ゴルフ歴1年で70台に突入した大塚友広さんのゴルフ論とは。短期連載「スモールスイング・レボリューション」7回目。
遠心力を理解して脱力できれば、スイングは完成する
ドライバーのみならず、アイアンショット、アプローチショット、パッティングなど、すべてにおいてスタートにはポイントがあることにも気がつきました。
アドレスからテイクバックに向かうポイントをスイングのスタートとすると、遠心力に逆らってしまうことが多く、スイングがスムーズに行えません。ですので、アドレスの状態をスタートにするのではなく、テイクバックの頂点をスイングのスタートと定義することで、より安定したショットが生まれるようになるのです。
これは、ドライバーからパターまですべてに共通している内容で、遠心力に逆らわずにスムーズにボールに力を加えるために発見した考え方です。
アドレスからテイクバックの頂点まではあくまで助走です。スイングは始まっていないという意識を持つことが大切です。そして、テイクバックの頂点からがスイングのスタートです。
さらに言うと、アイアンショットとアプローチショットでは、テイクバック(助走のさせ方)にもポイントがあります。
「アイアンはテイクバックの30センチ」
「アプローチはテイクバックの15センチ」
スイングのスタートはテイクバックの頂点で変わりありませんが、スイングのスタートに向かうまでの考え方として、アイアン、アプローチの場合はスイングのスタート地点までの助走路で「まっすぐ引く」という意識を強く持つ必要があります。
しかし、インパクトを中心に考えた時、アイアンのインパクトはドライバーほどインパクト後を意識する必要はありません。比較的強くたたきにいっても、ドライバーほど大きく右に曲がるリスクはありません。
円のサイズはドライバーに比べると圧倒的に小さく、身体のより近くで縦の円運動が求められます。
スイングのスタートに向かう助走路30センチをまっすぐ引くという意識を持つだけで、スムーズなスイングのスタートを迎えることができます。そして正しい縦の円運動を描きやすくなるのです。
アプローチもアイアンと同様の考え方ですが、より小さな円運動になるため、アドレスから打ち出し方向に対してまっすぐ15センチの助走路を意識することで、正しい円運動に乗せられて、よりよいスタート、そしてインパクトを迎えられます。
アイアンとアプローチの場合、より繊細な動きが求められます。ゴルフクラブは多くの方が考えている以上に重く、遠心力の影響を強く受けるものです。そのなかで、より細かい狙い所など繊細な動きが必要なクラブだからこそ、スイングのスタート前の動きが重要になるのです。
Tomohiro Otsuka
群馬県富岡市生まれ。独学でゴルフ理論を構築し、1年でベストスコア70台前半に到達する。オンラインゴルフコーチング「Natural Works Golf」も主宰。著書に『マンガで身につく! 普通のビジネスマンがゴルフ歴たった1年でスコア70台を出したメソッド。』『新装版 ゴルフはインパクトの前後30cm』『新装版 スモールスイング・レボリューション ゴルフ歴1年で70台に突入できる30cmトレ』がある。