関節の動きに即した正しい動き方をマスターすれば、ゴルフをしてもカラダに負担をかけずにケガを未然に防ぐことができる。健康的なゴルファーを目指すために、アスリートのサポートも行なっているアスレティックトレーナーの鈴木岳氏にコンディショニングについて話を聞いた。※アコーディア・ゴルフ×ネクスト・ゴルフ・マネジメントのゴルフメディア「SHIBAFU」の提供記事。
胸椎と股関節を上手に動かせていない
腕を真っ直ぐ頭上に伸ばすことができなくなると、人は上体を後ろに反らしてでも腕を伸ばそうとする。それを繰り返すと腰痛を誘発することに。
「そこで腰痛を治すために、腰のストレッチやマッサージをしますが、そもそもその腰痛の原因は“腕を真っ直ぐ上げることができない肩の可動域の制限”なんです。肩の可動域が狭くなっている原因を理解して、改善しなければ、腰痛はいつまでも解消しません」
このようにカラダの痛みの本当の原因や、さらには自分自身のカラダの正しい動かし方を知らないため、多くのアスリートやアマチュアゴルファーはケガに悩んだり、パフォーマンスアップに伸び悩んだりしているのではないか……と鈴木氏は注意を喚起する。
「人はカラダが痛くなったら病院に行く。能力をアップさせたい場合は、ジムなどへ行ってトレーニングします。問題は、Medical(医療)とTraining(筋力・パワー・スピード)がリンクせず、別々になってしまっていることです」
アマチュアゴルファーは日頃、ゴルフの飛距離やスキルアップのために一生懸命練習し、腰や膝が痛みだした時だけ病院や整体院に駆けこみがちだ。これではケガの根本的な改善にも、パフォーマンスアップにもつながらない。
「Medical(医療)とTraining(筋力・パワー・スピード)を同時に考え、実践するのが理想だと思います。そのふたつをつなぐのが、R-bodyが推奨する『コンディショニング』なんです。コンディショニングはスポーツでよい結果を出すことはもちろんですが、特にアマチュアアスリートの方には日常生活をケガなく良好に過ごすために有効でもあります」
ゴルファーは「腰が動かない」「腕が上がらない」「上半身が回らない」など、いつも多くの悩みを抱えている。
「ゴルファーが抱える多くの悩みの原因は、胸椎(きょうつい)と股関節を上手に動かせていないからでしょう。逆に言えば、このふたつを正しく上手に動かすことができれば、健康的に日常生活を過ごせ、しかもスコアアップにもつながるのです」
具体的な胸椎と股関節を正しく動かすためのコンディショニングメニューは次の記事で紹介する。
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Illustration=叶雅生