カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務めるフリーアナウンサー・安東弘樹は「三度の飯より、運転が大好き!」。24時間365日、自宅から収録現場までの往復100km以上を愛車で通うほど、運転に心血を注ぐ。このたび、愛車のひとつ、レンジローバー ヴェラールの足元を、グッドイヤーの新型オールシーズンタイヤ「ベクター フォーシーズンズ ジェンスリー エスユーブイ」へと履き替え。タイヤの組み替えからわずか2週間、すでに走行800kmにも達した(!)タイヤについて、試乗インプレッションをお届け。
毎日100kmを走る、安東弘樹が惚れたタイヤ性能
「おー、凄い!」――思わず、自然とそんな声が溢れ出たのは、グッドイヤー「ベクター フォーシーズンズ ジェンスリー エスユーブイ(以下ベクター)」を履いた愛車で、アスファルトに溜まった水溜まりを通過した時でした。予想していたステアリングホイールに伝わる衝撃がほとんどなかったからです。
通常、水溜まりを通過する際にはタイヤにかかる抵抗が急激に増すため、それなりの力がステアリングにも伝わります。酷い時にはまるでキックバックのような力を感じたりすることも。ところがこのベクターは、排水性がよいからでしょう。拍子抜けするほど、特になにも抵抗を感じなかったのです。これには正直、驚きました。
雨の日にも強い、安心のグリップ性能
その理由の秘密がタイヤ面のVシェイプドトレッドといわれるV字型の溝にあるということを、日本グッドイヤー 商品企画部の古谷明弘氏が教えてくれました。しかもこの新型ベクターでは、タイヤの中央部分に向かうほど、この溝が細くなっている構造で、従来モデルよりも排水性能を向上しているだけでなく、走行中のノイズ低減や直進安定性にも寄与しているというから驚きです。
さらにタイヤの摩耗が進んでも、溝が広がる特殊構造で排水性を確保しているという。ウェット性能を長く維持するアクアコントロールテクノロジーにより、摩耗が進んでも、このウェット性能が維持されるのも嬉しい限りです。
ハンドリング&静粛性向上の全天候型
決して記事を書くからと忖度しているわけではなく、素直に驚いた次第です。また、雪上での走行性能を担保するスタッドレスタイヤはウェット路面が弱点であることが多いので、その部分にも感銘を受けたことを、お伝えします。
あらためて確認しておきますが、いわゆる“オールシーズンタイヤ”とは、夏のドライ・ウェット路面から冬の雪道まで1年を通して使用できる全天候型。この新型ベクターには突然の雪や冬用タイヤ規制時も通行が可能な雪上走行性能を認める「スノーフレークマーク」が付いているのです。
最近、SUVが台頭するにつれ、オールシーズンタイヤも増えてきました。しかし、このスノーフレークマークが付いたタイヤは、まだ一部のみ。皆さんも、この点には注意してください。実際、私のクルマにもともと純正装着されていたのは、某メーカーのオールシーズンタイヤでしたが、スノーフレークマークは付いていませんでした。
付いていたのは「M+Sマーク」のみ。これはマッド&スノーの頭文字で、文字どおり泥と雪の路面の走行を考慮している、という意味ですが、このマークだけでは冬タイヤ規制時は法規上、基本的には通行できません(希に例外もありますが)。
現在のクルマを購入した際にオールシーズンタイヤが純正として装着されていたので、一瞬、喜びましたが、スノーフレークマークが付いていないことを知り、少し残念に思ったことが思い出されます(笑)。
もちろん、この新型ベクターは氷上性能、雪上性能を極めたスタッドレスタイヤとは違いますので、特に凍結路には注意が必要です。冬になったら実際に走行して、新型ベクターの性能を試してみたいと思っています。
タイヤのことを考えず、気持ちのよいドライブを楽しめる
さて、続いてはドライ路面での印象について、お話ししましょう。まず、高速走行時の静粛性がとても高いのに驚きます。履いてしばらくは段差を越える時に「ポコン」という共鳴音が気になったのですが、走行して100kmを超えたあたりから聞こえなくなり、今ではまったく気にならなくなりました。それ以降はロードノイズの少なさに感心するばかりです。
さらにコーナリング時には強固なショルダーブロックのおかげか、タイヤが“よれない”ため、気持ちよく曲がってくれます。これはスタッドレスタイヤにはない美点と言っていいでしょう。一方、直進安定性も高いので、よい意味で、タイヤのことを考えず、とにかく気持ちのよいドライブを楽しめるのです。
タイヤを履き替えただけで、自分のクルマの性能が上がったとさえ感じる。どんな高性能のクルマでも接地しているのはタイヤだけ。ある意味、あたり前のことかもしれませんが、あらためて、そう実感しました。
これまではクルマを購入したら、最初から装着されているタイヤのままか、納車されてすぐに自分で選んだタイヤに替えていたので、今回のようにしばらく走っていたタイヤを途中で替えたことはほとんどなかった。それだけに、タイヤの性能を知る、よい経験になりました。
お洒落もクルマも、まずは足元から!
話は少しそれますが、私、TBSのアナウンサー時代は通勤時、私服だったため、番組で用意される衣装に着替えるまで、ほとんど毎日、ボトムはデニムパンツで局に通っていました。しかし、さすがにデニム+スニーカーというのは、いざという時に問題がありますので、靴だけは革靴や革のショートブーツ等を履いていたのです。
そんなこともあり、実は局員だった時はいわゆるスニーカーというモノを持っていませんでした(トレーニング時も自宅での自重トレーニングが中心でしたので、いつも裸足)。ところがフリーランスになり、局アナではなくなったため、私服もさらに自由になったことでスニーカーを履くようになりました。そして、その軽さや履き心地のよさ、さらに歩きやすさに感動を覚えたのですが、今回、ベクターに履き替えて運転した際には、その時のことを思い出しました。
地面と接しているのは靴の場合は靴底だけであり、タイヤの場合はトレッド面だけ。ですが、靴自体の柔らかさや伸縮性によって歩く感覚が変わるように、タイヤ全体の剛性や機能性によって運転感覚も変わるのです。
天候を気にせず、春夏秋冬を自由に走れる万能性。季節を選ばないグッドイヤーの新型オールシーズンタイヤは、どこへでも安心して連れ出せる相棒の足元に欠かせない。まるでスニーカーのような存在ですね。
そんな事をあらためて新型ベクターに教わった気がしました。また、個人的には控えめ? なベクターロゴも気に入っています。性能をひけらかすことはないのに、実は幅広い高性能を秘めている。そんなアンダーステイトメントな雰囲気がいいじゃないですか! これからも愛車とベクターの会話を聴きながら、私は安心して運転を楽しみたいと思います。
問い合わせ
グッドイヤー https://www.goodyear.co.jp/products/tires/4seasonsgen3suv/4seasonsgen3suv.html