日本の雪資源を守るためのプロジェクト「SAVE THE SNOW」の一環として、岩手・安比高原で開催されたガラパーティの様子をお届けする。

ガラパーティ最大の催し「SAVE THE SNOW CONCERT」では、松任谷由実さんと平原綾香さん、そして上村愛子さんがセッション。
日本の雪資源、その価値に共鳴する者たちの集い
近年、地球温暖化による欧州スキーリゾートの雪不足なども拍車をかけ、日本各地のスキー場への訪日外国人が増加傾向だ。今改めて注目される日本の雪資源だが、元アルペンスキー日本代表の皆川賢太郎氏が代表理事を務める冬季産業再生機構という財団がある。雪を資源と捉え、環境に配慮しながら持続可能な循環型社会の実現に寄与することを目的に設立。このたび2022年に立ち上げた「SAVE THE SNOW」プロジェクトの一環として、岩手・安比高原でガラパーティを開催した。
「世界で最も豊富な降雪量を誇る日本は、いわば雪資源大国。安比高原スキー場は今季Japan’s Best Ski Resort 2022最優秀賞を受賞、サラサラなシルキースノーを求めて多くの外国人が訪れており、ビジネスチャンスの可能性がたくさん秘められています」と皆川氏。

左:総滑走距離4万3100m、21コースを持つ安比の山々。 中央:「SAVE THE SNOW」プロジェクトロゴ。 右:安比高原にできたホテル「ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート」のラウンジがパーティ会場。
2022年12月に開催されたガラに集まったのはおよそ60名の財界人や著名人、そしてアスリートらのビジネスエグゼクティブ。開業から8ヵ月でWORLD LUXURY HOTEL AWARDS受賞の快挙を遂げた「ANAインターコンチネンタル安比高原リゾート」のラウンジがその会場となった。
会場では世界中の温暖化による雪の現状を専門家が説明。また「雪の語り部を育てていきたい」という目的で生まれた絵本プロジェクトでは、元モーグル日本代表で財団のアンバサダーを務める上村愛子氏が作画を担当した絵本『ゆきゆきだいすき』も披露。「雪がなくなったら地球にどんなことが起きてしまうのか。それは悲しいこと、という気持ちを子供たちに伝えていきたい」と上村さんは語る。

左:冬季産業再生機構代表理事の皆川賢太郎氏。 右上:オリンピアンで元モーグル選手の上村愛子さんが描いた絵本『ゆきゆきだいすき』を背景にコンサートは開催。 右下:乾杯はホストであるラオックス代表取締役会長の羅怡文氏。

フォーマルウェアに身を包んだエグゼクティブを見渡し「まるでヨーロッパのスキーリゾートのよう」と皆川氏。

左:3人のスノーボード日本代表、左から、広野あさみさん、今井胡桃さん、松本遥奈さんもドレスアップして参加。 右:協賛パートナー、八海山の「純米大吟醸 八海山 雪室熟成八年」などが振る舞われた。
ガラのハイライトは、総合演出に松任谷正隆氏、歌い手が松任谷由実×平原綾香の「SAVE THE SNOW CONCERT」。『ゆきゆきだいすき』 のキャラクターあいこちゃんのストーリーを挟みながら、ふたりのディーバが交互に歌うコンサートは“雪の社交場”にふさわしいスペシャルなコンサートとなった。
雪の魅力と楽しさを満喫しながらも、改めて雪資源を守るために環境問題に取り組む大切さを経営者らに訴え、皆川氏は、「このガラも持続可能な活動にしていき、あらゆるビジネスの可能性を日本の雪とともに探っていけたらと思います」。そう締めくくった。

左:パーティ翌朝はオリンピアンとともに誰も滑っていない貸切りのゲレンデでファーストトラックを楽しんだ。 右:皆川氏(左端)とともに参加者の記念撮影。

左:シルキースノーを求めて外国人観光客も増加傾向に。 中央:写真家・蜷川実花さんの写真でラッピングされたゴンドラ。 右:冬季産業再生機構理事であるフェンシング銀メダリストの太田雄貴氏も参加。