プレ値での購入はもはや常識!?
ズラリと並んだ高額なスニーカーの数々。激レアな非売品も含め、これらはすべて原宿にある人気スニーカーショップ「WORM TOKYO」の店頭に並んでいるモデルだ。価格は市場相場などを踏まえて設定される、いわば時価。今は10万円を超えるモデルもざらにあり、それが普通に売れているのだとか。
いつしかスニーカーを定価ではなく、2次流通市場でのプレミアム価格、通称“プレ値”で買うことが当たり前になっている。「WORM TOKYO」の山形谷賢人氏は、多くの人がプレ値で買うようになったのは、2010年代の前半頃で、インバウンドの影響だと分析する。
「当時、新作スニーカーは発売日にショップに並んで買うのが主流で、海外の人が行列を作るようになったんです」
実は日本は限定モデルに関しては、アジアのなかでも比較的優遇されて配分されることが多いと山形谷氏は話す。だから、わざわざ日本で行列に並ぶ価値がある。その結果、人気スニーカーを日本人が正規販売で手に入れにくくなり、欲しい人は、プレ値で買うしかなくなった。コロナ禍以降はネットでの抽選販売が主流になったが、入手困難な状況は変わらない。
高騰するモデルの傾向として山形谷氏があげるのは、シュプリームやWTAPSなどの人気ストリートブランドとの共作モデル、G-DRAGONやJ.Balvinなどの有名アーティストとのデザインモデルなど、いわゆるコラボものだ。そして、エア マックス95のイエローグラデーションのような定番モデルの定番色もそう。「このケースは何回復刻されてもその都度、価格は上がります」
また、オークション形式での限定販売や、諸事情で販売が途中でストップしたような流通量の少ないモデルも当然ながら高値となっている。
「著名人が履いたモデルも人気で、例えば、人気ラッパーのトラヴィス・スコットがナイキ SB ダンクをプライベートで着用した写真が出回ると、このモデルの価格が高騰しました」
さらには発売当時はマニアックだったが、時代が追いついたのか突然高値になるモデルもあるという。
人気モデルを運よく手に入れた場合、履いてドヤるか?履かずにセカンダリーマーケットに出すか?手に入れられなかった場合、プレ値でも購入するのか?今の時代だからこその悩ましい選択だ。
プレミアムスニーカー5選@WORM TOKYO
WORM TOKYO
住所:東京都渋谷区神宮前2-26-5 2F
TEL:03-6303-4613
営業時間:11:00~20:00(当面は~19:00)、日曜・祝日~18:00
店休日:月曜