちこむことです。だからあくまでもイメージですが、ヘッドの刃の部分をボールの真ん中くらいから入れる感じで打っています。
編集部 え? それってトップにならないんですか?
古閑 ならないですよ。ヘッドがボールに対して上から入りさえすれば。フェース面とボールの摩擦でギュルギュルギュルって飛んでいくイメージです。上から入ればトップ気味でも前に飛んでくれます。ダフりは絶対にダメ。
編集部 ボールに対してきれいにヘッドを入れるものだと思っていました。
古閑 そこが大きな勘違いなんです。ロフトどおりにボールの下にきっちりヘッドを入れようとするって、下のBADのようなイメージですよね。これってダフっているんですよ。それにこのようなインパクトイメージを持っていると、スイング自体があおり打ちになりやすい。だからダフりになるんです。このイメージでナイスショットが出るのはたまたまだと思ってください。
編集部 なるほど! 古閑先生は坂田塾の時にどの番手でよく練習していたんですか?
古閑 6番アイアンですね。理由は坂田先生が14本の中心のクラブで打てるようになれという教えだったので。でも今は8番アイアンがいいと思います。ユーティリティなどが進化したことでクラブ構成も変わっていますし、6番アイアンだと長さがあるので難しい。それにアイアンだけで考えれば8番が真ん中くらいですからね。
【古閑先生のGOODイメージ】
【古閑先生のBADイメージ】
ダフらないためのセットアップ
スタンス幅は基本的に両肩よりも少し広い程度。これを基本に番手によって微調整するといい。広げすぎると身体の左右の動きが大きくなるし、狭すぎるとバランスが悪くなる。
重心は左足寄り。イメージは6対4で左足加重にしている。現役時代は5対5だったが、今はクラブやボールが進化して飛ぶようになったので、左右の体重移動がそれほど必要ではなくなったという。
身体を回転させるだけで体重移動は十分
左足加重にしておくことで、軸が安定する。テークバックで右サイドに身体が流れないように両足の内側に力感を持たせておくことがポイント。また左寄りに軸を感じておくことで、クラブが上から入りやすくなる。セットアップが正確にできなければ結局ダフりが出てしまう。
イメージはその場で身体を回転させる感じ。頭が左右に動かなくなると、スイングの再現性が高まるため、いつも同じ角度でボールにコンタクトすることができる。
以前は右足にテークバックで体重を移動させながら身体を捻転させていた。反復性は落ちるし、身体が左右に動くので、入射角が微妙にずれることがある。