東京が初夏を迎える2022年6月3日(金)、4日(土)、5日(日)の3日間、緑豊かな日比谷公園と公園周辺の施設で「日比谷音楽祭2022」が開催される。テーマは「ボーダーレス」。無料で親子孫3世代が、あらゆるジャンルの音楽を楽しめる。出演者もボーダーレス、観客もボーダーレス、そんなイベントが日比谷音楽祭だ。【連載 日比谷音楽祭がすごい】
チケット入手困難なミュージカルを日比谷音楽祭のステージで
6月3日(金)、4日(土)、5日(日)の3日間にわたって開催される「日比谷音楽祭2022」のテーマは“ボーダーレス”。おじいちゃん・おばあちゃん世代、お父さん・お母さん世代、子ども世代、誰もが楽しめる音楽が用意されている。そのためには、ジャンルの垣根も超える。毎年野音(日比谷野外音楽堂)のステージでは、ポップ、ロック、ジャズ、クラシックから純邦楽やアニメ音楽まで、あらゆるフィールドのアーティストが歌い演奏してきた。
そして、ミュージカル系のアーティストも登場する。日比谷音楽祭が行われる日比谷公園から徒歩圏には、帝国劇場、東京宝塚劇場、日生劇場、電通四季劇場があり、にぎわっている。現在、有楽町マリオンが建っている場所は、かつては日劇だった。日比谷・有楽町・銀座・汐留エリアは、演劇とともに発展してきたのだ。
日比谷音楽祭の“ミュージカル部門”を担っているのは、俳優で声優でシンガーの井上芳雄。読売演劇大賞 優秀男優賞をはじめ数々の賞を受賞してきた。井上は毎年メンバーを替えながら、ユニット「日比谷ブロードウェイ」を結成し、パフォーマンスを行っている。
「日比谷音楽祭で、僕はこれまでに出会ったとびきりのアーティストにお声がけしています。同じように、井上さんはミュージカル界の中でとびきりのアーティストを日比谷ブロードウェイとして集めてくれるんです。今年は、佐藤隆紀さんと木下晴香さんとのコラボレーションになりました。日比谷ブロードウェイとして、僕たちのバンドと一緒に最高のパフォーマンスを披露してくれます。」(日比谷音楽祭実行委員長・亀田誠治・以下同)
佐藤隆紀は、2008年にクラシックを主に歌うヴォーカルグループ、LE VELVETSのテノールシンガーとしてデビュー。ソロとしては『タイタニック』『マリー・アントワネット』『エリザベート』に出演し、キャリアを重ねてきた。木下晴香は、2017年にミュージカル『ロミオとジュリエット』でデビュー。『アナスタシア』『モーツァルト!』『夜来香ラプソディ』などに出演。菊田一夫演劇賞を受賞している。
「しっかりと固定ファンが付いているミュージカルや演劇は、2年、3年先の公演のチケットも売り切れている状況です。それ自体は素晴らしいことですが、新しいファンは観たくてもチケットを手に入れにくい状況でもあります。それならば、日比谷音楽祭のステージで、演劇を体験したことのない人の前でパフォーマンスをしていただいてはどうか──。そういう発想で井上さんと意見交換をして、実現したのが日比谷ブロードウェイです。その名の由来は、本場ニューヨークをイメージして、日比谷公園をセントラル・パーク、劇場が連なる日比谷の街をブロード・ウェイになぞらえたものです。ミュージカルの魅力が伝わるナンバー、ミュージカルとポップスのコラボレーションは絶対やろう、といつも話し合っています」
さらに日比谷音楽祭2022では、劇団四季のメンバーも登場する。
「今年は1曲、劇団四季の方にパフォーマンスしていただくことになりました。どんな内容になるか──、楽しみにしていてください」
日比谷ブロードウェイ with 劇団四季のステージは、2022年6月4日(土)夜の「Hibiya Dream Session 2」の予定(劇団四季のステージに関しては配信の予定はなし)。
※次回は6月4日掲載予定
Seiji Kameda
1964年生まれ。音楽プロデューサー・ベーシスト。これまでに数多くのミュージシャンのプロデュース、アレンジを手がける。2004年に椎名林檎らと東京事変を結成し、ベーシストとして参加(’12年に解散、’20年に再生を発表)。’09年、自身初の主催イベント“亀の恩返し”を日本武道館にて開催。’21年には映画「糸」にて日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。’19年より「日比谷音楽祭」の実行委員長を務める。