時にファッションとして、時にシンボルとして、またはアートに、ジュエリーを身につける理由は、実にさまざまだ。そのどれもがアイデンティティの表明であり、まさに人生の足跡。そんな価値あるジュエリーを紹介する新連載。第1回目は、真珠でメンズジュエリーの新たな扉を開いた「ミキモト」。【連載 I Don’t WEAR Jewelry. I WEAR Artはこちら】
漆黒のパール、メンズジュエリーのニューノーマル
ビジネスシーンにおいてスーツが絶対ではなくなったように、時代によって常識は変化する。かつては女性的な印象が強かった真珠も、昨今ジェンダーレスなファッションジュエリーとして最も注目すべき存在となった。世界で初めて真珠の養殖を成功させたミキモトと、コム デ ギャルソンとのコラボレーションは、まさにその象徴だ。
今回使用されているのは黒蝶真珠。パンクなリンクチェーンを組み合わせることで、より男らしいデザインとなった。ともすれば妖艶さが漂う黒蝶真珠。それは、ゴールドにもダイヤモンドにもない世界観。引き立て役ではなく、主役を張れるジュエリーだ。
一歩先をゆく男の手や首や指に、それは似合う
真珠のジュエリーを牽引してきたミキモト。メンズジュエリーとしての真珠を確立させるのは、もはや義務だったのかもしれない。美しさと強さ、神秘をテーマに、漆黒の世界を披露するコレクション「パッショノワール」。新作のリングでは、ダイヤモンドと黒蝶真珠のコンビネーションを披露。独創性ある真珠の配置も芸術的で、その唯一無二の表現は留まることを知らない。黒の力強さも相まって、まさに男がつけるにふさわしい真珠である。