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GOLF

2021.10.15

右足を踏ん張ってバックスイングしてはいけない【動画】

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム163回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

【右足の頑張りは前傾角度キープを難しくする】

20年ほど前、当時の日本のゴルフ界では体重移動を積極的に使うスイング理論が主流だった。そのため、私も横方向への体重移動を重視して、バックスイングで右足にかけた体重をいかに左足に移動させるかということに腐心していた。グッと右足に体重をかけて沈み込むと、いかにも力強いスイングに感じたし、右から左への体重移動が爆発的なパワーを生み出すと思っていた。しかし、科学的なスイング解析が進んだ現代では、横への体重移動はそれほど力を生みだすことができないことが分かっている。右足にため込んだパワーを目標方向に移動させるより、力を上下方向や垂直軸回転に使う方が大きな力を生み出す。

かつての私のように横への体重移動を過度に行うことで、スイングの再現性を低くしてしまっている人は多い。よく見られるのは、バックスイングで右足を踏ん張って地面を押し続け、ダウンスイングで体が起き上がってしまっている人だ。その結果、ダウンスイングで前傾姿勢をキープできず、クラブが振り遅れてプッシュアウトやダフリ・トップが出てしまう。バックスイングで重心を低くして右足に力をこめて地面を強く踏み込むと、いかにも力感があって、パワーが蓄えられるような気がするのかもしれない。しかし、右足を踏ん張ってバックスイングを行うということは、右足で地面を強く押し続けている状態だ。バックスイング中、ずっと地面を押し続ければ、ダウンスイングでその地面反力が返ってくるため上方向に力が向かい、体が浮き上がって前傾角度も崩れてしまう。ダウンスイング初期では左足で下方向に地面を押す必要があるが、その動きを妨げるだけではなく、上方向の力によって体が浮き上がってしまうのだ。バックスイングでは力をため込むのではなく、ダウンスイングで下方向に力を向かわせるための準備をしなければならない。

【力は左右ではなく、上下に移動する】

バックスイングにおいて右足で地面を押し続けると、切り返しでうまく左足を踏み込むことは難しい。ダウンスイングで左足を踏み込む動作を行いやすくするためには、バックスイングで上方向に力を向かわせておく必要がある。バックスイングで力を上に向かわせるために、始動で右足を一瞬踏み込み、その反動で右膝が徐々に伸び、右股関節が切れ上がる動きに合わせてクラブを上げていく。下半身によって上に力を向かわせ、ダウンスイングで下に力を向かわせるための準備をするのだ。

「上下動をしたら下半身がグラグラして安定しないのではないか」と心配になる人もいるだろうが、飛距離を出すためには「縦の地面反力」を使った上下動が大事になる。実際、PGAツアーで活躍するジョーダン・スピースやダスティン・ジョンソンといったトップ選手のスイングを見ると、バックスイングで右膝が伸びているのがわかる。バックスイングで右サイドが高い位置にあることで、ダウンスイングで下方向へ力を向かわせやすくなるのだ。

ヨーロピアンツアーナンバー1コーチのピート・コーウェンが提唱するスパイラルスイングでも、バックスイングで力を上に向かわせ、ダウンスイングからは下へぶつけていくと教えている。むしろ、今のPGAツアーの選手で、バックスイングで重心を低くして右膝の角度をキープしながらスイングする選手は少数派となっている。

地面反力を効率的に使ってスイングしようと思ったら、従来の指導のようにバックスイングで頭を動かさず、膝の角度を保っていてはかえって逆効果になる。バックスイングの始動で右足を踏み込んだあと、いったん抜重して上に向かって伸び上がり、その後下方向に向かって左足を踏み込むという動きを身に付けることが大切だ。この上下の動作は下半身で行うようにして、前傾角度はキープするように気をつけてほしい。

練習方法としては、重いメディスンボールなどを下から上に向かって両手で放り投げるような動きをマスターするといいだろう。この時、自分の真上ではなく右斜め上に投げるようにしてほしい。左腕が地面と平行になったあたりでメディスンボールをリリースすることで、バックスイングの上に向かう力を使ってボールを投げることができる。リリースのタイミングが遅いと腕を使って投げることになるため、オーバースイングの原因になるので気をつけたい。上半身だけでボールを放り投げるのではなく、下半身を使い全身で力を上に向かわせることで重いボールでも投げることができる。この動作をクラブを持って行うと、バックスイングでクラブがスムーズに上がる感じがするだろう。さらにダウンスイングでも左足を踏み込む動作をしやすくなり、地面反力を使ったスイングをすることができるようになる。

この練習の注意点としては、下半身はアクティブに使っていいが、上半身がのけぞったり、前傾角度が崩れないようにしてほしい。下半身は伸びてもいいが、上半身は伸ばさないのがポイントだ。

最初は力感のないバックスイングが物足りなく感じるかもしれない。しかし、この感覚が身につけば、上手に地面反力を使えるようになり、飛距離アップを実現することができるだろう。

 

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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