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GOLF

2023.08.10

3m以内のパットは外さない! 2023年全英覇者の強靭メンタルの理由【動画解説付き】

2023年全英覇者ブライアン・ハーマンとは? 生い立ちとアマチュアの参考になるスイング技術をティーチングプロ・吉田洋一郎が解説する。

全英オープンでメジャー初優勝したブライアン・ハーマン

アウェーの洗礼を跳ねのけメジャー初制覇ブライアン・ハーマンとは

英国の名門、ロイヤルリバプールゴルフクラブで開催された全英オープンは、2日目から首位に立ったブライアン・ハーマンが、2位に6打差をつける13アンダーでメジャー初優勝を飾った。

ブライアン・ハーマンは、日本のファンにはなじみのない選手かもしれない。ハーマンはすでに中堅の域にはいった36歳のPGAツアー選手で、今回の全英制覇がツアー3勝目と決して華々しい戦歴があるわけではない。しかし、今シーズンはトップ10入りが6回、2017年には全米オープンで2位に入った経験もある実力者だ。

ハーマンの身長は170センチで、PGAツアー選手の中では小柄な部類に入る。飛距離では大柄でパワフルな選手に劣ってしまうが、それでも下半身を積極的に使って飛距離を出している。

一方で、パッティングやショートゲームを得意としており、全英オープンでは4日間で10フィート(約3メートル)のパッティングを59回中、一度しか外さなかった。絶対にショートしない強気なスタイルが持ち味だ。

ハーマンは子供の頃、米・ジョージア州のゴルフ場のすぐ隣に住んでいた。しかし、サッカー好きな父親と、トライアスロンに挑戦していた母親はゴルフには興味がなく、ハーマンも野球少年だったという。

そんなハーマンがゴルフに興味を持ったのは12歳の頃。

本来は右利きだが、野球が左打ちだったのでゴルフも左打ちになった。そこからみるみる上達し、ジュニア時代に活躍すると、名門のジョージア大学に進学。大学でも活躍し、2009年には当然のようにプロに転向したが、最初はスランプに陥って下部ツアーなどで腕を磨いた。PGAツアーのシード権確保は2012年と苦労の多いスタートだった。

また、ハーマンは狩猟を趣味にしていることで知られる。

インスタグラムでは、仕留めた大きなシカの写真を上げていたりもする。8歳のときにシカの皮をはぐ方法を教わるなど、子供の頃から父親と狩猟に親しんでいたそうだ。忍耐力や強気なパッティングを支えるメンタルの強さは、狩猟を通じて身に付けたものなのかもしれない。

全英オープンでは、米国人のハーマンは知名度が低いこともあってアウェーの洗礼も受けた。

5打差で最終日を迎えたものの、後を追うのはイングランド出身のトミー・フリートウッド、北アイルランド出身で2014年全英覇者のロリー・マキロイ、スペインのジョン・ラームとヨーロッパで人気のある選手ばかり。

実際、「最後は崩れて、マキロイやラームに勝利を奪われるだろう」という見方が多く、ハーマンのミスを期待するような雰囲気も観客のなかにはあった。プレー中には「ハーマンに勝機は無い」というギャラリーの声も耳に届いたという。

そうしたプレッシャーを跳ねのけ、次々と難しいパットを決めたのは狩猟で鍛えられたメンタルの賜物だろう。

効率的なスイングのポイントは左足の使い方

PGAツアー選手の中で小柄な部類のハーマンが戦い続けてこられたのは、パッティングやショートゲームの正確さはもちろん、体を効率的に使ったスイングによって体格差を補ってきたことが挙げられる。

効率的なスイングのポイントは、ダウンスイングでの目標側の足の使い方にある。

ハーマンはダウンスイングで体を沈み込ませて地面を押し、その反力を使ってスイングをしているため、小柄でも飛距離を出すことができる。目標側の足に関しては、ハーマンは左打ちなので右足になるが、右打ちのゴルファーの場合は左足になるため、今回は左足での表記で統一したいと思う。

スイング中に足を効率的に使うためには、自分の意志で動かせるようにするためのトレーニングが必要だ。特にダウンスイングにおいて左足を積極的に使う必要があるが、最初はシャドースイングやトレーニングから始めるのがお薦めだ。

まず、アドレスの状態から右足を引き、左足に体重をかけて片足スクワットのように沈み込む動きをしてみよう。

右足はつま先立ちをするようにして体重をかけず、左膝が前に出ないように気を付けながら、おしりを後ろに突き出すようにして腰を落とす。このダウンスイングで左足を踏み込む動きをマスターすることで、地面反力を使ってスイングすることができるようになる。

このドリルで左足を踏み込むイメージがつかめたら、次は両足をそろえて立った状態から、左足を目標方向に一歩踏み込んで腰を落としてみよう。さきほどのドリルと同じように、左膝が前に出ないようにおしりを後ろに突き出すようにしてほしい。

この動きに慣れてきたら、右手をトップの位置にあげた状態から、左足を踏み込みながらダウンスイングの動きをしてみよう。このシャドースイングを行うことで、左足の動きに連動して右手が降りてくることがわかるはずだ。

慣れてきたら同様に左手を上げた状態でも試してみよう。ダウンスイングの左足の踏み込みに合わせて手元を下ろす感覚がつかみ、下半身主導のダウンスイングを行ってほしい。

ダウンスイングで手や腕を振り下ろすのではなく、下半身の動きによって自然に下りてくることが重要だ。下半身の動きを身に付けることで、ハーマンのように体格をカバーするスイングを身に付けてほしい。

動画で解説

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=AP/アフロ

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