FASHION

2026.05.19

ドルチェ&ガッバーナ、アルマーニ、プラダ…2026秋冬ファッション詳報5選【ミラノ編】

2026 Autumn&Winterファッションウィーク詳報のミラノ編をお届け。【特集 ジェントルマンの流儀】

2026秋冬ファッションウィークミラノ

革新よりも実用。今を生きる男性のための服

劇的な変化はなくとも、男性服の魅力は繊細なエレメントで伝えることができる。細部へのこだわりは純粋な個性となる。一見しただけで衝撃を受けたり、歴史に残るような革新的なデザインはないかもしれないが、今季のミラノやパリではフォーマルをベースに、時にストイックに、時に遊び心を混ぜながら、自由なスタイルの提案が多く見受けられた。

ブランドやデザイナーは革新性を持って、不確実な未来に対して闇雲に進むのではなく、具体的かつ合理的で実用性の富んだアイテムで自らの意識や現在のムードを主張し、今を生きる男性のための服を提案する。それは、移り変わりの激しいトレンドや数値では計ることができないリアルにフォーカスすることにつながっている。そこにどのように独自性を育ませるかが醍醐味となっているようだ。

ネック周りやボリューム感、そして小物でのアクセント……。至極当然のものに捻りを加える。今季のコレクションからは、洋服そのものの在り方を自他に問いかけるアプローチへの変容が感じられた。

1.ドルチェ&ガッバーナ|クラシックな美学を現代的な感覚で表現

今季は、男の肖像を主軸に古典的な美学に基づきながら、現代的な感覚で再解釈されたエレガンスを表現したドルチェ&ガッバーナ。力強さを感じさせるショルダーのフォルムや構築的でエッジの効いたラインは、どれもストイックでブランドの原点にある男性像を想起させる。深いベルベット、緻密なウール、マットなシルクなど、多彩で上質な素材が陰影を強調し、重厚感のある色調を取り入れ、ルネサンス絵画のような陰影を表現した。ランウェイを歩くモデルたちが纏うことで、生きた肖像を表現している。

2026 Autumn&Winter:ドルチェ&ガッバーナ

2.ジョルジオ アルマーニ|柔らかさと充実感はブランドの真髄である

創業者であるジョルジオ・アルマーニが逝去後、新体制となった今シーズン。ジョルジオ アルマーニの重要なエッセンスである柔らかいテーラリングが際立つ。肩の力が抜けたノーカラージャケットと流動的なシルエットのパンツ、なめらかな質感のシャツ、敢えて緩く巻いたネクタイ、ハットを合わせ、軽やかながら品のいいスタイル。リラックス感のある日常着でありながら、成熟した大人の男性の休日からフォーマルシーンまであらゆるシチュエーションに対応する真の意味での充実感を得られるコレクションとなっている。

2026 Autumn&Winter:ジョルジオ アルマーニ

3.プラダ|ラグジュアリーの定義を考古学的視点で広げる

過去の遺物を再解釈した「使い古された美」を主題に、考古学的な視点でシワ加工や折り目がついたシャツ、クタクタのニットなど、敢えて不完全な状態を表現。細身のシングル、ダブルのオーバーコートはどれも洗練されており、ベージュ、ブルーのギャバジン、さらに鮮明な色合いのケープを重ねたスタイルも次世代を示唆している。完璧ではない「不完全さ」を敢えて表現する手法に目を向けたプラダは流石と言ったところ。日常に寄り添うだけではなく、ユニークな視点で現代のラグジュアリーの定義を更新している。

2026 Autumn&Winter:プラダ

4.ラルフ ローレン|アメリカントラッドに自流の崩しを効かせる

22年ぶりにミラノでの発表となったラルフ ローレン。英国の伝統的な要素を米国流に再解釈し、アメリカントラッドやスタイルのコアが明示されている。パープル レーベルに見られるような、上質を極めたスーツやコートなど、細部までこだわり抜かれたエレガンス、スポーティ要素、1990年代風の造形、現代のヴィンテージシーンの定番を中心に、腰に巻いたダウンジャケットやマフラー、バッグなどでポップな印象を与えるなど、正統派の着こなしにラルフ ローレン流の崩しが巧みなバランス感覚を演出している。

2026 Autumn&Winter:ラルフ ローレン

5.ゼニア|クローゼット内に広がる贅沢な素材と日常の快適さ

あらゆる境界線を飛び越え、世代や性別を超えて共有できるワードローブを標榜した今シーズンのゼニアは、機能性と華麗さの折衷型のスタイルを提案していた。性別や年齢などの枠に縛られず、家族間でも共有され、代々受け継がれていくクローゼットがものづくりのテーマとなっている。そのうえでウェアでは、リラックス感のあるテーラリング、最高品質のオアジカシミアなどの素材への極限的なこだわり、季節感の感じるカラートーンが溶けこみ、素材の贅沢感と日常の快適さを見事な融合が成されている。

2026 Autumn&Winter:ゼニア

【特集 ジェントルマンの流儀】

この記事はGOETHE 2026年6月号「総力特集:ジェントルマンの流儀 Tied-Up or No-Tie?」に掲載。▶︎▶︎ 購入はこちら

TEXT=関口究

PICK UP

STORY 連載

MAGAZINE 最新号

2026年6月号

会員制への誘い

最新号を見る

定期購読はこちら

バックナンバー一覧

MAGAZINE 最新号

2026年6月号

会員制への誘い

仕事に遊びに一切妥協できない男たちが、人生を謳歌するためのライフスタイル誌『ゲーテ6月号』が2026年4月24日に発売となる。総力特集「会員制への誘い」では、最新の会員制クラブをご紹介。ファッション特集「Tied-Up or No-Tie?」では、Vゾーンに着目したお洒落の流儀をお届けする。表紙はKis-My-Ft2・玉森裕太。

最新号を購入する

電子版も発売中!

バックナンバー一覧

GOETHE LOUNGE ゲーテラウンジ

忙しい日々の中で、心を満たす特別な体験を。GOETHE LOUNGEは、上質な時間を求めるあなたのための登録無料の会員制サービス。限定イベント、優待特典、そして選りすぐりの情報を通じて、GOETHEだからこそできる特別なひとときをお届けします。

詳しくみる