靴からコーディネイトを考える洒脱巧者が多いように、実のところファッションの要はボトムスにある。そこでゲーテディレクター島田明が旬の靴とパンツを軸に、洒脱な装いを完成させるコーディネイトの法則を解説。ボトムスからの冬の着こなし、ぜひともアップデイトを。
サイドゴアブーツ×チノーズには、カーディガンにブラウンコートを
「米国のワークやミリタリーを出自とするチノーズ(チノパンツ)が、久方ぶりに注目されています。なかでもオーセンティックな太めのものも増えており、足元はシャープなサイドゴアブーツでボリュームと土臭さを抑えるのが正解。ブラウンコートで大人らしいエレガンスを、カーディガンでトレンドのリラックス感を加えれば完璧です」
ERMENEGILDO ZEGNA

ブーツ¥135,300、パンツ¥71,500、コート¥1,672,000、セーター¥135,300、カーディガン¥353,100、サングラス¥55,000(すべてエルメネジルド ゼニア/ゼニア カスタマーサービス TEL:03-5114-5300) 傘はスタイリスト私物
ゲーテ世代も採り入れやすいイタリア流の着こなし術
「チノーズのディテールや素材感はそのままに、イタリアらしいやや細身のテーパードシルエットを採り入れた“イタリアンチノ”は、トレンドの本流である太めのチノが苦手な人もはきやすいもうひとつの流れです。さらにブラウン&ブラックというイタリアの伊達男が好むカラーコーディネイトでまとめれば、モダンかつ男らしいスタイルが完成します」
BOTTEGA VENETA

ブーツ¥152,900、パンツ¥104,500、コート¥440,000、カーディガン¥176,000、Tシャツ¥51,700(すべてボッテガ・ヴェネタ/ボッテガ・ヴェネタ ジャパン TEL:0120-60-1966)
ワイドチノは全体にメリハリを利かせて攻略
「ブラックのチノーズはかなり太めで、現在のトレンドを象徴するもの。ブーツは法則どおり細身にしたいですが、コートに関してもタイトめなものにし、全体のシルエットにメリハリをつけると野暮ったくならず、美しくまとまります。またパンツがブラックなので、重々しく武骨にならないよう、カーディガンはやわらかな印象のナチュラルカラーが正解」
ASPESI & SALVATORE FERRAGAMO

ブーツ¥198,000、コート¥649,000(ともにサルヴァトーレ フェラガモ/フェラガモ・ジャパン TEL:0120-202-170) パンツ¥41,800(アスペジ)、セーター¥38,500(ラルディーニ/ともにトヨダトレーディング プレスルーム TEL:03-5350-5567) カーディガン¥85,800(ルッフォ/バインド ピーアール TEL:03-6416-0441)
足元の武骨さを大人らしくエレガントに中和
「トレンドアイテムのサイドゴアブーツのなかには、ごつくてボリューム感のあるものもあります。こうしたブーツは、ネイビーのチノーズやキャメルカラーのコートでエレガントな雰囲気に振るのがポイントです。チノーズのシルエットもワイドではなく、裾に向かって絞ったテーパードのほうがバランスもよく、ボトムスが重々しくなりません」
SAINT LAURENT

ブーツ¥126,500、パンツ¥66,000、コート¥561,000、カーディガン¥132,000、Tシャツ¥47,300(すべてサンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ/サンローラン クライアントサービス TEL:0120-95-2746)
足し算と引き算で全体のバランスを整える
「ボトムスからではないですが、ラメ入りグリーンストライプのニットカーディガンを中心に組んだスタイル。こうしたインパクトのあるアイテムは個性を演出したい時に有効です。とはいえコーディネイトの基本的法則に従えば難しくなく、その他のアイテムをベーシックなデザインとキャメル系の色調で控えめにまとめます」
AKIRA SHIMADA
1963年東京都生まれ。雑誌『MEN’S CLUB』にて編集者としてキャリアをスタート。その後、雑誌『LEON』で編集長代理、『Esquire』でファッションディレクターを経て、2011年より小誌ファッションディレクターに就任。現在、Patrick CoxやHEADなど国内外のブランドのディレクターも務めている。