GOLF

2021.02.26

脱手打ち!ドライバーで真っ直ぐ飛ばすためのシャドースイングとは?

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム131回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

場所を選ばず効果抜群なシャドースイング

先日、90台でラウンドするという40代男性のAさんから「ドライバーショットでボールをまっすぐに飛ばすためにはどうすればいいですか?ラウンドで3回はドライバーショットでOBを打ってしまって、本当に毎回うんざりしています。効果的な練習はないですかね?」という切実な相談を受けた。Aさんは調子がいいときは、ドライバーでまっすぐ240ヤードほど飛ぶが、ボールが曲がり始めるとフックもスライスも出て手が付けられなくなるという。

Aさんのスイングを見てみると、ダウンスイングのクラブ軌道はインサイドから下りてきており、球筋もドロー系で一見すると良さそうなスイングに見える。しかし、バックスイングで腕の運動量が多く、トップの位置もオーバースイング気味のため、振り遅れればプッシュアウト、腕の振り戻しが強ければプルフックという具合に、腕を振るタイミング次第で右にも左にもボールが曲がってしまう。このようないわゆる「手打ち」の癖が、ゴルフ歴10年のAさんの体に染みこんでいたため、ボールを打つ練習では手打ちを解消するのは難しいと考え、敢えてボールを打たないシャドースイングをお薦めした。

シャドースイングはクラブを持たずにスイング動作を行う、場所を選ばずにできる練習方法だ。クラブを持ってしまうと、どうしても手や腕を意識してしまい、体全体を使った動きの意識がおろそかになってしまう。しかし、シャドースイングならクラブを持たないため、手先に意識が向くことがなく、余計な力も入らない。そして、体の動きに合わせて腕を動かすことで、体と腕の同調性を高め、腕の振りに頼らずにスイングする感覚を養うことができる。

Aさんのような腕の運動量が多くてボールが曲がる人や、オーバースイングの人にはぴったりな練習だ。体を回転させる感覚が身につかず、手や腕でクラブを振ってしまう人はシャドースイングに取り組んでほしい。

「前ならえ」の形を崩さない

シャドースイングといっても、クラブを握っているようにグリップの形をつくる必要はない。アドレスでは、腕を「前ならえ」のように真っ直ぐ前に伸ばし、脇を軽く締め、そのまま腰から前傾姿勢を取る。そこから「前ならえ」の形を崩さないように、肘を曲げないようにスイング動作を行う。スイングの大きさはバックスイング、フォロースルーともに腕が地面と平行になるところまで上がれば十分だ。大きくスイングしようと、無理に体をねじり上げる必要はない。

腕や手でクラブを振る癖がついている人や、体の運動量が少ない人は「前ならえ」の形をキープできず、バックスイングで右わきが開いたり、フォローで右手が左手を追い越したりして、両腕がバラバラに動いてしまう。両手の間隔が広がったり、狭くなったりしないように一定の間隔をキープすることが大事になる。

体と腕のシンクロをキープしてシャドースイングをするには、体と腕の運動量のバランスが大切になる。多くのアマチュアゴルファーは腕の運動量が多く、体の運動量が少ない傾向があるので、腕は体の前にキープする意識だけを持ち、胸や背中を動かして体を回転させるようにするといいだろう。胴体が動いた分だけ腕が動くという感覚は、最初は窮屈でロボットのようになった気がするかもしれない。しかし、今までが腕が自由に動きすぎていたから窮屈に感じるだけで、慣れてくればその感覚がしっくりくるようになる。

シャドースイングの練習をするときは鏡の前に立ち、両手の間隔がキープできているか確認しながら行ってみるといい。慣れてきたらスピードを上げて、連続してスイングをしてみよう。通常と同じスイングスピードでも両手の間隔が変わらなければ、クラブを持ってスイングをしても体と腕のシンクロが保てるだろう。

今回ご紹介したシャドースイングは、デスクワークの合間に行うことができるちょうどいいエクササイズなので、体力強化とスイング向上の一石二鳥の練習になる。これから春のゴルフシーズンに向けて、合間を見つけて行ってみてはどうだろうか。地道にシャドースイングを行うだけで、ラウンドの結果は大きく変わってくるだろう。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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