GOLF

2019.12.27

冬に差をつける、インドアゴルフ練習場活用法

世界No.1のゴルフコーチ、デビッド・レッドベターの愛弟子・吉田洋一郎による、最新ゴルフレッスンコラム76回目。多くのアマチュアゴルファーを指導する吉田洋一郎コーチが、スコアも所作も洗練させるための技術と知識を伝授する。

吉田洋一郎

スイングづくりは冬にやったほうがいい理由

エリアにもよるが外気温が15度を下回ってくると、練習場へ通う人の足が重くなる気がする。ラウンド前でも気温が下がるほどレンジに向かうのが面倒に感じる人もいるのではないだろうか。

コーチの立場からすると、寒いからといって一冬クラブを振らずに過ごすことはおすすめできない。練習量が多いプロは意図的にボールを打たない時間を作ることで、精神的なリフレッシュをしたりゴルフの方向性を再確認したりしてオフシーズンを過ごすことがある。しかしアマチュアは、絶対的な振り込みの数が少ないため、クラブを振る回数を減らすことは土台の崩壊につながる。かといって嫌がる頭と体にムチ打ち、極寒の中練習場に行こうとは言わない。モチベーションが低い中で練習をしても、得られるリターンは少ないからだ。そこでおすすめしたいのがインドア練習場だ。

以前はスタジオにいるコーチにレッスンを受けなければ、そのインドア練習場を使えないところが多かったが、最近では「練習のみもOK」という場所が増えている。インドア練習場は、ボールの行方が見えないから不安(もしくは意味がない)と思っているアマチュアは意外と多い。しかし実はそれこそが最大のメリットでもあるのだ。ボールの行方が見えていると、その打球で自分のスイングを判断しがちだ。偶然真っすぐ行ったボールも、「今、●●の動きを気にしたからよかったんだ」と都合のいい解釈しがちだ。これを繰り返すと上達への遠回りとなる。ボールの行方が見えなければ自分の動きに集中できる。「飛んだ、寄った」という結果に左右されず、スイングの作りこみという過程部分に集中できるのだ。

始める前に目標設定を明確にして

インドア練習場は、解析機やシミュレーターのグレードなど設備面をアピールしているところが多いが、大事なのはいつでも通えるという点だ。設備が充実していることに越したことはないが、打とうと思ったときに行けることが何より重要だ。だから選ぶ際は、家や職場からの近さ、そして打席数がポイントになる。「飛んでいくボールを見る」という、楽しみの一つがないため、「寒いし、遠いし」というネガティブな感情に支配されがちだ。それを拭うには、最初から言い訳になりそうな事を排除しておいたほうが良い。

練習は「寄った、飛んだ」という結果が見えないので、飽きがちになる。だから練習前にやる事を明確にしておこう。

例えばアプローチが苦手でフォームを改善したいと仮定してみよう。

アプローチを上達させる

しっかりフェース面に当たる確率を上げる

再現性を高めるために手先を使わずに体の回転で打つ

片手打ちで体と腕の同調性を高める

20ヤードの距離の片手打ちを両手20球ずつ行う。

両手でターゲットを想定してアプローチ練習を30球行う

このようにやりたいことから、やらなければならないこと、練習内容をブレイクダウンして決めていく。寒い冬、クラブを振らずにレベルダウンするか、室内練習場で一皮むけるかはあなた次第だ。

TEXT=吉田洋一郎

PHOTOGRAPH=小林 司

COOPERATION=取手桜が丘ゴルフクラブ

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