東京が初夏を迎える2022年6月3日(金)、4日(土)、5日(日)の3日間、緑豊かな日比谷公園と公園周辺の施設で「日比谷音楽祭2022」が開催される。テーマは「ボーダーレス」。無料で親子孫3世代が、あらゆるジャンルの音楽を楽しめる。出演者もボーダーレス、観客もボーダーレス、そんなイベントが日比谷音楽祭だ。【連載 日比谷音楽祭がすごい】
DREAMS COME TRUEが満を持して、日比谷音楽祭2022に登場!
2022年6月3日(金)、4日(土)、5日(日)の3日間、音楽プロデューサーでベーシストの亀田誠治が実行委員長を務め、日比谷公園と公園周辺の施設で開催される「日比谷音楽祭2022」。その最終日の夜に野音(日比谷野外音楽堂)で行われる「Hibiya Dream Session 3」にはDREAMS COME TRUEが登場する。ふだんはアリーナや巨大なスタジアムを満席にするドリカム。彼らをわずか約3000席の野音で観られるとは、日比谷音楽祭だからこそ、といえるだろう。
ドリカムについてはいまさら説明は不要だが、1988年に結成され、1989年にアルバム『DREAMS COME TRUE』とシングル「あなたに会いたくて」でデビューしたユニット。「Eyes to me」「決戦は金曜日」「晴れたらいいね」「すき」「LOVE LOVE LOVE」「朝がまた来る」……などナンバーワンヒットをいくつも生んできた。
「ドリカムは、どの世代のリスナーでも親しんでいる曲があるはずです。しかも何曲も。誰もが楽しめるステージになると思いますよ。それこそ親子孫三世代のボーダーレスをうたう日比谷音楽祭にふさわしいアーティストですね。彼らは4年に1度のドリカム・ワンダーランド(史上最強の移動遊園地 DREAMS COME TRUE WONDERLAND)を8ツアーも成功させてきました。野外フェスにおいてもパイオニアでありプロ中のプロです」(亀田誠治・以下同)
亀田が思う、ミュージシャンとしてのドリカムのすごさとは──。
「吉田美和さんは、ブラックミュージックを昇華したヴォーカルスタイルをポップフィールドで披露し、ミリオンヒットを多発した日本人で初めての女性ヴォーカリストです。ジャズやクロスオーヴァーのフィールドでは、ブラックミュージックをきちんと理解して歌ってきたリスペクトすべき先輩シンガーもいたと思います。ドリカムのすごさはポップシーンで活躍し続けているということ。そして、国民的ヒットグループだということです」
ドリカムの中村正人は、ベースギターを本職とする音楽プロデューサー。同じベーシストである亀田に近いスタンスでもある。
「マサさんは僕よりももっと広く深い音楽の景色を見ていると思います。吉田美和という唯一無二のヴォーカリストと出会って、彼女の魅力を日本中の人に伝えるという役割に誠実に向き合っていらした。音楽そのものだけでなく、経営的な手腕も発揮されてきた。マサさんのことを僕は“プロデューサーのなかのプロデューサー”だと思っています。心からリスペクトしています」
実は日比谷音楽祭2019にも、亀田はドリカムに参加を依頼している。しかし開催日がドリカム・ワンダーランドの期間と重なり、出演は見送られた。
「マサさんにお願いに行ったら、日比谷音楽祭の意義をすぐに理解してくれました。ドリカムはニューヨークで音楽制作をしていたことがあり、日比谷音楽祭の発想の元になっているセントラルパークのサマーステージをよくご存知だったからです。素晴らしい! 亀ちゃんにしかできないことだと言ってくださった」
そして、日比谷音楽祭2019の協賛に名を連ねてくれた。つまり、自分たちの参加できない、ほかのアーティストたちがパフォーマンスするイベントに経済的な支援を行ったのだ。
「アーティストがイベントに協賛するとは、僕自身初めての体験でした。嬉しかったですね。あのとき、日比谷音楽祭2020についてもフェスとしてさらなる高みを目指していくための意見交換させていただきました。ところが2020年は新型コロナウイルスの感染拡大で開催中止となり、今年満を持してドリカムのステージが実現することになりました」
ドリカムのパフォーマンスは野音でのライヴのみになる。配信では、中村正人と亀田とのトークが予定されている。
【SKY-HI】「天性のリズム感の持ち主で、ひと言ひと言の切れ味が鋭い」亀田誠治
Seiji Kameda
1964年生まれ。音楽プロデューサー・ベーシスト。これまでに数多くのミュージシャンのプロデュース、アレンジを手がける。2004年に椎名林檎らと東京事変を結成し、ベーシストとして参加(’12年に解散、’20年に再生を発表)。’09年、自身初の主催イベント“亀の恩返し”を日本武道館にて開催。’07年の第49回、’15年の第57回日本レコード大賞にて編曲賞を受賞。’21年には映画「糸」にて日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。’19年より「日比谷音楽祭」の実行委員長を務める。