役者・滝藤賢一が毎月、心震えた映画を紹介。超メジャー大作から知られざる名作まで、見逃してしまいそうなシーンにも、役者のそして映画のプロたちの仕事はある! 役者の目線で観れば、映画はもっと楽しい!!
ひとりで育児と仕事を両立することの困難さ
今回は、「あ、私も親になって映画の見方が変わったんだなあ」と実感した作品を選んでみました。
『パパは奮闘中!』は、突然、奥さんに家を出ていかれて途方に暮れる男の話です。自分の身に置き換え、ぞっとしました。
ふたりの子供はまだ幼く、ロマン・デュリスが演じる主人公は家事がまるでダメ。急に毎日、3食作ることになったら、果たしてできるのか……。
主人公は配送部門の中間管理職。寒さの厳しい環境で、効率と速さを求められ、従業員はみな疲弊しきっている。家でも職場でも進退窮まる男ですが、それでも父親であることはやめられない。うぅ、泣ける。
本当に親って大変です。けれどその弱さをさらけだすと、子供も理解してくれる日が来るのでは? という現場からの報告でした。
『パパは奮闘中!』
突然、妻に家出され、ワンオペ育児を強いられることになった父親のパニックぶりをリアルに表現。昨年のカンヌ国際映画祭の批評家週間へ出品された作品でもある。
2018/ベルギー、フランス
監督:ギヨーム・セネズ
出演:ロマン・デュリスほか
配給:セテラ・インターナショナル
4月27日より、新宿武蔵野館ほか全国順次公開