世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎。顧客の多くが国内外のエグゼクティブ、有名企業の経営者という彼による、スコアも所作も洗練させるための“技術”と“知識”を伝授する最新ゴルフレッスンコラムをまとめて振り返る。まだまだ厳しい寒さが続くが、ゴルフシーズン到来に向け、コソ練を積み重ねてスコアアップを目指したい。
アマチュアゴルファーは要注意――アドレスで3秒以上止まっていないか?
ラウンドレッスンなどでアマチュアと一緒にプレーをすると、「さすがにプロはプレーが早いね」と言われる。「技術もあるし悩みが少ないから?」なんて言われることもあるが、とんでもない。上手い人はもっといるし、私だって思い通りにいかないときもある。ただアドレスに入ったら考えない。それだけだ。
プレーの遅い人のほとんどはアドレスの時間が長い。具体的にはスタンスやグリップを決めてアドレスに入った段階から5秒しても始動していない人は遅い部類に入るといってよいだろう。そういった人たちは、アドレスに入ってからも、体のポジションやスイングの動きについて考えている。思考すること自体は悪いことではないが、それはアドレスに入る前にやっておくべきことだ。プレゼンを始めた直後に、資料の出来不出来について考える人はいないだろう。プレゼンが始まれば内容を簡潔に思いを込めて伝えることに終始するはずだ。スイングもそれと同じにすべきだ。
体の動きや狙いに関してはセットアップする前に確認して、素振りの中で終わらせておこう。これだけでもアドレスの時間はかなり短くなるはずだ。
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インパクトでゴルフボールを見るのか? 見ないのか?
ゴルフは止まったボールを打つスポーツだ。そしてボールの位置もアドレスで調整することができる。
だから一度セットアップしてしまえば“ボールを見るべき理由はない”と言える。ボールの動きを予測しながら、それにアジャストして体を動かす野球やテニスとは違うのだ。
だから、プロの中でもインパクトでボールを見ていない選手は何人もいる。リオデジャネイロ五輪で銀メダルを獲得したヘンリク・ステンソンや米女子ツアーで通算72勝を挙げたアニカ・ソレンスタムは、インパクトでは早めに顔を上げるため目線はボールより左側を向いている。極論するとトップランクの選手たちは目をつぶっても同様のショットを打つことができる。スイング軌道の中でボールをとらえるため、インパクトでボールを凝視する必要はないのだ。
ではなぜアマチュアは「ボールを見ろ」と口酸っぱく指導されるのか。それはボールを見続けることで前傾角度がキープできたり、軸の意識を持つことができるので体の不必要な動きを抑えられるからだ。飛んでいくボールを前傾角度のまま見ることができずに、すぐに目線を地面と平行にしてしまって前傾角度が変わる人には有効なアドバイスだろう。
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ゴルフで全ショット成功は不可能、自分への期待値を下げろ
あなたはどれくらい自分のショットに満足しているだろうか。アマチュアとラウンドをすると自身で「これはうまくいった」と納得しているショットはハーフで2、3回程度かなと思う。95%以上は、その内容に悔しがり納得がいっていないということになる。
成功イメージを持つことはとても良いことだが、それは結果に期待するという事ではない。成功イメージを持ち準備をしてショットに臨む。しかしそのあとの結果はコントロールできるものではない。
ボールを打つことを職業にしているプロでさえ、自分の納得できるショットが90%もあるなどという事はない。よくても3割、厳しいプロならラウンド中に1回あるかどうかという程度だろう。毎日ボールを打っているプロですら思い通りにいかないのに、アマチュアは自分に過度な期待をしてしまう傾向がある。過度に成功イメージにとらわれそれ通りのパフォーマンスが出ないと、残念がったりイライラしたりしてしまう。
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