スパイ映画『007』シリーズの主人公ジェームズ・ボンドは、タフでクールな世界的ヒーロー。なかでも初代ボンドを演じたショーン・コネリーと、現代のダニエル・クレイグはハマり役で評価が高く、その着こなしがファッション誌の題材となることも多い。
男らしさの演出に最適なブルゾン。両者マニッシュなデザインのものを身につけているが、どこか上品でリラックス感が漂うコネリーに対し、クレイグは無駄がなく緊張感のある雰囲気。スーツとはひと味違った差が見て取れる。
SEAN CONNERY/ショーン・コネリー
全出演作を通し、ブルゾン類を着ているシーンが比較的少ないコネリー版ボンド。なかでもミリタリーテイストのブルゾンを着ていても、決してラギッドで男臭い雰囲気にはならないのは、ゆとりのあるサイズ感や上品さのあるコーディネイトゆえだろう。007研究の第一人者であり、ファッションにも精通する田窪寿保氏は「コネリーはハードボイルドではなく、格好つけたプレイボーイ的な雰囲気を全体的に意識している」と話し、こうしたブルゾンの着こなしにも表れているといえる。
DANIEL CRAIG/ダニエル・クレイグ
歴代のジェームズ・ボンドのなかで最も筋骨隆々な肉体を誇るダニエル・クレイグ。全体的にそんな肉体美を強調する服を着ており、ブルゾンも体型にぴったりと合った無駄のないデザインのものを着こなす。またラギッドな雰囲気も漂うが、あくまでミニマルで都会的に洗練されているのがクレイグ版ボンドの特徴だ。