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2021.11.13

左足を踏みこんだままでは地面反力は使えない【動画】

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム167回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

【地面反力を上手に使うための、左足を踏み込むタイミングとは】

地面反力を上手に使えば、非力なアマチュアでもボールを遠くに飛ばすことができる。そう聞いて、自分も地面反力を使ったスイングを身に付けようと考える人は少なくないだろう。しかし、せっかく取り組んでみても「遠くに飛ばない」どころか、「ダフってばかりでまともに当たらない」と諦めてしまう人もいるかもしれない。

地面反力をうまく活用できない人は、ダウンスイングで左足を踏み込もうと頑張るあまり、インパクトで左膝が曲がったまま目標方向に流れている人が多い。ボールを打つ瞬間に地面を踏み込んだ状態だと、力が伝わりそうな気がするが、それでは地面からの反力を使うことはできない。むしろ、左足を踏み込んだままだと、身体の回転が阻害され、クラブのリリースができなくなりダフってしまう。そもそも地面反力というのは、「地面を押して返ってくる力」なので、押し続けていては何も返ってこないため反力の恩恵を受けることができない。

PGAツアーの選手であるジャスティン・トーマスは、インパクトの瞬間、左足が地面から離れ、ジャンプしているような状態になっている。トーマスほど極端に行う必要はないが、ダウンスイングで左足を踏み込んだ後、その反力で左膝が伸び、左股関節が切れ上がっていくイメージを持つことが大切になる。地面反力を適切に使ったスイングでは、トーマスのように、インパクトの瞬間に反力によって左サイドが伸びている状態になるのが正解だ。

【バックスイングの途中で踏み込み始める】

地面反力を適切に使ったスイングでは、左足を踏み込んだ後、地面から受けた力が上に向かっていくのだが、この力によって左サイドが伸びていく動きを「抜重」という。この抜重をイメージするためにジャンプをするときの動作をイメージしてほしい。ジャンプ動作では、体の重心を下げて地面を押し、飛びあがった時に自分の身体が軽く感じると思うが、この時の浮き上がる感覚をイメージしてほしい。この抜重は習得が難しく、しっかり動作をイメージしている人でも、左足に必要以上に体重がかかったままボールを打ってしまうことがある。

抜重がうまくできない原因は、ダウンスイングで左足を踏み込むタイミングが遅いことにある。左足を踏み込むタイミングが遅いと、抜重の動きが間に合わずにインパクトの瞬間を迎えてしまう。左足の踏み込みが遅い人は、ダウンスイングでクラブが下りてから左足を踏み込む傾向があるが、そのタイミングだとインパクトまでに抜重が間に合わずに加重したままボールを打つことになり、反力の恩恵を受けることができない。

このように左足の踏み込みが遅い人は、バックスイングで左腕が地面と平行になったあたりで左足を踏み込んでほしい。「クラブがトップに達していないのに、左足を踏み込むのは早すぎるのではないか」と思う人もいるかもしれないが、腕が惰性でトップまで上がり続ける間に左足を踏み込むことで、ちょうど腕がトップの位置に達したときに切り返す形になる。そして、ダウンスイングで左腕が地面と平行になる前に踏み込み動作から抜重へと移行し始めることで、力を最大限ボールに伝えることができる。

左足を踏み込むタイミングをうまくつかめない人は、左足のヒールアップを行ってタイミングを覚えるといいだろう。始動したらすぐに左足のかかとを上げ、バックスイングで左腕が地面と平行になったタイミングで左足かかとを下ろし始める。かかとの上げ下げを使って、左足を踏み込むタイミングをマスターできれば、力強いボールを遠くまで飛ばせるはずだ。

ゴルフスイングは、説明を聞いてすぐにできるようなものではなく、身に付けるまでには地道な練習が欠かせない。これは地面反力に限らずどんな技術でも同じことで、取り立てて地面反力を使うことが難しいわけではない。是非、地道に練習をして左足を踏み込むタイミングを身に付け、飛距離アップを実現してほしい。

 

 

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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